呼出完了
0152 政権交代の必要性 2007/07/11-17:10:59
なぜ政権交代が必要か。単純に言えば、長期政権はほとんどの場合、腐敗するからだ。社会保険庁の問題も、長期安定政権のもと官僚の天下りを当然とする中で、漫然といい加減な働きしかしていない行政組織を生かし続けた現政府の問題に帰着する。政治献金問題も、与党政治家と業界団体の癒着の構造である。

ある団体の上部組織が、天下りを理事に受け入れた。天下り氏は、政府予算をその団体に引っ張ってくる。しかしその予算は政府の決めた政策に沿うように使われる。箱モノを作らせ、天下り氏には工事を請け負った会社から大金が渡ったとも聞く。しかし造られた箱モノの運営費は大甘の見通しで当然、団体は赤字に苦しむことになる。

また業界団体は自分たちの望む政策を通したいと、陳情窓口を与党に一本化する。そこに癒着が生まれ、寄付が与党に流れ、与党はますます潤沢になり、政策は大金を出せる業界に有利なものとなっていく。

政権交代があれば、政権政党と官僚・業界との癒着がいったん断ち切られる。双方に緊張が生まれ、行政に多少の混乱は起きるだろう。しかし例え政権交代があったとしても、今の日本では民主政治が変わるわけではない。混乱はすぐさま乗り切られ、安穏としていた行政組織は適度の緊張のもとで、今までのムダや癒着の構図の見直しを図らねばならない。

それがどういうことか、例えば県単位でなら見られる。岐阜県庁が「隠し金」問題で大騒ぎになったが、知事という政治家と県職員が癒着していた故に是正されず問題は拡大した。ところが隣の三重県でも同様に裏金はあったが、発覚した当時の知事が革新知事と呼ばれる野党的な立場だったのが幸いした。問題が出るなり旧・現県職員はすぐさま返金すべしとの知事判断で、県民も納得できる処理が行われた。緊張が必要だという所以である。

しかし政権交代で一番大きなことは、市民を無視して自分勝手な政治をしていると、「政権交代」が起きるということを、政治家に深く自覚させることだ。今の野党では心もとないという人がいる。しかし、もしその党が本当に国政運営能力がなければ、また政権交代をすればいいだけのことなのだ。いい加減な政治には常にノーを突きつけることである。

今の日本の政治に必要なのは、国民の願いをきちんと汲み取る政治家である。漫然と与党に投票するのは考え直そうではないか。参院選で政権交代をするわけではないが、貧困層に厳しい税制をしき、いい加減な社会保険庁の監督もせず、高額な議員年金問題はもう忘れた振りをする与党、国民の自由を束縛する共謀罪を制定しようとし、憲法改悪をめざそうとする与党をいい気にさせてはならない。そうした態度を改めない限り、政権交代させるという選択を、いま与党に突きつけようではないか。それができるのは市民の1票の力のみである。