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0246 税金の使い道、どちらが重要? 2009/04/23-03:23:28

4月、若い人たちが社会に出て行く季節。ところが、新入社員が入社を待機させられているというニュースが流れている。

また、企業が入社後の仕事内容を変更したり、給与を引き下げる等、不利な条件を突きつけて入社辞退という形で人数を削減しているというニュースも流れた。

先日、ある会場で一緒になって話していた人の中で「派遣で働いていたが契約を切られてしまい、仕事がないかと必死で探している」という30代の女性が2人いた。正社員だったが失職も1人、店を潰したという男性も1人いた。

失業関連の集まりではないのに、昼間だったからか私が話した10人余の中で、これほど失業者に会うとは思いもよらなかった。

また、たまたま新幹線で一緒になった1人暮らしの高齢女性は「孫がこの春大学を出たのに、仕事に就けないでいる」と嘆いていた。

仕事が無いのは死活問題だろう。それなのに、東京都は2016年のオリンピックの招聘に力を入れている。オリンピックをテレビで見るのは好きだし、楽しい。

しかし、オリンピック未開催の南米で、リオ市民の90%が開催に賛成しているのに比べ、東京都民は賛成が60%に満たない。不況で失業者が出ている現状や、切り詰められている福祉政策に、オリンピックどころではないという気持ちがつよいのではないか。

厚顔の美少年さんがお書きだが(行政ウォッチングの0073)、オリンピックで景気回復を夢見て、一時的なお祭り騒ぎをしても、都知事や一部スポーツ関係者が喜び、土建関係者が潤うだけではないか。そんな税金の使い方はやめたほうが良い。

日本の労働人口の33.5%が非正規で、そのうち年収200万未満が77%という現状はもっと深刻に受け止める必要があるだろう。失業対策や産業の育成に力を入れることが重要ではないかと思う。若者に絶望させないためにも。