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0162 時代の転形期 流水 2007/09/11-11:55:12
時代は、間違いなく【転形期】に入った。

世界的に見ても、米国のアフガン・イラクの侵略戦争は、間違いなく失敗に終わる。中国・ロシアは、上海協力機構を軸に確実に大国化への道を歩み始めている。米国一極支配の終焉である。
経済的には、米国の一人勝ちの状況から、EU、BRIC’S、アジア諸国の台頭で多極化の時代に入った。
中国・インドの経済的台頭で、世界のエネルギー事情は激変、新たなエネルギー獲得競争が始まっている。
米英資本を中心とした多国籍企業は、今や国家障壁など関係なく、あらゆる国に浸透し、ぞの暴力的収奪は、世界のあらゆる紛争の最大の要因になっている。
世界中に広がった格差問題は、テロリズムの温床になり、同時に交通手段の発達は、ゲルマン民族の大移動にも似た民族大移動を引き起こしている。
つまり、【人】【物】【金】【情報】は国家障壁を自由に乗り越え、世界中を移動しているのである。

地球温暖化は、北極の氷の溶解が、予想外の速度で進んでおり、もはや待ったなしの状況。
地球温暖化の進行は、食料生産の減産をもたらす可能性が高く、食糧危機の到来も視野に入れる必要がある。
同時に、地球温暖化の進行は、世界的な水不足をもたらし、今や世界は水戦争の時代に入りつつある。(※イスラエル・パレスチナ・レバノンなどの紛争の本質は、水戦争といってよい。水ビジネスは21世紀の中心産業になる可能性が高い)
地球存亡の危機に入ったといってよい。

ローマ帝国のような帝国を夢見た米国の行動原理は、多国籍企業の利益確保のためのグローバリズムの進展、エネルギー資源確保のための侵略戦争(アフガン戦争は中央アジアの石油確保、イラク戦争は、世界第2位の埋蔵量を誇るイラクの石油確保)、格差拡大政策(新自由主義)は、戦争をする兵士確保のため。
つまり、国際的には、他国家の【国家障壁】を崩すことを目的としている。
しかし、国内的には、米国の国益はどんな無理難題を吹っかけても守るという頑ななまでの【国家原理主義】を貫き通しているのである。
対外的には【グローバリズムの進行】、国内的には【国家原理主義の厳守】という絶対的矛盾を解決する方策が、ネオコンがいう【米国一極主義】(パックスアメリカーナ)という理論であった。最初に書いたローマ帝国の再現とはそういう意味である。【テロとの戦争】とは、この米国の野望に抵抗する人々との戦いの別名と考えて良い。
日本の大和朝廷の支配に抵抗した熊襲・蝦夷の抵抗の地球的規模のようなものだと考えればよい。
この帝国建設の野望が崩れ去ろうとしているのが、現在の状況だと考えれば、わたしのいう【転形期】の意味を分かってもらえると思う。

ひるがえって日本を考えれば、小泉政権は、米国ブッシュ政権の帝国建設に全面協力をした。安倍政権も基本的には、この路線を踏襲している。
だが、この六年間で、【新自由主義】【ネオコン】論理の正体が、国民の前に明らかになった。今回の参議院選挙の結果は、国民の明確なNOの姿勢を示している。

しかし、そこから先の展望を明確に描いている政党はいない。世界もそうであるが、日本も【カオス(混沌)】の時代に入ったのである。まさに、時代の転形期に入ったのである。
政治と金の問題、とめどない官の腐敗、安倍首相に象徴される政治家の言説の紙のような軽さ、歯止めのかからない治安の悪化。10年遅れの世紀末現象である。

このような時代だからこそ、まず【政権交代】を実現しなければならない。【魚は頭から腐る】のだから、まず【頭】を変えることに集中しなければならない。同時に、このような時代だからこそ、真の意味での【国際性】を身に着けなければならない。ひところ流行した「世界市民」の視点を真剣に模索する必要に迫られている。
さらにいえば、日本が発信しうる日本独自の【哲学】を持たなければならない。官民上げて、憲法九条に象徴される平和哲学を構築しなおして、世界に発信するのも一つの方法だろう。
【一神教的思考(原理主義的思考に流れやすい)】から【多神教的思考】への転換を、新たに構築しなおして発信するのも一つの方法かもしれない。
どのような方法を取るにせよ、日本国民は、本当の意味で賢くならなければならない。かって世界に誇った民度の高さを取り戻さなければならない。

書けばきりがないほどある。これも【転形期】の特徴である。
確かに言えることは、日本の運命は、次の衆議院選挙にその多くはかかっていることだけであろう。