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0248 くぬぎ林が珍しく本気で怒る くぬぎ林 2009/05/05-18:59:13
くぬぎ林は最近のマスメディアに唖然として、珍しく本気で怒っていますので、今度のコラムはいつもよりもまとまりが悪いかもしれません。

これまで比較的冷静で幾分慎重な発言をしていたと思われる朝日、毎日の最近の紙面や民間のテレビのあり方は、マスメディアの社会的責務ということをまったく無視しているとしか考えられません。

戦前、戦中、戦後をいささか経験してきたくぬぎ林に言わせれば、朝,毎の首脳部はまったく戦中の経験のないための阿呆か、そうでなければ、すでに自分たちの方向が破綻する時を考えて、戦後両紙がしたような反省の辞の原稿を前もって用意しておいて、現在のような紙面を作っているのではないかと疑われます。

今くぬぎ林がもっとも心配しているのは、昭和の日本が、気のふれた陸軍にほぼ完全に占領されていた昭和だという極めて重大な事実を完全に無視し、それにより虐殺された私より少しばかり年上の四百万の若者のことも少しも分かっていない田母神の無知軽薄な論文が、防衛大内部のみならず、日本の若者の中にも妙に人気のあることです。(防衛大内部でのこの人気は、少し前の朝日か毎日に、校長の講演への反抗にまで及んでいることが出ていました。こんな大学は廃止するのが当然です)                  
そもそも、戦後すぐの左翼の荒っぽい日本批判の歴史観への反発が逆に、極端に無知な「日本」弁護論になるのはものすごく危険なことです。(昭和のはじめの左翼崩壊後の右翼「軍部」台頭に対しても、朝日は今よりはもう少し抵抗しました)

今の戦争を知らないで閉塞時代にいる若者にとっては、日本の悪口に聞こえる自省要求より正当化のほうが耳に快いであろうことは、非常に困ったことです。             
ここで少し大上段のことを言わせていただけば、歴史観などという傲慢な、歴史に敬意を失った「観」などということそのものが大変困ったものです。それでも田母神の歴史観よりは本当のマルクスの唯物史観のほうがはるかにまじめに歴史を研究しています。(その亜流は論外です)

どちらにせよ歴史はもっともっと重く、謙虚にそこから、そこでした人間の過ちを繰り返さないように学ぶことが正常な人間のすべきことです。
歴史観などというものがいかに怪しげかは、竹越さんの二千五百年史のほうが、その後に出た大川周明の二千六百年史よりはるかに正常なものであることひとつでもよくわかります。 

田母神論文の間違いを論じだすときりがありませんから辞めますが、主権者であるわれわれは、表裏一体の日教組、文科省の教育などは相手にせず、もう少し本気で歴史の勉強をしたいものです。

齢八十のくぬぎ林は、現在の世の風潮(田母神がフジテレビに出て、その無知ゆえにアイドルになるといったことなど)に半ば絶望しながら、絶望を拒否して、今の若者たちにひどい世を残さないように最後のご奉公をします。