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0177 2007年を振り返り、2008年を展望する 笹井明子 2007/12/26-12:59:57
今年も残すところ僅か。今年一年の「護憲+」ブログを読み返してみると、政治の世界や社会の中で何が起き、それに対し私たちは何をしてきたのか、また新しい年を迎えるにあたってどんな視点で何をしていったらよいのかが、浮かび上がってきます。

2007年、政治における最大のできごとは、何と言っても安倍晋三内閣の暴走と自滅でしょう。安倍前総理は就任直後から「戦後レジームの見直し」を打ち出し、「新教育基本法」や「憲法改正のための国民投票法」を強引に成立させた揚句、閣僚たちの問題発言や不透明な金の使い道、噴出した「消えた年金」問題を何一つ解決できぬまま、参議院選挙で敗北。一度は総理続投を宣言したものの、アメリカにテロ特措法継続の空約束をした直後に突然の辞任。この歴史に残る迷走振りを忘れることはできません。

引き続き福田内閣の誕生、福田総理・小沢代表による大連立構想の浮上と消滅、小沢氏の代表辞任騒ぎ、そして新テロ特措法に向けた与野党の攻防や防衛省の不祥事と、国会は政争の狂騒の中で足踏み状態を続けたまま、2007年は幕を閉じようとしています。

一方日本の社会では、年金問題を筆頭に、生活保護を断られ餓死する人やワーキングプアなどの貧困の存在、産科医の不足、薬害問題、障害者自立支援法という名の障害者支援の縮小、介護現場の過酷な労働条件、等々、国民生活の基盤がゆらぎ、「ゆりかごから墓場まで」安心して暮らしていけない状況が生まれています。政府自民党が支持率の変動に敏感になり、ようやく国民の声に耳を傾ける姿勢が見え始めたのは、遅きに失したとはいえ、参院選ショックのプラス効果と言えるでしょう。

さて、「護憲+」の一年間は、安倍政権による改憲の道筋作りに呼応して、日々の情報やメッセージ発信は勿論、「国民投票法案についての学習会」「品川正治さんの講演会」の主催、「鶴見俊輔さんの講演会」の共催など、主として護憲の意志を広く共有する活動に力を入れてきました。

2008年は、私たちグループの趣旨と特性を元に、現在の政治・社会状況を踏まえ、

(1)「戦争体験を経て今の憲法がある」という憲法の根幹を伝達し続ける。
(2)氾濫する情報に左右されることなく、主権者として自分でしっかり考える。またその大切さを伝える。
(3)憲法25条(生存権)と表裏一体のこととして憲法9条を捉える。

以上三点を基本にすえて、積極的な活動を継続していきたいと思います。