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0257 弱い国を挑発するのは止めよう くぬぎ林 2009/07/07-20:32:37
あと数日で満八十歳になるくぬぎ林は、最近ますます頭が悪くなって、コラムを書くのが少ししんどい。
それに世の中も妙な事件が多くなって、これに対してうまく反応できなくて困っている。

今世の中で一番騒いでいるのは、自民か民主のどちらが政権をとるかということらしい。
私としても、自民の政権が長く続きすぎたから民主と交替したほうがいいと思うし、多分その辺までは行くのではないかと思っている。
 
しかし現野党は、私のような護憲一筋の人間から見ると余り大きな期待は持てない。小選挙区制のせいで、今まで主として二番目か三番目で当選してきた社民は壊滅してしまったことが、諸悪の根源だと思う。
それにしても、これに対する社民の対応もあまりうまくない。この点についての対応策は、もう少し頭のクリアな時に論じさせて貰うことにして、今回はこういった問題ではなく、一見これとはまったく別個の、北朝鮮の問題を書かせてもらう。

このごろ、北朝鮮の挑発、挑発という言葉がやたら流行している。しかしよく考えて見ると、北朝鮮の体制は私は好きではないが−ーよど号の方達の幻想を思い出すと、あの幻想も不思議であるがーーー北朝鮮は世界からあまり評価されないうえに、ブッシュさんにはテロ国家とまで言われた、経済的にも貧乏な小国家である。
その上、核爆弾を世界一沢山もっているアメリカが、日、米,韓で軍事同盟を結んで、すぐそばで軍事演習までしているのである。軍事演習はどうしても仮想敵国が要るから、北朝鮮が自国がその仮想敵にされていると思うのも自然である。

ここまで考えると、戦前日本が実はアジアの小国で、欧米列強に囲まれていた時の日本人の意識を考えて見ても、北朝鮮が被害妄想的になってやたら強がるのは十分想像ができることである。
その上、北朝鮮の体制を考える場合、地域が朝鮮王国のときから貧乏な僻地であり、その次は日本の植民地としてもむしろ虐待された土地で、次はスターリン治世下のソ連から、出身不明のまま独立運動の英雄という形で送り込まれた奇妙なカリスマの支配の下にあった土地なのである。
したがってそこに暮らしている人々は、いまだ一度もいわゆる近代国家とか、議会政治とかいったものの経験はないのであって、そんなものの存在も知らないし、したがって自国をそんな国にしようなどとは思うはずもないのである。

そういった世襲制独裁国家やその指導者が被害妄想になったら、あんなに貧乏なのに軍備に狂奔し、国民もそれに文句も言わないのは十分理解できることだし、その体制に国連に代表されるいわゆる近代国家が文句を言ったってその体制は変わりっこないし、ますます今の傾向を強めるだけである。

北朝鮮の制裁ブームは、そういった意味でマイナス効果しかあり得ない。(中国はそのことを判っているようである) 最近北朝鮮がやたらミサイルを発射するのもその反応の証拠であろう。    

これに対する一番いい方法は、日本からアメリカ軍基地をなくし、自衛隊もなくして日本が完全非武装の国になることである。これが無理なら、よど号の英雄たちを見習って北朝鮮を賛美して、道路にゴミひとつないことを誉めまくることである。
これも無理なら北朝鮮の挑発挑発とわめく挑発はやめ、制裁制裁というのも止めることである。

この点ではアメリカや国連などより中国の現実的な姿勢を学ぶほうがよほど利口である。
そして今はアメリカまでは届かないミサイルが日本に落ちてきても、やたら興奮しないで冷静でいることが、興奮しやすく感情的な反応が大好きな国民に最も必要なことである。

19,20世紀のヨーロッパ諸国の、自国民の保護という口実で植民地を手に入れたのを真似しようにも、北朝鮮から取れるものはないのである。イラクのように石油などはないのである。