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0335 体によい食ってなんでしょう。 桃李 2010/10/31-01:08:37
健康によいといわれる食品やサプリメントを口にすると、健康になれる気がします。安心します。健康不安というストレスを解消できます。

でもわたしはスーパーマーケットで買い物をするたび

この数年ずっといい気持ちになれないことがあります。
食物の陳列の仕方です。

オーガニックとそうでないものが並んでおいてあるのです。

オーガニックの方が値段は高い。家族の健康をあずかる主婦としては、安価で安全な物を買い求めたい。でもオーガニックの食物のほうが体によいといわれている。こんなふうに陳列されると、悩んでしまいます。

おいしくて体によいといわれるオーガニック食品を買うお金がない人は、体によいともおいしいとも宣伝されていない安い食品しか買えません。

そう考えはじめたら、この売り方は嫌な気持ちになりました。

たしかにわたしも、あまりにも農薬のイメージが悪くなったので、農薬が沢山かかった野菜なんか、気持としては食べたくないと思います。でも健康にどう影響するか、まだ調べてもいませんが日本が長寿の国であることを考えると、オーガニックでなくても健康は守れる気がしてきます。
農薬がいやなら落とせばいいのだし。

オーガニック食品を売る会社にお願いします。

いかにおいしくて健康的かという宣伝と一緒に、オーガニック食品を食べ続けた人の追跡調査の結果などを消費者に提供してください。

また、動物性タンパク質や脂肪よりも植物性のほうがだんぜんよい。肉よりは魚がよい。

そんな宣伝もよく見聞きします。

フランスに住んでいたときも、わかいフランス人の女性が
「肉より魚がいいのよね、日本人の食べ方は、ほんとうにすばらしい。」

そうほめてもらいましたが。

しかし魚は、

日本人は魚を生で食べるがゆえにピロリ菌を持つ人が多く、肉を主なタンパク源にする食文化圏の人たちと比較すると胃ガンの罹患率が高い。そんなことを研究する人もいます。

どうでしょう?

またたとえば、中国の薬膳は体によいといわれます。でも、その話を聞くとき、わたしはこう尋ねてみたくなるのです。

「だけどあなた達は、中国の食品は薬品漬けで信用できないというのでしょう? 中国薬膳の考え方は、その中国でとれる食べ物や水を飲食する人たちにこそ適応する物ではないの?」

食べ物は土壌や季節、その年の天候や保存方法、保存期間によって栄養価が変化します。それを中国の考え方とどうすりあわせるんだろう。本当に効果があることを、日本で証明できるものはあるのでしょうか。

たとえば、日本で育った「じゃが芋」のビタミン・ミネラル含有量の年間変化をみてみます。

資料は『野菜のビタミンとミネラル』編著 辻村 卓 (女子栄養大学出版) 2003年9月20日初版 です。

この本のP100からはじまる資料1として
「各種野菜のビタミン・ミネラル含有量の年間変化」があり
1993年と1997年のデーターを比較して棒グラフにしています。

水分は12ヶ月ほぼかわりません。

カルシウム、リン、鉄、ナトリウム、カリウム、ナイアシンについては1997年のほうが多く含有していたそうですが、ビタミンCだけは、1993年のデーターの5月から9月は2倍から3倍の値をしめしました。 

またこの本には野菜を冷凍処理した場合の1年間のビタミン含有量も付表2として載っています。 これは大変面白い調査結果ですが、155ページのほうれん草などビタミンB1がもっとも多くなるのは冷凍した2ヶ月後、B2は9ヶ月後と12ヶ月後が最も多くなっています。

とれたてが新鮮でよいこともあれば、冷凍して時間が経った方が上がる栄養価もあると知って、おどろきました。

食べ物はわたしが思っていたよりも繊細です。人の体ももっとそうでしょう。

だから土地や水が違い食べる人が変われば、ひとつの考え方が万人に当てはまるとはいえません。

そういったことをひっくるめてもとれたてのオーガニック野菜がからだによいとか、薬膳で健康を守れるとか、いったいどこまでが宣伝で、どこまでが事実なのか、これは 自分で調べないといけないのでしょうか。

悩んだ結果、あんまり気にしないで、いきいきと笑って過ごすことをかんがえることが一番からだによいのではないか。

最近はそう思うようになりました。

最後にロイターがニューヨークから発信したこんな記事を見つけたので、張っておきます。ロンドン大学がオーガニックについて検証した結果です。
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-15505920100526

なんであろうと、生まれたての赤ん坊のごとく、本能的に自分の信用できるたべものを口に入れるのが一番よいのかも知れませんね。