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0170 「自民・民主大連合」事件に見えたもの 2007/11/06-16:16:34
福田首相と小沢民主党首の会談から生まれた「自民・民主大連合案」が民主党役員らに拒否され、小沢が党首辞任を申し出、民主は引き止める方向であるのがここ数日の動き。

小沢氏の大連合を進めようとした弁に「(民主党は)政権担当能力が、いま一歩」といった発言があるが、人材枯渇で問題大臣を続出した自民党と連合すれば、政権担当能力が上昇するとでもいうのだろうか。ここには政権担当能力を根回しや裏取引と考える小沢氏の古い体質が垣間見えたような気がする。

自民党政権が長年続いたことが官僚や企業との馴れ合い、癒着を生み、社会保険庁をはじめとする天下りや賄賂等の問題がここに至って噴出したことを見れば、先の参院選の民主党の勝利は、国民がそうした自民党を見限り始めたからに他ならない。

それは、たとえ政権担当能力が未知であろうと、政権交代させることで癒着を断ち切り、議会制民主主義のもと、真っ当な国会論議がされて緊張感を生み出し、いくらかでも清新な政治・行政がなされていくことを期待したからだ。民主党に投票した国民の意思は、決して馴れ合いの大連合ではない。
 
小沢氏は年金改革等、参院選で公約した生活に即した政策の実現が可能になる点も大連合の利点と発言したそうだが、自立支援法と後期高齢者医療制度の廃案や年金改革など、まともな法改正なら裏取引でなく、国会の場で正々堂々と論じ合ってほしい。国民はどちらが国民のためになる法案を提出し、どのように審議決定されるかを見守っている。

そして民主党は、次の衆院選は大連合で大臣の座などという甘い夢はないことをはっきり自覚して、背水の陣で「政権交代」を戦う気構えをもってもらいたい。
 
最後に、読売・毎日・産経等の新聞に「小沢が大連立を持ちかけた」との報道がされ、「小沢が事実無限と反論」したことは、自民党員からの一方的情報を小沢本人に確認もせずに書いた(らしい)マスコミのあり方、私たちの情報の受け止め方をも考えさせられる事件でもあった。