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0292 二十一世紀とは? 鈴木建三 2010/01/11-19:01:39
二十一世紀になってもう十年になる。
 それでやたら戦争ばかりした二十世紀となにが違ってきたかを考えてみると、この十年はアメリカさんの暴走ばかりが目立つ。

 でもこんな大問題の前にすこし日本のことを考えてみよう。 

 まず鳩山氏の内閣であるが、彼の内政については、すべて小泉(竹中)内閣から始まった滅茶苦茶財政、経済政策のツケの後始末で、八百兆の借金を抱えた国の政治がそう一朝にしてうまくゆくはずがないから、これはしばらく黙って見ているほかはあるまいと思っている。私は日本の資本主義の質がすこしは変わらないかと思っているが。

 そこで、今すこし変化を期待したい外交面を見ると、ジャーナリズムはアメリカのご機嫌を損ねることばかり気にしているし、国民も戦後の相当の期間よりも今のほうがずっと親米(?)みたいなのがとても困ったことだが、鳩山
さんも日本の都合上(防衛という妄想のため)も普天間のアメリカ軍が全面的にグアムに移るのは反対みたいなことをおっしゃるのは、相当よくないことである。
 それに、護憲がずっとスローガンだった社民までこの内閣に居座っているのは、これもすこし妙である。二十一世紀を作る理想をもっとはっきり言ってほしい。私は、日本がアメリカの武力の傘の下にいなくてはならない理由はないと思っている。 

 そこで問題を最初のところに戻して、二十一世紀は何を目指すかといえば、それは戦争(大量人殺し)のない世界である。
 その意味では日本の憲法は、その考えを先取りした、国連憲章なんかより優れたものなのである。
 これ以上、人間が二十世紀的な世界を続ければ、人類の消滅もそう遠くないと思う。

 変化、変化とおっしゃったオバマ」さんも、正義の戦争があるみたいなことを言うのは、二十世紀の妄想から一歩も踏み出していない。 

 今、アメリカ、中国、ロシアなどの強大な覇権国家に囲まれている日本は、こんな国のどこにも密着しないで、日本の憲法の理想どおり生きる道を探るべきだろう。 そしてこの非戦の誓いを世界に広めることに努力すべきである。
 それが本当の意味の二十一世紀を作ることだということを世界の人々に伝えるべきである。

 これは単なる理想論といわれるかもしれないが、理想のない世界は自滅するほかないであろう。 今の若い人が不幸なのは、理想がないことにもよるのではないか。私が八十過ぎて来世を信じないでも不幸だと思わないのは、こういった世界を希求できる理想があるからである。