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0155 民主党躍進 宮天狗 2007/07/30-06:04:25
結党にあたり「自主憲法制定」を公約に掲げた自民党の虎の子、安倍首相は「戦後レジームからの脱却」とか「美しい国へ」など一見もっともらしいキャッチフレーズのもと、「国民投票法」の制定など改憲への道を強引に突っ走ったものの、社会保険庁の途方もない無責任体制や現職閣僚の自殺をはじめとする不祥事の連発によって、支持率は急激に下がるばかり。

その流れの中で行われた参議院選挙は当初から民主党優勢が伝えられ、期日前投票も好調なところから「ひょっとすると?」という期待はあったとはいえ、いざ午後8時からの開票速報が始まるとテレビの前から離れられなくなってしまいました。決戦の山場といわれた1人区で民主党は次々と勝利を収め、2人区は互角、3人区で2人当選するなど新聞や週刊誌の予想をはるかに超える健闘で過半数を占めることが確実になったからです。その秘密は無党派層はもちろん自民党支持者もまた民主党に投票した人がかなりあったから。

国民は明らかに「安倍政権ノー」と審判を下し、歴史的敗北を喫したにもかかわらず安倍首相は「新しい国作りを進めるために責任を果たす」と苦しい弁明をして続投を表明、中川幹事長ら自民党幹部もこれを容認しました。決め球を使ってしまって後釜がいないための苦渋の選択です。特筆すべきは公明党の現職が21年ぶりで落選したこと。鉄の規律も逆風の前に吹き飛ばされてしまったようです。

こんな政権が続けば自民党の支持率は降下の一途をたどるのみ。鳩山幹事長も言うように「政権交代への道が見えてきた」けれど、自民党も一筋縄ではいかないしぶとさが身上、チャンスをつかんだ民主党はここでじっくり腰を落とさないと逆転の憂き目を見る恐れがあります。移ろいやすい無党派層は蜜を求めて飛び回っているし、自民党にお灸をすえた人はすぐ元の古巣に戻りたがる。

私たちも手放しで喜んではいられません。平和の維持や貧困の解消、格差の是正に熱心な共産党や社民党が二大政党のはざまにうずもれてしまいそうで、特に共産党は地方政治の目付け役として貴重な存在だからです。