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0099 右派のいう現実主義の克服へ 流水 2006/07/17-21:40:01
ここ数年の趨勢は、現実主義という名の右翼的言説の隆盛だったと総括できる。

ここで私たちが見失ってはならないのは、現実主義の【現実】の内実である。米国のアフガン戦争、イラク戦争などに見られるように、米国の言う現実的脅威とは、米国が作り出した虚構の現実という側面が大きい。イラク戦争の大義名分「大量破壊兵器の存在、アルカイダなどとの関係など」はすべて米国創作の虚構だった。

日本の現実主義を標榜する右派連中は、今大きな路線転換を余儀なくされている。例えば、格差社会の現実(数値だけでなく、国民の悲鳴として)、高齢者を直撃する負担増なども具体的な課題として浮上している。つまり、【努力した人間が報われる社会】という虚構の現実が、年間自殺者3万人超、社会の治安の悪化、生活苦などのリアルな現実に駆逐され始めた。つまり、虚構の現実の手直しを迫られているのである。

滋賀の知事選の結果は、虚構の現実から、具体的な現実への有権者の目線の転換に成功したためである。同時に見落としてはいけないのは、嘉田由紀子氏(五六)は環境問題の専門家で、琵琶湖の汚染問題に精力的に取り組んでいたという現場主義者であったということである。

これからの護憲運動に対する非常に大きなヒントがここにある。

これまでの護憲運動に対して行われた批判の大多数は、現実にそぐわないというものだった。しかし、北朝鮮問題にしろ中国の問題にしろ、憲法9条の意味を現実世界に意味あるものにする課題である。ここを具体的事例に即しての解決法を提示して初めて滋賀県知事選の教訓が生かされる。つまり、理念と現実の乖離を如何にして埋めるのか、という点が問われているのである。

その試みの一つとして、わたしは、老人党掲示板に【対話と圧力から交渉と圧力へ】という一文を書いたのですが、あまり理解されなかったようです。わたしの力量不足と反省しています。