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0030 初心に帰って 宮天狗 2005/03/14-06:09:10
憲法を変えるべきという論拠の一つに「アメリカ占領軍の押し付け」とする説が
あります。これを唱える人たちにほぼ共通するのは歴史を自説に都合の良いよ
うに捻じ曲げる傾向です。誰しも自分のふるさとや国に誇りを持つのは当然な
がら行過ぎた場合の典型的な悲劇がブラジルにおける日系移民の抗争です。
敗戦後約10年にわたって日系移民は神国日本の敗戦を認めない「勝ち組」と
、敗北を認める「負け組」に分かれ、「負け組」の有力者は非国民として次々
と殺されました。老人党掲示板において護憲派を「反日」とか「日本から出て
行け」などと罵った自称「愛国者」は、「勝ち組」のメンタリティーとつなが
るものがあります。
現行憲法は太平洋戦争によって途方もない痛手を負い、その深い反省から生ま
れた「もう軍国主義と戦争はこりごりだ!」という圧倒的多数の日本人の想い
と、日本を「二度と戦争をしない理想的な民主主義国にしたい」占領軍の思惑
が期せずして一致した結果、旧体制を維持しようとする保守派の頑強な抵抗を
退けて世界でも例のない不戦を誓う国民主権の憲法が誕生したのです。
改憲のうねりの高まるなか、これをを跳ね返すためにはもう一度初心に帰って
その精神をかみ締めたいと思っています。