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0047 ロンドンの同時テロと「テロとの戦い」 千葉の菊 2005/07/18-05:51:47
先日のロンドンで起きた同時多発テロ事件は「911」ほどではないにせよ全世界に衝撃を与えました。
それは「テロと戦う」国として、サミットのためにおそらく日本とは比べものにならないほどの厳戒態勢であったにもかかわらず「テロ」が起きてしまったことにあります。
つまり、いくら厳重な警戒をしたところでテロは防げないということが明らかになってしまったのです。
「テロとの戦い」を表明しているアメリカやイギリスといった国が「テロを防ぐ」ために行っているのは、多額の税金を投入しての公共の場等のセキュリティ対策の強化、国内のイスラム教徒に対する人権を無視した拘束や監視、そしてイラクで「テロリスト」と決めつけた人を多くの一般市民を巻き込んで殺害することです。
彼らには「何故テロが起こるのか」という「テロを防ぐ」ためにまず考えなければならない視点が欠けています。
常識的に考えて、「何故テロが起こるのか」を分析し、自分たちにテロを招く要因があればそれをまず改めるというのが、「テロを防ぐ」ための解決法の第一歩だと思います。
「テロとの戦い」を表明している国は決してそれをやろうとしません。
あるいは知っていてもできないのかも知れません。
「テロリズム」はアメリカという国ではこのように定義されています。
「政府または社会を強制するか怖がらせるために個人あるいは財産に対する、力あるいは暴力の不法なあるいは恫喝的な使用。しばしば政治的な目的、宗教の目的、あるいはイデオロギーの目的を達成するためのもの。」
これはアメリカだけでなく世界中で通用する定義ですね。
「テロ」の目的が上のようである以上、今回の事件でそれが防ぎようがないということがはっきりしてしまったわけですから、単なる「テロ」の防護策ではなく「テロが何故起きるか」という根本的な問題を考えない限り「テロを防ぐ」ことはできないでしょう。
また、上の定義によれば「テロ」を行うのは個人やグループだけでなく「国家」も含まれるのです。
「テロとの戦い」を表明している国は、自らの行為についても上の定義に基づいて考え直す必要があるでしょう。
今回のロンドンの事件や「911」だけでなく、誰が行う行為であれ「テロリズム」は許されるものではありません。
パレスティナに於けるイスラエルの例を見ればわかるとおり、暴力による「報復」では決して「テロ」を終わらせることはできないのです。