| 参議院選挙が終わってずいぶんと経ったような気がします。 まるで「小泉劇場」に踊らされた前回の衆議院選挙の反動のように、自民党が大敗し、民主党のひとり勝ちとなりました。 選挙結果については新聞等で様々な論評が行われています。 どうも「憲法改正」の問題は「争点」とはならなかったようです。 私はそう言った選挙への評価というより気になっていることを書きます。 まず、今回の選挙では全く話題にならなかったのですが、前回の選挙の最大の「争点」であり、小泉前首相がなりふり構わず成立させた「郵政民営化法」のその後はどうなっているのでしょう? 「この法案さえ成立すれば後はどうなろうとかまわない」とばかり、小泉氏は首相の座を安倍氏に渡し、「郵政民営化」についての成り行きを語ることはありませんでした。 この秋には「株式会社」となるようですが、「民営化」の先輩であるニュージーランドでは郵便銀行が外資に売却された後激しいリストラで大幅に店舗数を減らされ、国は「ユニバーサルサービス」を確保するため郵便会社の傘下に「キウイ銀行」という国営銀行を復活していますし、ドイツでは郵便銀行を郵便会社が100%子会社にしてしまいました。 また各国に「郵便事業民営化」を押しつけたアメリカ自身も郵便事業を民営化できません。 我が国も郵便貯金、簡易保険合わせて340兆円もの資金が海外へ流れ、事業の破綻に多額の血税がつぎ込まれないとは限りません。 小泉内閣が行ったもうひとつの「民営化」、高速道路の方も、40兆円の債務を解消し無料で道路が解放される日は来るのでしょうか? もうひとつ、今回の選挙でも最大の話題となった「年金納付記録」の問題です。 誰のものか分からない大量の納付記録の行方のことばかり問題となり、おそらくまともには解決できないとは思いますが、まるで「消えた年金」問題が解決さえすれば「年金の問題は解決する」といわんばかりの風潮です。 確かに「消えた年金」問題は解決しなければならないと思いますが、これも「年金システム」の抱える問題の一部に過ぎないことを忘れてはならないと思います。 私たちが今考えなければならないのは「永続的で、老後が安心できる年金システム」の構築です。 それは私たちだけでなく、これから生まれるすべてに日本の人たちにとって大切な問題だからです。 数十年前にドタバタと作られた現在の「年金システム」のひずみを少しでも早く解決しなければなりません。
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