| 熊「やぁ ご隠居お達者ですかい。こないだオリンピックの開会式見てたら午前様になっちまった。いろんなお国振りがよく分かる入場行進は華があっていいもんだ」
隠居「選手はみんな血のにじむような努力を続けた結果参加することが出来た。夢を果たした喜びが観客にも伝わって感動を呼ぶんだろうね。しかしオリンピックがあることさえ知らない子もて、世間の関心は意外に低いようだ。私も開会式見なかったんだから人のことは言えないが」 熊「俺はテレビを見てるうちに、この費用の半分でも貧しい人に分けたら、ずいぶん助かるんじゃねぇか、と思ったら急に腹が立ってきてね。だって中国じゃ1日100円以下で生活してる人がまだたくさんいるって話だ」
隠居「熊さんおまえもなかなかいいこと言うね。国際的な存在感が増してきた中国にとって、オ リンピックという大イベントを成功させるのは、国の威信を発揮するためにも至上命令になって いるのだろう。そういう時犠牲になるのはいつだって弱い立場の人たちなんだ。本来権力はその 影響下にある人々を幸せにするためのものなのに」 熊「そういや開会式の日にロシアとグルジアがドンパチ始めやがった」
隠居「10日のエアピストル女子、銀メダルのナタリア・パデリナ選手(ロシア)と銅メダルのニーノ・サルクワゼ選手(グルジア)が互いに抱き合いキスしてるのを見て胸が熱くなった。 しかもサルクワゼ『人が戦争を始めたのではない。政治家が始めたのです』、パデリナ『スポー ツは政治を超えることを証明できた』とは泣かせるじゃないか! オリンピックが権力と金で泥まみれになったのを嘆いていたクーベルタン男爵も、さぞお喜びになっているに違いない。
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