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0200 高齢者の反乱 宮天狗 2008/06/09-11:19:28

 このところ私と同年輩の老人が3人寄れば「小泉にだまされた」「自民党には二度と入れない」「官僚は悪いことばかりしている」と姦しく、世の流れが変わったことを感じさせます。

 バブルが崩壊して日本中にうっとうしい空気がみなぎっていた今世紀はじめ、「自民党をぶっ壊す」と叫んで颯爽と登場した小泉氏を実に90%もの人が支持し、老人もまた彼にほのかな希望を託しました。

 しかし小泉内閣の「聖域なき構造改革」の目標はひたと福祉に向けられ、公的年金の控除引き下げ、老年者控除の廃止など福祉の後退は著しく、所得税のみならず住民税が一気に跳ね上がり、ずさんな年金処理が次々と明るみに出るに及んで、老人の不満は日増しに高まるばかりでした。

 マグマを噴出させるきっかけとなったのが後期高齢者医療保険制度。年をとればとるほど心身の故障は多くなり、医者通いが避けられなくなるのは自然の摂理です。それを実もふたもない「後期高齢者」と一括りにして、否もおうもなく年金から保険料を天引きする、その冷たい仕打ちに年寄りの怒りは爆発したのです。

 子供のころから「欲しがりません 勝つまでは」と耐え忍ぶのが習い性となった私たちの世代は、とても辛抱強い代わりにいったん怒れば自民党が総裁の首を挿げ替えたくらいでは収まらない。自民党政権自体に見切りをつけたといってよいでしょう。

 長い間自民党支持のコアだった高齢者の反乱は、政権交代を願う私たちにとって絶好のチャンス!サミット後に新首相の元、人気が回復したところで総選挙、が自民党の思惑でしょうが、昨年の参議院選挙で1票の威力を知った年寄りはもうだまされません。現に沖縄県議会選挙では野党が過半数を占め、メディアは与党の敗因を「高齢者医療への反発」と分析しています。

 末期高齢者?の強みは失うものが何もないこと、しかも投票率はきわめて高いから政治家にとって無視できない厄介な存在です。大いに物申して泣き寝入りしないようにしたいものです。