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0058 選挙結果に考える くぬぎ林 2005/10/11-16:03:39
今度の選挙で自民党が大勝して民主党が議席を減らしたが、この両党をあわせれば議席は絶対多数で、両方改憲である。

護憲の政党は社民と共産で、議席は全議席の数パーセントにすぎない。しかも村山元首相は首相当時、自衛隊を合憲と言い、共産党も2000年頃、自衛隊容認決議をしている。自衛隊が違憲でないとは最高裁さえもいえないのにである。

自民と民主を絶対多数にした投票者の全部が改憲派だとは思いたくないが、世論調査では改憲がひどく多いらしい。その人たちにはこの憲法と現実との乖離がウソくさく見えるのかもしれないが、今、アメリカさんの<要請>をのんで憲法を変えて、正規の軍隊を作ったら、普通の近代国家としてアメリカとの相互軍事同盟を結ばなければならなくなるだろう。

今の若い人たちは、ひどい言い方をすれば平和ボケで、こういう国際情勢の変化がどんなに早いかは判らないであろう。明治維新の尊王攘夷から文明開化への急変を考えるまでもなく、昭和12年には普通の市民はほぼ普通の生活を送っていたのに、昭和16年までに完全に戦時態勢になり、18年にはもう国民は餓死寸前だったのである。12年から16年までは僅か4年である。

こういった時の生活の変化の激しさは、若い人には絶対、実感がないであろう。物を買うという物そのものもほとんどなかったのである。 

そして今の中国のように四文字標語がはやり、<一億玉砕>を覚悟し、<必勝の信念>をもって<本土決戦>を戦うなんていう正気でない言葉が使われ、悠久の大義に生きるなんていう訳のわからない言葉が平気で歩き出すのに5、6年しかたっていない。

くぬぎ林は昭和4年生まれだから、昭和11年の2・26
から世の移り変わりをある程度感じていたが、昭和8年生まれの人は日中戦争の始まった時には3歳で、戦前の生活はないに等しい。だから、同じ昭和一桁生まれといっても、感じることは大分違ってくるのである。

あの当時のような無意義な標語をわめく人間、小泉みたいな人間が票を稼ぐのは、日本人が自分で物を考えるのが嫌いだからである。この性質は戦前も戦後も変わらないらしい。
 
一度憲法を変えたら、もう戦争をしない国にする憲法に戻ることは絶対にできない。