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0330 アマチュア政治こそ市民の出番 2010/09/21-01:25:00
 今回の民主党選は、党首=首相であったし、菅氏・小沢氏の勢力が拮抗していると予想されたためもあって、老人党掲示板でも、それぞれを応援する方々の投稿が目に付いた。

 当初、国会議員は小沢氏寄りと思われ、ネット投票も小沢氏寄りだったが、新聞による世論調査は菅氏、事実、やや国民の意見に近いと思われる民主党員&サポーターの票が菅氏に大きく傾いたためか、国会議員票も僅かであるが菅氏が勝利した。

 この2人の違いについては、先週の笹井さんの、プロとアマについて書かれたコラムが見事であると思う。ただ、私は小沢氏が、『たとえ自分は地獄に落ちようと国民は天国に行かせる、と考えるような人』とは思えない。

 彼は「政党を動かすのが面白くて仕方がない、政治闘争好きの人」に私には思える。そうでなければ、民主党にとっての大事な時期に、自民党との大連合を持ち出した意図が、未だに私には分からない。政権闘争になると燃える人がいる。そういう場合、残念なことに論争は、より良い政治を作り上げるための政策論争ではなく、互いに支持する相手を貶めるための道具と化す。

 といって、私は悲しいことに勝利した官氏が優れているとも思えない。菅首相の勉強不足、優柔不断というか腰の据わらなさ等々、師の市川房江氏も彼の力不足には、草葉の陰で目を覆っているかもしれない。

 しかし日本の首相は菅氏である。となれば、小沢氏に較べればいかにもアマチュア風の官首相には、これも先週のコラムの通り『プロならば考えもしなかったこと』を思い切ってやってもらいたい。

 例えば、税制改革、1票の格差、天下り問題、9条を前提にした日米交渉などについても、「そんなことできるわけが無い」と、過去の常識に囚われがちで無難さを選ぶ官僚や、今までの自民党の発想でなくできないか。

 そしてそれが荒唐無稽に陥らないためには、『徹底した現情直視と、それまでの方式、つまり常識、にとらわれない自由な発想』をしてもらうしかない。

 菅氏はもともと市民派である。厚生大臣時代に、厚生行政に踏み込んで「薬害エイズ事件」が行政責任であると認めたことは評価できる。それなのに、今回の組閣で長妻氏を更迭させたことは実に残念だ。

 私たちの望む社会をいくらかでも実現させるために市民が出来ることは、私たちの声を内閣や民主党、そして官僚にも日常的に届けることだ。

 選挙のときだけしか動かない市民が、プロの政治家の豪腕を頼んで、政治全てを任せてしまうような旧態依然の考え方は止めたいと思う。次回の衆院選を思えば、民主党政権は「現状を直視した市民の声」を無視することはできまい。まさに市民の出番ではないだろうか。