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0297 冤罪事件を繰り返さないために(自由のために) 蔵龍隠士 2010/02/08-02:26:12
 先日、68年がかりで、横浜地裁で、横浜事件の冤罪が雪がれた。しかも、遺族に対してだ。
 何故、こんなことがあったのか?「警察、検察及び裁判の各機関の関係者の故意・過失は重大である」と。
現在の政府や最高裁判所から、特に反省や総括・言及がないが、他人事だと理解しようとでもしているのだろうか。
それとも、藪をつつきたくないとでも。
 戦時体制下、特高警察の死に至るほどの拷問などという、現在ではありえない点もあるが、依然として継続している環境、状況も少なくない。
それは、冤罪が過去のものでない事実によっても否定しがたい。足利事件もそうだし、富山冤罪事件も志布志事件そうだ。
 飯塚事件や高知白バイ事件についても、再審請求が近くあるかもしれない、否、あるだろう。
 横浜事件のように、死に至るほどの拷問もない(筈)なのに、何故か。
 それは、捜査・裁判においての『自白偏重』であり、密室においての一方的な捜査・取調べにある。この手法、人質司法とも言われる。
 これを最も率直に敵視しているのは、皮肉にも、在日米軍であり、犯罪の嫌疑をかけられた米兵であろう。
 この点では、現在の「最高権力者」たる小沢氏も劣る。
 任意捜査に応じたわけだが、弁護士はキッチリ立ち会ったのだろうか、明らかになっていない。無論、任意捜査だからまったく自由であってもいい筈だが…果たしてどうしたのやら、どういう認識なのやら、伝えられていない。
 マスゴミが、傾注したのは、彼を如何に退場させるか、の環境作りだったような気がする。…偏見だろうか?
 米軍兵士の取調べ(強制捜査)に当たっては、米軍関係者の立会いを政府が認めているが、これは、グローバルスタンダードとしての人権として認めてのことか、それとも、日米軍事同盟下の「日本を守ってもらっている」との認識・卑下からご無理ご尤もと心得ているのか、その辺りを明らかにしてもらいたい。基地の集中する沖縄等の地元の人に、或いは国民にわかるように。常々、そんな思いもある。
 つまり、政府の人権尊重レベルには、大いに不満であり、例えば、別件逮捕・再逮捕、弁護士との接見交通権を制限すること等を含め、現行の『人質司法』を継続するならば、冤罪は決してなくならないだろうということだ。いわゆる任意捜査にしても、本当に任意が保障されているのか、甚だ疑問だ。
 人権保障・その確保は、何も被疑者・犯罪の嫌疑を受けた者に限らない。残念ながら、政府・官憲の消極姿勢は、広範に認められる。
 政府が、民主党政権であれ、国民とともにありたいのであれば、国民の権利、平穏、安寧(安全・安心)は、広く保障されなければならないところ。現在、実はその姿勢が問われている。
 自民党ら野党は、「政治とカネ」問題と言い立てて、小沢と鳩山を標的にして事足れり(木だけ見せて森を見せない)としたり、民主党内には、小沢だけですめばいいかのような発言もあるが、その背景の賄賂政治は、温存する所存だろうか。
戦後政治は、ずっとそうだったが。
 民主主義や自由(主義)の課題に、本気で取り組んでいないのが、戦後政治であり、現状ではなかろうか。
 マスコミも、諸課題に、正面から取り組んでいない。国民の目を逸らす、妙な取り上げ方ばかり、目立つ…。

☆参考までに☆
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20100206k0000m070145000c.html
毎日・社説: 横浜事件 やっと司法が「清算」した ※警察、検察及び裁判の関係者の故意・過失は重大
http://www.kobe-np.co.jp/shasetsu/0002692976.shtml
神戸・社説: 横浜事件「無罪」/長すぎた名誉回復への道
http://www.asahi.com/paper/editorial20100207.html?ref=any#Edit2
朝日・社説: 横浜事件―やっと過去と向き合った  ※なのに、首相や法相から何もない!
以 上