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0218 「特別会計の余剰金(埋蔵金)」と「外為特会」 流水 2008/10/06-10:06:41
小沢一郎が代表質問で、小泉政権下で破壊された国民のセーフテイネット再構築のための予算措置を開陳した。財源の問題、政策の実現期限、実施順位、工程表まで語った。一見すると、選挙用のばら撒きとも受け取れる政策である。

問題は、全部実現させたら20兆円を超えようかというお金が本当にあるのか、という点である。戦後日本の歴史で、一般会計と特別会計を一本化した予算など一度も作られたことはない。もし、これが実現できたら、革命である。ただ、特別会計は、それこそブラックボックスの中にあり、その内容については国民はほとんど何も知らされていないと言ってよい。

だから、与謝野馨氏などに言わせると、特別会計の余剰金はせいぜい「数百億単位」の話だ、という話になる。(堂々たる政治)

その他、多くの経済学者からも、特別会計の余剰金(埋蔵金)は一過性(一度きり)で「焼け石に水」だという話が出る。何も知らない国民は、偉い先生にそう言われると、そうなのかな、と思いがちである。

しかし、本当にそうだろうか。経済学者醍醐聡氏は、ブログで以下のように解説している。
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-db0d.html

【1】特別会計の余剰金は一過性ではない。
【2】余剰金は、数十兆円単位である。
【3】毎年6兆円〜9兆円の規模で発生している
ことをデータでもって、証明している。民主党政策の実現の財源に十分なりうる。

http://sdaigo.cocolog-nifty.com/tokubetu_kaikei_kessan_H18.pdf
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/tokubetu_kaikei_fuyogaku.pdf

さらに、これも特別会計の中に入るのだが、「外国為替資金特別会計」(通称外為特会)の問題がある。既に民主党は、この外為特会の規模半減を目指して、プロジエクトチームをつくり、財務省からヒアリングを始めている。
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〔東京 2日 ロイター〕 民主党の大塚耕平・金融対策チーム座長は2日、財務省の視察後に記者会見し、外貨準備の規模が大きすぎるとした上で、現状で国内総生産(GDP)比で約20%に達する外貨準備の規模を、約10年間で10%程度まで半減を目指すべきとの考えを示した。
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財務省によると、2007年末現在、日本の外貨準備高は9541億ドルで対GDP比は21.8%となっている。同時点の米国は740億ドルで同0.5%、英国が495億ドルで同1.8%。欧州中央銀行とユーロを導入している各国の中央銀行で構成するユーロ圏でも2349億ドルで同1.9%。

簡単にいうと、日本の外貨準備高は、約百兆円。それを運用する財務省のチームは18人。扱う金額に比べて、きわめて貧弱。同時に、この運用先が、米国国債だけというのもきわめて危険。しかも、百兆円というのは、簡単だが、国家予算をはるかに超える額。それをたった18人に運用を任せている、というところに、問題がある。

この外貨準備高を毎年10兆円減らせば、五年間で50兆円。民主党の政策実現の費用20兆円など十分賄える。もし、そのペースを半分にしても、5年で25兆円。政策実現には十分。それでも欧米の外貨準備高に比較してもはるかに高い。

日本は、なぜこんなに外貨準備高を増やしたのか。理由は、明白。米国の世界戦略の二本の柱 @強いドルA強い軍事力維持のため、協力したのである。同時に、輸出産業維持のためには、円安・ドル高が望ましい。

現在、米国国債は、外国が90%以上買っている。その理由は、株式市場の堅調さや住宅市場の値上がりがあったからだ。しかし、現在のような金融危機が始まると、このお金が一斉に米国から逃げていく。当然、価格は暴落する危険性が増す。その意味から見ても、日本の外貨準備高を半減するのは、正当な危機管理策だと言ってよい。

外貨準備だけでなく、日本は600兆円のドル証券残高があるということだが、とにかく一日でも早く売り払い、ユーロにでも代えた方が安全だろう。

しかし、財務省は、そういう発想はない。財源不足は、消費税ということであろう。要は、「強いドル」を支えるべく、せっせとドル買いをし、いつ紙屑になるか分からない米国国債を貯め込むことにより、間接的に「日本国民の血税」を米国のために使おうというのであろう。

上記のからくりを書くと紙幅が足りないので、割愛するが、小泉内閣以降の米国隷属政策の中心は、この「外為特会」を使って、日本の国富(血税)を米国に流し続けたところにある。米国金融危機の対処方法で、渡辺だの山本だの中川だのが、「外為特会」を使えと主張しているのも、この流れにある。

これは一例だが、詳細に「精査」すると、おそらく相当な無駄が隠されている。これを全て国民の前に明らかにし、税の使い方(富の再配分)を根本的に改めれば、まだまだ日本は絶望するには早いということが明らかになると思う。そのためには、何が何でも「政権交代」する以外にない。