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0015 戦争の傷み・まるで魔女のとげを抜くように・キリクと魔女より 桃李 2004/11/29-08:10:22
A先生の話では、日本は、戦時中の資料をなかなか公開せず、処分しているそうです。西アフリカの説話を元にした「キリクと魔女」を思い出します。フランスのアニメ映画で、日本でも上映しました。キリクは自分でお母さんのおなかから生まれ出た不思議な、一寸法師のように小さい子。「どうしてなの?だって知りたいんだ。どうして?」 といつも考え行動します。対立する相手には、武器ではなく「知恵」を使い、昔男達に乱暴され、背中に「とげ」を刺さされた恨みで魔女になった女の隠していた「とげ」を抜いてあげます。魔女は「とげ」を抜くとき、それを打たれたときの辛い事柄を思いだし、激しく苦しみます。が、理知的な美しい女性に戻って、「とげ」を抜いてくれたキリクと和解し結ばれます。戦争を知らない世代にとって、魔女の悪い思い出と苦しみの「とげ」を抜くキリクの行いは、歴史の「とげ」をぬく事と重なり、少なくなる歴史の資料や、おかしいことをおかしいと思える感性と、当前として暴力のない解決策を作る事を考える上で象徴的です。