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0258 国策捜査 宮天狗 2009/07/13-15:12:12
昨年10月に発覚した障害者団体向けの郵便割引制度を悪用した事件は、その後大阪地検特捜部によって厚生労働省の雇用均等・児童家庭局長が逮捕起訴され、影に複数の民主党国会議員の名も取り沙汰されて国策捜査の不気味な様相を呈してきました。

普通だと1通120円のダイレクトメールが障害者団体ならば1通8円。ここに目をつけた利に聡い小悪党がいい加減な障害者団体をでっち上げ、国会議員の先生に頼んで厚生労働省のお役人にお墨付きを書いて貰った。

ここまではよくある話ながら、奇妙なのは起訴状によると元上司の村木厚子企画課長の指示によって上村勉係長が活動実態のない障害者団体「凛の会」の証明書を偽造したとされていること。公文書偽造は公務員にとって重大な犯罪であり、ましてキャリアは致命的です。本当の証明書を出す権限があるのに偽物を作るとは、日本銀行が偽札を作るようなもの。頭の良い人のやることとは思えません。

案の定というか村木氏は逮捕以来一貫して起訴内容を否認し「私は無実だ」と主張しています。ところが大阪地裁は「証拠隠滅を図る恐れがある」として保釈請求を却下しました。表向きの理由は「すでに自供して保釈されている上村被告と口裏を合わせる恐れがある」かららしいけれど、「白状しなければ釈放しない」という脅しのようにも見えます。そこには強面の刑事に取り巻かれて動かぬ証拠としてDNA鑑定書と突きつけられ、何もかも言いなりに「自供」してしまった足利事件の菅家さんがオーバーラップします。

長期に亘る勾留尋問はほとんど拷問に等しい。あいまいな理由での保釈取り消しは憲法違反の恐れがある。幸い前千葉県知事の堂本暁子氏、ヤメ検弁護士の住田裕子氏らが支援に立ち上がり、その輪は次第に広がっています。村木氏のがんばりに期待したいものです。

おりしも昨日の都議会議員選挙は民主党が圧勝して政権交代がはっきりと現実味を帯びてきました。自民党の垢を洗い流してマニュフェストをどうやって実現するか、これからが民主党の正念場。あせらずじっくりと見守りたいと思います。