| 「エコ」というコトバが大流行です。 政府は「エコポイント」だ「エコ減税」だと家電業界や自動車業界の救済に必死です。(何しろほとんどの製品が「エコポイント」や「エコ減税」の対象なのです。) この「エコ」というのは、従来品に比べると消費電力が少なかったり、燃費がよいということのようです。 買い換えることによって、これから排出を抑えられる二酸化炭素の量と、今使っているものを廃棄したり、「エコ」な製品を作るために排出した二酸化炭素の量はどちらが多くなることでしょう? 私はどうも「エコ」とか「地球にやさしい」などというコトバに、人間の傲慢さを覚えます。 人間(人類)だってこの大自然の一部にすぎず、その愚かさ(将来を考えず、目の前の利益あるいは利便に飛びついてしまうこと)によって、地球環境を破壊し、自らが滅びたところで、宇宙の中では塵がひとつ消えただけのようなものです。 人間はそうした小さく弱い存在にすぎないこと、太陽から与えられる以外にエネルギーを得ることができないということ(化石燃料等の地下資源は地球誕生以来太陽エネルギーを蓄えてきた「貯金」にすぎません)を自覚しなければならないと思います。 私は最も「エコ」ではないシステムが「グローバリズム」だと考えます。 「安い」からといって、わざわざ地球の裏側から多大なエネルギーを費やして食料を輸入するなど「愚の骨頂」ではないでしょうか? 日本の食糧の自給率は40%だとかいわれていますが、大量に出る残飯など廃棄される食料はそのうちどれくらいになるのでしょう。 すべてを「お金」に換算し、それを価値基準にしてしまう「コスト」などというものと、製品を生産した人や流通させる人が生活するに足る収入を得られる仕組みと、どちらが人間にとって幸福なシステムでしょう? 「お金」をたくさん得るためだけに、大切な農地や漁場をつぶして、欲情をかき立て売りつけるための工業製品を作るより、生活に必要な食品を少しでも多く生みだすことの方が、どれほど「エコ」で、今の日本にとって必要なことか考えなければ、この国の未来はないと思います。 一部の人や組織に世界中の「お金」を独占させるためのシステム(「グローバリズム」)に対し、世界中のすべての人が生活に必要なものを得られるシステムを構築する知恵を集めることこそ、人類が生き残るための道、すなわち「エコ」ではないでしょうか。
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