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0252 Re: 護憲コラム せっちゃん 2009/06/01-21:41:49
ホームレス支援現場から
5月末の新聞紙上で、「完全失業率5%、ここ3カ月で0.9%アップ」との報道がありましたが、このままでは5%後半から6%代までいくのではないかと思わずにいられない程、下請け・零細企業末端の労働者は深刻になっていることがホームレス支援現場では窺えます。また、“派遣切り”と称される失業労働者の多くは、派遣先を転々とする中で、失業保険受給資格もない人が多く、昨年末の派遣切り状態をここ3・4月まで何とか凌いできたものの、やむなく路上生活・野宿=ホームレス(ハウスレス)状態にならざるを得なくなってきている実情にあると云えます。
そうした状況を反映し、北九州でも、かってはあまり見られなかった20代〜40代の年齢層のホームレス(ハウスレス)状態の人々が増加しています。先々月、先月は他市の企業が、解雇したばかりの労働者を現場から連れて来て、ホームレス自立支援センター付近で降ろし、”あそこ行けば何とかしてくれる”と放置する、という事態にまでになっています。その企業は百名くらいの規模で解雇しているらしいですが、すでにそうして放置された20数名の行先について、ホームレス支援活動を通してなんとか手配しましたが、そこまで極端にないにしても、昨年末と今年に入って派遣切りにあった人々の財布も底をつき街頭に出て、野宿になる他はないというと云う深刻な状態にあります。このままでは更にそうした状況が深化していくのではないかとの危機感とともにそうした状況への対策の強化と体制の整備が求められていると云えます。しかし、政府は、15兆円の予算を組んだと云うけれども、“西松問題が国民の最大関心事”との状況認識で、「緊急人材育成・再就職支援事業」への“税の支出”に魂を入れて、失業者の目線から“本当に完全失業率5%の状況に応え得るのか!!”との思いで一杯です。
私たちの支援活動は、今まで、5〜10年スパーンでホームレス状態からの脱出とその行先を考えて支援活動してきたのですが、若年層のホームレスが増加いしている現状では、20〜30年スパーンで彼らの行先を考えざるを得なくなってきています。更に、今日の高齢化社会の中での“高齢者の孤独死”や“高齢者が地域で生きていける地域社会の創造”へ向けて、私たち自身の活動もまた、状況・時代に対応していく自己改革が求められていると必死の思いです
さて、昨年末の派遣切りにあった一人の青年への私たちの支援も、”直ぐに次の仕事を”ではなく、”20〜30年先の彼にとって”を共にしていく方向での一つの選択として、路上からの脱出(ハウスレスからの脱出)の手がかりとして、生活保護での生活再生、そして、次の30年に向けた人生の再出発の就職準備としての職業訓練(福祉サービス)の道への彼との共同選択があったと云う事ができます。勿論、そんなことを彼に云いながら、”もうその頃は、俺は墓の中か”とお互い笑ったことではありますが・・・。
世界は”大恐慌”を前に、途方にくれながら、そのツケを確実に世界の弱者に払わせながら、その世界を支配してきた人々の自己責任を問われることなく、そうした支配層の人々が次の支配の道を”大衆の名に於いてなす(税の無制限的な投入)”という姿を再び私たち人類は見ることになるのでしょうが、ただ、一歩でも、明日の夢に向かって行きたいと思っています。(尚、5月7日25時15分からのNNNの番組を鑑賞いただければ幸いです。)
以下、5月30日(土)の毎日新聞の記事を転載いたします。
福岡・工事会社の解雇置き去り:法的措置を来週協議−−北九州市 /福岡
 ◇北九州市長「人道上許せぬ」
 福岡市のとび工事会社が解雇した従業員をホームレス自立支援センター北九州に“置き去り”にしたとされる問題で、北九州市は29日、来週中に県と市による会議を開き、法的措置について協議することを明らかにした。北橋健治市長が定例会見で述べた。
 市によると、会議は来月4日、小倉北区内で開く見通しで、併せて県担当者がセンターを視察するという。
 会見で北橋市長は「置き去り行為は『人の道として許せないことだ』と憤りを強く感じている。法的対抗措置について県内関係機関と協議していく」と語った。市は福岡労働局にも連絡し、対応を求めている。
 市によると、センターに“置き去り”にされた元従業員は23人に達し、うち14人が29日までに生活保護を申請、10人が受給している。(以下略)
平元英治】〔北九州版〕
[毎日新聞社 2009年5月30日(土)]