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0057 負けるが勝ち! 流水 2005/09/27-22:14:16
歴史とは皮肉なもので、ある民族が他民族を武力で制圧した時、敗北した側の民族の文化に勝利した側の民族の文化が席巻されるという逆転現象がしばしば見られます。

例えば、遊牧民族が農耕民族を支配した時、支配したはずの遊牧民族が支配される側の農耕民族の文化を取り入れざるを得ないというケース。古くは、ローマ帝国を滅ぼしたゲルマン民族。中国を支配した遊牧民族(例えば、モンゴル民族)が徐々に中国化していくこと。

これは簡単な話で、エネルギーのあるほうが野蛮で、逆に文化の進んでいるほうは退廃しているというわけです。野蛮と退廃が戦えば、だいたい野蛮が勝つのが通例です。これを戦争に例えると、若々しくてエネルギーに満ちた野蛮なほうがだいたい勝利を収め、そのうちじょじょに滅ぼしたはずの先進国の文化によって洗練されていくのです。

これは音楽などに多く見られる傾向ですが、先進国や経済的に強力な国々は、逆に文化の面では衰弱しており、新しい文化発信力においては完全にローカルになっている場合があります。
例えば、ジャズです。
昔、レッドニコルスというコルネット奏者を描いた【五つの銅貨】という映画がありました。現在、ハリケーンで壊滅的打撃を受けているニューオリンズを舞台にサッチモはじめさまざまなジャズメンが登場します。
この映画で感動的場面が描かれていました。葬儀に出席した黒人たちが、その帰り道をデキシーランドジャズの軽快なリズムに合わせて踊りながら帰っていくのです。
ジャズという音楽の出自をこの画面が余すことなく描いていました。

黒人たちを収奪し続けた白人社会が、現在はジャズこそアメリカ文化というところに、白人社会文化がローカルに陥っている証左を観ることができます。

今回の総選挙。刺客とかマドンナとか呼ばれた新人議員、彼らの言動を見ると【文化の衰弱】をつくづく感じます。
小泉自民党が文化の発信力において、見事にローカルに陥っていることを証明しています。
「負けるが勝ち」という言葉がありますが、護憲勢力は文化の発信力において改憲派勢力をはるかに凌駕しています。
選挙は一瞬、文化は永遠です。
肩を落とさず、胸を張って、文化的護憲論を展開しましょう。