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0043 ある夢想! 流水 2005/06/21-20:03:28
現在の日本の右傾化現象の根底にあるのが、【国家】に対する幻想である。老人党掲示板で性懲りも無く繰り返される靖国論争、反中国、反韓国論、これらの論の基底に流れているのが、国家に対する信仰とでもいうべき帰属意識である。

しかし、この国家幻想を捨てて流浪する民族がいる。ジプシーである。
ジプシーについての詳しい解説は抜きにして、わたしは時折夢想することがある。
世界の難民と呼ばれる人々(占領地から武力で追い出された人々、国が無くなった人々、内戦で国を捨てざるを得なかった人々、経済難民など)が国家に対する帰属意識、国家再興の夢を捨て去り、皆ジプシーになったらどうなるのだろうか。難民キャンプに収容されるのを止めて、世界中を流浪しはじめたらどうなるのだろうか、と。

EUの難しさは、国家意識とジプシー的流動化のきしみにある。EUの凄さは、ジプシー的流動化が、国家意識の根底を掘り崩すものであることを百も承知で、この流動化を促進しようとしていることである。

もう一つ、ジプシー的流動化を暴力的に実践しているものがある。多国籍企業である。しかし、決定的に違う点がある。所有を拒否するのがジプシー的自由であるが、多国籍企業は所有を目的とする。この意味でジプシー的自由の対極に立つ。

わたしは世界中の難民が本来のジプシー的自由に目覚めた時、【国家廃絶】の夢が実現できるのではないかと夢想している。
その意味でNGOや国連の難民救済の目的をキャンプに囲い込むのではなく、国境を越えて流浪(流動化)させたら問題の本質が見えてくるのではないかと夢想している。
ひょっとして、マルクスにはこの光景が見えていたのかも知れないと夢想している。