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0302 Re: 護憲コラム せっちゃん 2010/03/04-04:11:21
現場からの報告
 今年は、憲法が制定されて65年を迎えます。その「憲法第3章国民の権利及び義務」の「第11条 国民は、すべての基本的人権の享有(生まれながらにもっている)を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる。」と謳っています。
 さて、私の住む町に、公民館長さんを中心に、市内有志によって組織された“人権啓発研究会”があります。同会は2年程前に、“人権同和啓発研究会”と、“同和”がついていましたが、「家庭・学校・地域社会など様々な局面において、同和問題をはじめ、女(性)、子ども、高齢者、障害のある人、外国人、HIV感染者・ハンセン病(元)患者等に対する偏見や差別が依然として存在する」との認識から、“広く人権問題の啓発研究”を行っていくとの趣旨で、現在の名称に変更されました。
ご承知の通り、1965年に「同和対策審議会答申」、1969年に「同和対策事業特別措置法」が施行され、同和問題の解決に向けた物心両面、すなわち、普遍的な人権の擁護に向けた国民的課題と国及び地方行政の責務が明らかにされました。
しかし、そうした法的な措置と施行にも関わらず、40年余を経た今日に至るも、被差別部落に対する偏見や差別が根強く、深く残っている事件が発生した事を人権問題の審議会の審議に参加することによって知ることとなりました。
所謂、江戸時代に遡る身分制度以来の数百年の歴史的経過の中で形成されてきた私たちの潜在的な差別意識、精神史の克服の困難性を突然、突きつけられることになり、暗澹とさせられました。と同時に、戦後憲法について、その制定からの年月を見れば、ほんの65年の若さに過ぎないこと、また、憲法の前文の「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」との憲法そのものの改定を目指した行政府がほんの数カ月前に倒れたことから、今年から憲法発布以来、本格的に憲法に基づく、“平和国家を目指す行政府創り”が、国民自らの選択によって国民的課題となったと思うに至っています。そして、私の現場、ホームレス及び生活困窮者状況の人々が抱えている問題の解決に立ち向かっていく視点をしっかりと持ちつつ問題解決課題と格闘していきたいと思わずには居られませんでした。今年度も、年齢と課題との矛盾を楽しみとしていきていくことになりそうです。兎に角、「正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意」しなければならない時が確実に、再び私たちに訪れることになります。また、“街頭も真なり”の老人エネルギーもまた、・・・・・と云えるでしょう。