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0303 いわゆる「密約」について 鈴木建三、 2010/03/15-13:07:59
 この頃、政府の核持込の黙認などの密約を外務省が公認したのが新聞を賑わしている。 
 このことは世間では内閣が代わったことなどで真実が暴露されたという風に考えられかねない。しかしこれは本当はもう少し深刻な事柄のような気がする。

 第一の点
 国民はこういったことはなんとなくは察していたように思われる。しかし政府が一所懸命否定している限りは、国民は知らないはずのことである。
 その場合、この密約の結果相当困った悪い結果が生じ
た場合、日本の政府はそれに責任があるが、知らされていなかった日本国民には全く責任がないはずである。
 公表されれば、それを放任しておく国民には当然責任が生じるのである。
 第二
 こういうふうに考えると、今度外務省が発表したのは、今まではこういうことを発表すれば国民が認めないだろうと考えて隠しまくっていた政府や外務省が、発表してももう国民はたいして抵抗しないだろうと高をくくったからではないかと思われる。
 それゆえこの問題は、事実をちゃんと発表すべきだなどという論調で片付くものではない。(この密約を、特に核
について隠しまくらなければならなかった日本の政府より、在日アメリカ軍人の放言などで国民に漏れていたのも、アメリカ軍人のほうが日本人の核への反応を知らなかった無神経のせいである。)

 こういったことが公表されて秘密がなくなったとか、密約を作るななどといっていたら、こういったものを呑み込んでいる安保条約、アメリカとの軍事同盟を国民も認めることになるし、これが公表されたことでのアジア諸国の反応も非常に厳しいものになるだろうし、悪くすれば日本を攻撃する口実にさえなりかねない。
 
 今度の外務省の公表に対して護憲派のなすべきことは、こういったさまざまな危険を内包する安保条約の廃棄を強く主張しそれを要求する運動を広げてゆくことである。