呼出完了
0130 「お客様」とは 千葉の菊 2007/02/20-22:22:44
私の職場の合言葉は「CS」(Customer Satisfaction)です。他の多くの企業も同じかもしれません。「お客様満足度No.1」を売り物にしている携帯電話会社もありますね。「お客様」というだけで絶対的な存在になっています。
実は私はこの考え方に疑問を持っています。広辞苑で「客」を調べると、まずはじめに載っている意味は「訪問してくる人。招かれてくる人。」で、英語の Customer にあたる「料金を払って物を買い、または見物し、或いは乗物に乗る人。」というのはやっと6番目です。
つまり、主人は客のために礼を尽くしてもてなし、客はそれに対し礼を尽くして感謝の意を伝える。これが本来の主人と客の関係です。
ところが現在ではもてなす側は客の顔色をうかがってばかりなのに対し、客の方はふんぞり返って「やってもらって当たり前、気にくわなければ責任者を呼びつける」という態度が当たり前です。いつの間に「客」のこのような態度が許されるようになったのでしょう。外国でもこのようなことは当たり前なのでしょうか?
かつては非礼な客にはお引き取り願うという矜持が売る側にもあったように思うのですが、今はどうも目の前にある客の支払うお金の前に平伏してしまっているように感じてなりません。
このような「文化」によって、私の住んでいるマンションでは受電設備の不具合で一部の棟で停電したとき、互選の同じ住人にすぎない管理組合の理事のところへ怒鳴り込んだ輩さえ出てくる始末です。「お金を払っている以上自分は『客』である」と勘違いしているようです。
「主人」と「客が」互いに「礼を尽くす」行為には「お互いの立場をおもんばかる」心情が見て取れます。ひとりひとりを「人」として認め合ってこそ「社会」は成り立ちます。
それが「お金」というものを介在したとたんに関係が変わってしまうのはおかしいとは思いませんか?
私は本社での「CS研修」を受けた後書かされた感想文に「CSとは『お客様』におもねることではない。『お客様』を甘やかすことでもない。互いに『一個の人間』として礼を尽くすことである。」と記しました。
さて。これに対して会社はどのように評価することでしょう。
いずれにせよ、私はこれからも「お客様は神様」という考え方に疑問を投げ続けようと思います。