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0199 世論について くぬぎ林 2008/06/02-16:29:56
この頃世論調査というのが流行っていて、福田内閣の支持率が20%ぐらいまで下がっている。

しかし今国民の不評を買っている問題の多くは小泉、安倍内閣がつくったものである。
年金問題なんて何十年も続いたいい加減と無茶の結果である。これの後始末に困っている福田(この後始末の仕方そのものもひどいものだが)の支持率は20%で、田中内閣の支持率は60%ぐらいあったのではないか。

それだからといってマスメディアは国民を批判することはない。そんなことをしたら新聞もテレビも売れないし、見てもらえない。
ちょっと前、テレビで、五十年配のおばさんが小泉と握手できたのに大喜びして、「小泉さん大好き、あたし純子だから」といっているのを、何の批判もなしに流していた。
こういったことで日本の民度の低さを嘆いていたら、先日の新聞でアメリカの民主党支持のおばさんがオバマに関して、「私たちが黒人にしてあげたように、オバマは私たちにしてくれるかしら」といっているという記事があった。これは日本語で書いてあったのでもとの英語は定かではないが、アメリカの白人たちが黒人に何をしてきたつもりなのか、何か黒人にいいことばかりしてあげてきたつもりなのだろう。
しかもすごいことは、こういった発言が公然と認められる風土がアメリカの現状だということである。 

また日本に戻っていうなら、私の地元で品川正治氏に講演を頼んだ時、彼の著書に署名を頼みに来たご婦人が、「私のような下々のもの」といって私をびっくりさせた。私は彼の講演を聴いて、その旧制高校音痴なところは少し困るがーーーこの理由は長くなるからやめるが、旧制高校に受験できたのは、受験適齢期の3%であるーーー大体私の意見に近いのを評価して護憲+でも話して貰うことに努力したのである。これは傲慢ではなく、民主主義国家の市民として当たり前のことだと思う。「下々のもの」とおっしゃった方も彼と対等のはずである。

こういう今の現象を見ると、戦争中の自由主義者、生来の民主主義馬鹿のわたしは本当に憂鬱である。しかしそれでも私は絶望しない主義である。というのは、絶望というのは安易な逃避だからである。

それでも一つだけ好ましいことは、日本人は流れに弱くて日和見であっても、大体平和を好む人間であり、特に戦争経験のある人間はそうであると思う。
それを軸にして何とか憲法改悪反対に圧倒的に勝ちたいと思う。そうすれば、日本が世界第二の経済大国でなくなっても、アメリカのご要望だけに応える買弁内閣の支配する国ではなくなって、日本人はもう少し物を考えて暮らすようになるのではないか。これが戦中派の私の希望である。