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0320 ねじれ国会を超党派の政策実現の場に 2010/07/12-19:59:43
自滅ともいえそうな民主党の敗北に終わった参院選。菅総理の消費税の増税発言は唐突であったし、その後の低所得者層には消費税を還付するという現実性のない選挙用発言は、消費税に敏感に反応した人たちと、財政再建を真面目に考えなくてはならないと思っている人たち、両方を呆れさせる結果になったのではないか。

自民党に票を投じた有権者が、消費増税案はもともと自民党案であることを自覚しての選挙結果なら、選挙後、消費増税は容易ということになる。自民党支持者は消費増税でも良いが、民主党支持者は消費増税反対の人がやや多く他党に流れたと言うことか。

しかし消費増税発言のみが選挙結果に影響したわけではないだろう。民主党の政権運営のつたなさが大きかったのではないか。

普天間問題における鳩山前首相の「沖縄から基地をなくしたい」という思いは、沖縄の人をはじめ、沖縄の痛みに心を寄せる多くの日本人の願いでもあるだろう。また「財政再建のためには増税もやむなし」というのも、長期的な視野からは納得している人も多いのではないだろうか。

しかし、政権党として国家の運営をするためには、理想を掲げるだけでなく、その実現への努力が必要であり、成し遂げるためへの熟慮が必要だろう。その姿を国民に見せなければ、国民は納得しがたい。

基地問題に取り組むには、日米関係を悪化させずに徐々に返還をというロングスパンの外交努力が必要だし、消費増税を言う前に、無駄な支出を削ることこそ、国民が民主党政権に望んだことではなかったか。

ともあれ衆参のねじれ国会で、重要な法案が次々廃案にされることを、国民は望んではいない。民主党は、反小沢・親小沢などという党内の権力争いに走っている場合ではないだろう。まずは国民が支持してくれる制度や法案を練りに練って提出することだ。他党とすり合わせ、妥協を重ねることも必要になるだろう。

野党に望むことは、参院を政党間の権力闘争の場にするのでなく、討論を重ねて国民のために、より良い法案を練り上げていく態度こそ望まれる。税制や年金の改革など、ぜひ超党派で取り組んでほしい。それには与野党の議員ともども個々人が良識の府たる参議院に立ち戻る決意が必要なのだが…。