呼出完了
0063 TV雑考 百山 2005/11/14-13:04:51
 民放局間の提携具合によっては当てはまらない地域もあろうかとは思うが、今日 月曜日の夜7時、8時台は時代劇、9時からは今時の政治をテーマにしたバラエティ番組と続く。
 時代劇は言わずと知れた正義の謳歌であり、ヒーローは死なずで安心なことこの上なく、政治を俎上に切りまくる出演者・司会者もこれまた正義の味方であって、何れも見終わったあとの視聴者を安らかな眠りへと誘う精神衛生上快適な3時間となる。

 だが、ふと思う。悪を諫め滅ぼすヒーローは、片や権力者側の一翼を担いながらもそれを秘して振る舞い、とどのつまりはそのご威光に恃み、他の一方は市井に埋もれ権力に押し潰されながらも生き、時には非合法的な手段を用いてでも不条理に打ち勝つ。
 前者は 権力は正義のためにあり、よって任せておいて過つことなし。後者は 非合法も正義のためには看過されて然るべき、よって降って湧いたような刺客戦法もあって然るべき、という潜在意識の植え付けに一役買っているのではなかろうかと。

 後に続く政治の今日的話題を縦横に切り広げて、政治的な関心の高揚を図るかの如き番組も、郵政民営化で豹変した議員をなじり、反対を貫いた者を持ち上げたその裏には、恭順の意を表わすかどうかに関わりなく もう明日はないという権力側の意を代弁しているかの如く映る。

 時に インターネットテレビを用いて政府は広報を始めるという。
 情報化時代にあって、身を包むこの寂寥感は何なのだろうか。