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0186 中国ギョーザ事件(愚考) 蔵龍隠士 2008/02/27-21:30:53
確かに、異常な量の農薬メタミドホス等の食品(ギョーザ)への混入事件であった。そして今、日中政府間協議して、鋭意捜査続行中である。
 
事件の解明、犯人探しは、日中の両捜査当局の精力的な活動を待つとして、一市民、生活者として、この間の事情、つまり中国で作った製品を輸入(仕入れ)して、これを日本国内で商品として販売(流通)する流れ、関係を、僅かばかりの知見で(私なりに)考えてみたい。
 
今でも、人(政府)の作った国境とか、心の垣根で<良し悪しを>思考しようとする人々がいるようだが、それは可笑しいと思う。ギョーザ、一つとってみても、この流通、関係者はある程度、どういうものであるか、より理解することはできる筈だから。
 
例えば、先日のニュースで、日本の企業の(2つの)子会社が作り、それを輸入した食品にも農薬混入があったという。しかし、このように100%子会社を作る方法によらずとも、日本の商社(例えば双日とか、三菱商事、三井物産…)乃至メーカーが、今時の日本人好み(仕様)の材料・味付け・形・入り数・包装(デザイン)等を、残留農薬問題又日本の検疫等の関門を無事通過すべくノウハウを、製造会社・工場・現場で伝授・指導している筈である(多分)。

何故なら、日本に輸入しても消費者が最終的に購買しなければ、目論んだ営利獲得は達成しないのだから。どの段階の関係者にとっても、その理は同じであろう。
 
今回のような異常な農薬混入、しかも数量的には限定的な事件の場合、この流通の関係者が故意に混入したとは考えにくい。又、大雑把に概要を掴み、判断することも不適当ではあろう。当面の生活者の自己防衛策は問わないとして。
 
ところで、中国は、今、日本の最大の貿易相手国になっている。ということは、ギョーザや食品のみが国内で流通しているのではない。NHKのTVドラマだったか、『大地の子』の中でも、新日鉄と中国の鋼鉄公司が共同して最新鋭の製鉄所を作っていたし、自動車産業にしたって、子会社が中国で現地生産(直接資本投資)するまでになっている。
 
つまりは、我々個人の生活も、国境などで隔てた(敵・味方論?)考えでは、現状認識として不適当なほど、実際の繋がりは入り組み、緊密化しているのではないかということ。
 
少なくとも、我々の側に、日本の側に、優れた農薬(不使用?)除去や公害対策、環境対策があるのであれば、現地中国の人々のためのみならず、輸入して食する我々消費者・生活者のためにも、政府も企業も鋭意努力すべきではないかと思う。
 
利益を最大にするために、現在の利益を削りたくないために、手抜き指導や手抜き監視に陥らないよう、関係者にはいっそうの努力を望みたい。われわれは、共に「健康で文化的な生活を」享受しなければならないのだから。
 
まだまだ、日本企業の側も努力すべき点があるのではないか、協力関係を強めるべきではないかと思う。それらの最終産物が、われわれの口に入るのだから。