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  明日へのビタミン!ちょっといい映画・本・音楽・美術(第十七期)
笹井明子    −    2019/08/01 05:11:23
感動したり面白かった映画・本・音楽などを紹介しあい、共有しましょう。
0001 明日へのビタミン!ちょっといい映画・本・音楽・美術(第十七期) 笹井明子 08/01 05:11
 
感動したり面白かった映画・本・音楽などを紹介しあい、共有しましょう。
 
0002 「風をつかまえた少年」と「ガーンジー島の読書会の秘密」 09/07 22:19
 
今、上映中の映画2本、どちらもとってもお奨めです。

「風をつかまえた少年」 https://longride.jp/kaze

アフリカのマラウィのウィリアム少年が、中学校の学費が足りなくて退学になりながら、図書室に通うことだけを頼み込んで、物理やエネルギーの本を読みます。

そして干ばつに苦しむ村で、彼はゴミ捨て場から使えるものを拾って、風力発電で、井戸から水をくみ上げる動力を作り上げるのです。

干ばつや、アフリカの政治的な問題なども描かれますが、何よりこんな過酷な環境の中で、暮らしを良くするために自分のできることを探し、研究し、周りの仲間や大人を説得し、作り上げていくその課程が素晴らしいのです。

貧しい父親が「失敗ばかりの人生だった」と嘆くと、ウィリアムは「違う、僕を学校に行かせてくれた」と答える場面は、胸に迫りました。

これは実話を元にしていて、そのウイリアム・カムクワンバさんは「将来色々なことができるようになる選択肢を与えてくれるのが教育です。様々な問題を解決していける人間になるには、学ぶことが必要だと思います」と話しているそうです。


「ガーンジー島の読書会の秘密」 http://dokushokai-movie.com/

こちらはフィクションですが、第二次大戦中、チャネル諸島のガーンジー島は英国で唯一ドイツ軍に占領された地域だそうです。地図を見れば、英国よりもフランスのノルマンディ―地方のコタンタン半島に近い。

物語は、占領下に読書会が開かれていたという話を知って、新人作家の女性ジュリエットがタイムズの記事にしようと、島に取材に行きます。

しかし、読書会に参加は出来たものの、それを始めるきっかけを作ったエリザベスのことを問うと、誰も答えようとしない。そればかりか、読書会の事を記事にする承諾も得られないのです。

読書なんてまるでしていなかった人たちが、本を読んで語り合い、考えを深めていくところも素敵です。

ジュリエットが話を聞いていくうちに、占領下の厳しい状況が明らかになって来ます。戦争がもたらした痛み、裏切り…。行方不明のエリザベスはどうなったのか。

スリリングでもあり、ユーモアもあり、本への愛も溢れ、ジュリエットの恋も絡んで面白い映画でした。本(上下)も出ていて、お勧めだとか。

直情的で行動せずにいられないエリザベスの姿に、戦時下という状況では、オッチョコチョイは生き残るのも難しいな、モノが言えるうちに、戦争方向に行かないように発言を続けなくては…と思わされました。
 
0003 【怨歌】の歌姫 藤圭子 流水 10/23 12:46
 
藤圭子という歌手がいた。今では宇多田ヒカルの母親として有名だが、歌手としての彼女はそれは凄かった。

東大全共闘が安田講堂で絶望的な籠城戦を戦った昭和44年(1970年)、彼女は【新宿の女】でデビューした。
※新宿の女 https://www.youtube.com/watch?v=5FeiTGOrEvM

藤圭子 本名安倍純子 岩手県一関生まれ 生まれてすぐ両親の仕事の都合で北海道旭川で育つ。両親は旅回りの浪曲師。圭子は幼い時から両親とともに舞台に立っていた。
才能を見込まれ、15歳で上京。作詞家 石坂まさおに師事。その後、RCAディレクター榎本に見いだされ、レコード・デヴュー。

榎本に言わせると、当時の彼女は40kgあるかなしかの小さな少女だった。その容姿は、可憐の一言。華奢で可憐で吹けば飛びそうな少女が、ひとたびマイクを持つと、そのドスの利いた歌声で周りを圧倒した。彼女の容姿と歌声のギャップの大きさが、彼女の人気を後押しした。

しかし、彼女の歌声をよく聞くと、高音も良く伸び、ロックで言うシャウトができた。中低音も独特の響きを持っており、魅力的なハスキーボイスの持ち主だった。

藤圭子は第2作の「女のブルース」で110万枚を売り上げ、押しも押されもしないスターにのし上がった。
※女のブルース https://www.youtube.com/watch?v=MvgokXTXVTI

そして次の第3作が藤圭子の不朽の歌手にした。【圭子の夢は夜ひらく】である。
https://www.youtube.com/watch?v=bynoUmokWaI

この歌は石坂まさおが大好きだった曲で、園まりや緑川アコ歌っていた。
※夢は夜ひらく
緑川アコ https://www.youtube.com/watch?v=62IAZXMoXLg
園 まり https://www.youtube.com/watch?v=z478Skh93Vw

藤圭子の歌った「夢は夜ひらく」は、典型的な【履歴書ソング】。自分の人生の経過を歌にしている。そこが実にいい。

特に二番の歌詞。*****昨日マー坊 /今日トミー /明日はジョージか /ケン坊か /恋ははかなく/過ぎて行き /夢は夜ひらく******

私はこの歌を最初に聞いた時、実にモダンな感じを受けた。名前の呼び方が見事にアメリカナイズされていた。ロックかジャズを演歌にしたような新しさがあった。藤圭子が時代の寵児になった所以だろう。

当時、まだ若かった田原総一朗がTVドキュメンタリーで藤圭子を取り上げた番組で、デモに参加している若者の多くが、藤圭子が大好きと答えていた。彼女の歌声と歌詞に従来の演歌と違う何かを感じ取っていたに違いない。

五木寛之は、そんな藤圭子の歌を、「演歌でもなく、艶歌でもない。正真正銘の怨歌だ」と評していた。

70年当時の全共闘運動、新宿西口のフォークゲリラなど燃え盛った【政治の季節】の挽歌として、藤圭子の歌が若者たちの心をつかんだのかもしれない。

藤圭子が伝説になったのは、ここまで紹介した歌による。しかし、本当の藤圭子の凄さは、虚実合いまった藤圭子の伝説ではなく、彼女がカバーした多くの歌にある。

今回、彼女のカバー曲を丹念に追ってみたが、ほとんどの歌が本家をはるかに超えるうまさと凄さに満ちていた。

特に、「男歌」を歌わせたら、彼女の右に出るものはないだろう。彼女に匹敵する「男歌」の名手は、美空ひばりだけだと思う。それぐらい、女性が男性の歌う「男歌」を歌うのは難しい。ところが、藤圭子は難なくそれをやってのけている。天才というしかない。

例えば、矢吹健という歌手がいた。「あなたのブルース」や「後ろ姿」は大変ヒットしたが、藤圭子のカバー曲はそれに勝るとも劣らない。

※ あなたのブルース https://www.youtube.com/watch?v=LL5vhiI_AAs
※ 後ろ姿      https://www.youtube.com/watch?v=k3z6m3NMcSQ
矢吹健  あなたのブルース https://www.youtube.com/watch?v=mZ72F_9HwSw
後ろ姿  https://www.youtube.com/watch?v=2R0oGJoAFic

春日八郎の「別れの一本杉」。春日に勝るものはない、と思っていたが、藤圭子の「別れの一本杉」は絶品。
※藤圭子 別れの一本杉  https://www.youtube.com/watch?v=hKF2JUkDNjs
※春日八郎 別れの一本杉 https://www.youtube.com/watch?v=7satCJvhT54

もう少し、見てみよう。村田英雄の「無法松の一生」。彼の代表作。これは多くの歌手がカバーしているが、藤圭子のカバーは絶妙。本家よりはるかに良いと思う。

※無法松の一生
https://www.youtube.com/watch?v=wJYMxGKU-e8&list=RDEK4Q6VwPVuQ&index=10
村田英雄 
無法松の一生 https://www.youtube.com/watch?v=a3K32Tk8fYo

村田英雄の作品は、「人生劇場」もカバーしている。
※人生劇場   https://www.youtube.com/watch?v=vSn30-rBmYs
村田英雄
※人生劇場  https://www.youtube.com/watch?v=t-VGghg9fTQ

「東京流れ者」もカバーしている。渡哲也は本職の歌手ではないので比較にならない。
※東京流れ者 https://www.youtube.com/watch?v=e_gqDblMUig
渡哲也
※東京流れ者 https://www.youtube.com/watch?v=fkQCEXFaldY

実は今回藤圭子のカバー曲を調べていて、一番驚きだったのは、次の曲である。

「ネリカンブルース」 この曲は、東京都練馬区にあった少年鑑別所に入った不良少年の心情を歌った歌で、誰の曲とも知らずわたしたちの間で歌われていた。わたしたちの青春時代、道を踏み間違えた少年たちのディスペレートな心情を歌ったこの歌は、多くの人々の心を捉えた。

彼女の歌声は、当時を思い起こさせる絶品の作品に仕上がっている。

※ネリカンブルース https://www.youtube.com/watch?v=DScdzHz6tRA
※練馬区東京少年鑑別所の正門です。
https://www.youtube.com/watch?v=e8IOSbOINFM

高倉健もカバーしている。やくざ映画全盛時代、高倉健の「唐獅子牡丹」は、ファン絶対の愛唱歌だった。藤圭子の歌は、当時の高倉健の持つ雰囲気まで再現しているように思える。

※唐獅子牡丹 https://www.youtube.com/watch?v=0XE3YmgKTp4
高倉健
※唐獅子牡丹 https://www.youtube.com/watch?v=LmzVr4W_p1s

鶴田浩二の歌もカバーしている。
※赤と黒とのブルース https://www.youtube.com/watch?v=vKb4MZbQo9Q
鶴田浩二
※赤と黒のブルース https://www.uta-net.com/movie/13849/

水原弘もカバーしている。わたしの中では、水原弘の歌のうまさは出色。まさに天才。彼がヒロポンなどに迷わなかったら、どれだけヒット曲を出したか、と残念でならない。藤圭子の歌声はその彼に引けを取らない。二人の天才の歌声を、ぜひ、聞き比べてほしい。

※君こそわが命 https://www.youtube.com/watch?v=CdEZZsIuj6w
※ 水原弘 君こそわが命 https://www.youtube.com/watch?v=abmW7xIlzgM

ここまでの曲を丁寧に聞いてもらえば一発で分かるが、事程左様に、藤圭子の「男歌」は素晴らしい。

地べたを這いずり回りながら生きている民衆たちの情念をうたい上げたのが演歌・艶歌・怨歌だとするならば、藤圭子の歌声はまさに怨歌にふさわしい。

まさにそのものずばりの怨み歌を一つ紹介する。梶芽衣子の【怨み節】である。映画「さそり」の主題曲。

※梶芽衣子 怨み節 https://www.youtube.com/watch?v=PqJhcDIqaDU
※藤圭子   恨み節 https://www.youtube.com/watch?v=1nT_J6tXHSE

さらに藤圭子は、三波春夫や真山仁などが切り開いた「歌謡浪曲」の分野でも素晴らしい才能を発揮している。特に、「歌謡浪曲」で難しいのは、「語り」の部分だが、藤圭子はいとも簡単に難しい「語り」をやってのけている。

おそらく幼い時から旅の浪曲師だった両親に連れられて舞台に立っていたため、浪曲の語りが肌に沁みついていたのであろう。見事な「語り」を披露している。

※番場の忠太郎 https://www.youtube.com/watch?v=z9pGZ1xmgY8

※真山一郎 番場の忠太郎 https://www.youtube.com/watch?v=5z6PD2IHUbw

その他多くの「歌謡浪曲」をカバーしている。
※涙の荒神山 https://www.youtube.com/watch?v=VuthhqoBOjI

※石松三十石船https://www.youtube.com/watch?v=Ybwp1J0UvGA

※刃傷松の廊下 https://www.youtube.com/watch?v=u398NwAEDng

この分野で、彼女の凄さがもつとも分かるのは、二葉百合子の「岸壁の母」のカバーだと思う。二葉百合子の高音部分は、いかにも浪曲で鍛えられた声だと思わせるが、藤圭子の高音部分はそれを上回るような伸びがある。彼女を育てた榎本がいう高音がシャウトしている。彼女がもう少し長生きしていたら、この分野でも文句なしの第一人者になれたと思う。

※ 岸壁の母 (二葉百合子) https://www.youtube.com/watch?v=nAnv6K8SE1c
※ 岸壁の母 (藤圭子)  https://www.youtube.com/watch?v=657IcSn4oCo

このように本当の意味での歌の才能に恵まれた藤圭子だったが、私生活では順風満帆というわけにはいかなかった。

五木寛之が書いた「艶歌の竜」という小説がある。その中で艶歌歌手は、「不幸の匂い」がしなければならないと言う意味の事を書いていた。ファンは彼や彼女の歌を聞きながら、大スターでありながら、彼や彼女の私生活の不幸の味を敏感にかぎ取る。そして、大衆は、さらに彼や彼女の歌に魅かれていく、という微妙な心理の襞が、艶歌歌手の宿命だという意味の事を書いていた。

そう言えば、美空ひばりをはじめとして、艶歌歌手の「不幸の味」が彼や彼女たちの艶歌の「つや」として滲み出ているような気がする。

御多聞に漏れず、藤圭子も波乱万丈の私生活を送り、最後は自ら命を絶った。五木寛之流の見方からすれば、藤圭子は、見事に「艶歌歌手」否【怨歌歌手】としての自らの運命(宿命と言っても良いかもしれない)を生き切ったと思う。

日本の戦後の転換点で、エリート支配(東大支配)を根底から問い直した東大全共闘の象徴的闘いの終焉(安田講堂の闘い)の年にデヴューした藤圭子は、それだけで時代の象徴的存在だった。

学生運動とはまるで無縁の存在だったにもかかわらず、当時の反体制気分の象徴的存在として、社会の下層で流されながら懸命に這いずり回って生きている口に出せない庶民の内心の怨みを見事に表現した。

わたしは、彼女の代表曲もさることながら、彼女がカバーした【はやり歌】としての戦後の歌謡曲を聞いていると、戦後70年を過ぎたのに、過ぎ去ったと思われた戦後の艶歌・怨歌の世界が、もう一度新しい装いで蘇っているように感じる。

山本太郎が口癖のように語る【生きづらい、地獄のような日々】が、蘇ってきているのを感じる。

藤圭子のカバー曲を詳細に論じたのは、彼女の「怨歌」を掘り下げていくと、結局日本的演歌・艶歌や浪曲的感性に行きついてしまう、という歴史の皮肉である。

先の五木寛之の「艶歌の竜」の言葉で言えば、西欧流の音楽感性から言えば、「乞食歌」に過ぎない艶歌の世界が、もう一度蘇る時代的背景が整いつつある。

マルクス流にいうならば、時代は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として。

さて、藤圭子流艶歌・怨歌の世界の蘇りは、「悲劇」だろうか、それとも「喜劇」だろうか。
 
0004 映画「i-新聞記者ドキュメント」を観て下さい 11/15 00:01
 
「新聞記者」の映画が面白かったと評判だったが、
そのモデルとなった東京新聞の望月衣塑子記者を追う、この映画は、
それを超える面白さ…と言っていてはいけないのだろう。
正確には、ドラマを超える「怖いリアル」のドキュメンタリー。

何が怖いかというと、今の政治の酷さ。それが望月記者の追及で炙り出される。
他の政治記者はどこに行っちゃったの?という報道の酷さも

官邸の記者会見で、望月記者が質問をすると、必ず妨害の声が入る。
質問前の事実説明に対し、「質問してください」と言い、「時間です」と言う
ロボットのような機械的な声がとても不気味。

辺野古の埋め立てに、海は赤く染まっている。これでは珊瑚は死ぬだろう。
赤土は10%という公約が、あの埋立て用の土を見て誰が信じるだろうか。
その責任を追及しても、ひたすらはぐらかし、時間だと打ち切る。

管氏の「あなたに答える必要はありません」といった回答は、国民に対してあまりにも不真面目・不誠実だ。
新聞記者は国民が知りたいことを質問しているのだから。

森友・加計問題でも、疑惑に対し、安倍首相は「関係ない」の一言で済ませる。
今や政治家の犯罪は、追及されずに済むのか?
政治家に忖度し、おもねる裁判官と官僚。日本の三権分立は腐敗し瓦解した。
 
宮古島の自衛隊基地や石油備蓄の真相が島民には知らされずに設置されたことや、
伊藤詩織氏へのセクハラ事件の取材と、現地に飛び、目で見て、聴いて、
きちんとインタビューして記事を書く多忙な日々が映し出される。

森監督の取材を邪魔しようと、道路さえ彼を通さない守衛や警官たちも描かれる。
日本の「報道の自由」はどこに行ったの?

望月記者の質問によって、日本の政治の酷さが炙り出されてくる。
これはまさに、今観るべき映画。どうぞ皆さん、ぜひご覧になってください。

 
0005 中村哲さん追悼番組「武器でなく命の水を」(NHK・Eテレ) 笹井明子 12/09 14:54
 
12月4日に亡くなった中村哲さんを悼んで、12月7日に急きょ再放送が決まったNHKドキュメンタリー「武器でなく命の水を」を見ました。

『今月4日、戦乱が続くアフガニスタンで干ばつと戦ってきた医師・中村哲さんが銃撃され亡くなった。「戦乱は武器や戦車では解決しない。農業復活こそがアフガン復興の礎だ」と白衣を脱ぎ、用水路建設に乗り出した中村医師。長年の努力の末、用水路は完成、大地に緑がよみがえり、人々の平穏な営みが再び始まろうとしている矢先だった。中村さんをしのび、その15年にわたる不屈の歩みを記録した2016年の番組を再放送する。』(NHK番組表より)

番組は、アフガニスタンで活動を続ける中村さんに長期間寄り添い、中村さんが現地住民と共に用水路を建設し、苦闘の末、川から用水路に水を引き込むことに成功させ、干ばつの地を緑豊かな地へと生まれ変わらせる様子を、丁寧に描き出しています。

苦労に苦労を重ねた末に用水路に水が満たされていく様子に、達成感と安堵の笑顔を見せる現地の人たち、、、。

干ばつの大地が潤って緑が戻り、飢えの問題に解決の糸口が見えると、次に中村さんはモスク建設を提案し、ペシャワール会の援助と現地の人たちの頑張りで立派なモスクが完成すると、アフガンの人たちは「心が解放された」と、誇りを取り戻した喜びに、中村さんへの率直な感謝の気持ちを表します。

明晰な頭脳と大らかな構想力、命と心の救済への確信、他者への敬意。率直で誠実な中村さんの人柄は、アフガンの人々に強い共感と信頼を生み、中村さんの周囲にはいつも明るい笑いがありました。

画面には、過酷な環境下にありながら、人々にどこまでも寄り添おうとする中村さんの姿と、中村さんの献身の結実を思わせる緑あふれるアフガンの土地、人々の笑顔がそこここに見られ、私たちをホッとさせてくれます。

その一方で、アメリカが主導する武力・戦力で世界を動かそうとする政治の愚も、控えめながら対比的に映し出されていて、中村さんの今回の死が、昨今の政治の喧騒の中で右往左往して、大切なことを忘れかけている私たちに、「あなたは、どちらを選びますか?」と問いかけているようにも見えます。

中村哲さん、長い間お疲れ様でした。中村さんの献身に心から感謝し、ここにご冥福をお祈りいたします。

☆このドキュメンタリーは、12月12日午前0時(11日深夜24時)に再び再放送があります。まだ見ていない方は、是非ご覧ください。

https://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2019-12-11&ch=31&eid
=23286&f=20
 
 
0006 真藤順丈 「宝島」 パンドラ 12/20 14:32
 
私が今年読んだ本の中で一番に押したいのは
真藤順丈作「宝島」である
今年の直木賞を授賞したこの作品はノミネートされていた時から大変な話題を呼び不覚にも気付かなかった私は図書館で予約番号200番台という後れを取ってしまった。
面白そうな本を探してネット、新聞の書評、書店の店頭をさ迷い気を付けているのに何故か宝島だけは引っかからなかった。

さて「宝島」

戦果アギャー呼ばれ、米軍基地に忍び込み様々な物資、価値ある物を強奪していた彼等。
その中でも豪胆で賢く強かで誰よりも優しく、貧しい島の農民達に戦果を分け与えていた英雄がいた。オンちゃんと呼ばれた彼は米軍基地に忍び込み突如失踪した。
共に行動していたオンちゃんの弟レイ、親友のグスク、恋人のヤマコ達はオンちゃんは生きていると信じてその行方を必死に探し回るが時は空しく過ぎやがて彼等は
テロリスト、警察官、教師となり戦後の沖縄の社会を生きていく

これは三人の若者の青春グラフティを横糸に、米軍機小学校墜落事件、米軍人の女児レイプ殺害事件、コザの島民轢殺事件とそれに触発された暴動という沖縄の戦後史と社会に刻み付けられた事件を縦糸に怒りと涙と汗で紡がれた戦後沖縄の一大叙事詩である
英雄は既にこのよには居ない。しかしその最後に思わぬ戦果を生み、オンちゃんが助けた基地の子ウタの物語へと繋がって行く。
一つだけ疑問が残るのはオンちゃんが命をかけて守ったウタが何故物語の終盤で命を落とす事になったのか?それが分からないのは私がこの壮大な叙事詩を未だ読み解いていない
からなのか。
作者の真藤氏は7年の歳月をかけて沖縄に取材しこの作品を書き上げたという。

未だこの叙事詩は終わってはいない。
沖縄の基地とそれと闘う人々の戦後史は今も未だ続いているのだ。
作者は語り部となってバイオレンスに満ちた世界を、踊るように唄うように軽快にリズミカルに描いている。12月という慌ただしい季節に読んだ540ページという大作ではあったが期待に違わぬ作品でさすが直木賞!と思わされた。
ぜひ、来年も「宝島」を一人でも多くの人に読んで頂き、なぜこの物語のタイトルが
「宝島」なのか答えを見付けて欲しい。

 
0007 「家族を想うとき」労働とお金、家族の幸せは? 01/20 10:51
 
老いても、シングルマザーでも、人間の尊厳には変わりはないと訴えた映画、
「わたしは、ダニエル・ブレイク」で、ケン・ローチ監督は、これで引退と言っていました。

ところが、彼がどうしても社会に訴えたいと、再び制作した作品です。
「家族を想うとき」 https://longride.jp/kazoku/

肉体労働を転々としてきた男性が、「家を買いたい」と考え、
フランチャイズ方式の、運送業に加入します。

働けば働くほど稼げる、自分がオーナーなのだと、希望と不安を持って始めますが…。
介護士としてパートで働く妻の車を売って、自分の車を買わなくてはならない。
忙しくなってしまった父親と母親、家族はガタガタになっていきます。

日本では、年末にコンビニの営業を2日だけ閉めると言ったとたん契約を取り消された事件。
その前に一家でコンビニをしていたが、過酷な多忙さに息子が自殺、父親が突然死の事件。

24時間365日休みなしで、私たちは便利になったと喜んでいていいのかしら?
荷物が翌日に届いて有り難いと、喜んでいていいのかしら?

人間の労働、家族の幸せ…貧困から抜け出すには、どうしたら?

企業を利益を追求します。しかし、そこに人間性を失わせるような過酷な労働がある場合、
それは政治が人権を守るべきでしょう。

今の日本は?と考えさせられました。ぜひご覧になってください。
 
0008 「ジョジョ・ラビット」ヒトラーに憧れる少年とユダヤ人少女 01/31 21:51
 
この「ジョジョ・ラビット」の映画はお勧めです。
第二次大戦末期、ヒトラー・ユーゲントに入隊したばかりの10歳の少年ジョジョは、
空想の憧れのヒトラーに励まされて、訓練に励みます。
当事はドイツの10歳〜18歳の子供は皆、ヒトラー・ユーゲントに入ったそうです。

でも、ウサギを殺せと教官に命令されて、殺せず、ジョジョ・ラビットと綽名を付けられます。
そして、ヒトラーと一緒に手榴弾を投げて失敗。顔に怪我をしてしまいます。

母親と2人暮らしの家にいる間に、ジョジョは家の隠し部屋に気づきます。
そこには、亡くなった姉のクラスメイトのユダヤ人の少女エルサが、母親に匿われていたのです。

「通報したら、あんたもお母さんも死刑にされる」と脅されたジョジョ。
ジョジョは、「ユダヤ人の秘密」を聞き出して、殲滅に役立てようと考えます。
「ユダヤ人は怪物?」「角が生えている?」「お金が好き?」
聡明なエルサが、それに何と答えていくか。


日本でも、戦時は「鬼畜米英」とか「チャンコロ」「(蹄になっている)チョン」とか、
酷いことを、子どもだけでなく大人も言っていたそうです。戦争は人間を野卑にするものですね。

最初のヒトラーに熱狂する群衆にドキッとさせられます。
少々ブラックなユーモアのある前半、そして後半、どんどんシリアスに。
こんな幼い子供にも厳しい現実が降りかかってきます。

ところで空想のヒトラーを演じているのは、監督でもあるワイティティさん。
父方がニュージーランドのマオリ人、母方がロシア系ユダヤ人なのだそうです。

戦争の愚かしさがユーモアに包まれて現され、人と触れ合うことで偏見は乗り越えられていく。
とても面白く、お勧めの映画です。

 
0009 Re: 明日へのビタミン!ちょっといい映画・本・音楽・美術(第十七期) コナシ&コブシ 02/02 12:09
 
ドイツの作家、グードルン・パウゼヴァングさんが1月末に逝去されたそうです。
元小学校教師であったバウゼヴァングさんは、チェルノブイリ原発事故の翌年に「みえない雲」を発表、150万部のベストセラーとなり、その後ドイツが脱原発に舵を切る原動力となった、と言われています。
まるで福島原発事故を予言したような描写に驚いたことを覚えています。

そのほか普通の市民がナチスの政権をどのように支えていたのか、ということを冷静に見つめる「そこに僕らは居合わせた」、谷あいの村に暮らす一人の若者を通して戦争というものを問う「片手の郵便配達人」も書かれています。
「証言者はまもなくいなくなる」という本の帯からも、たとえ目をそむけたくなるようなことでも<戦争の本当の姿>を伝えておきたいという思いが伝わってきました。

「みえない雲」(コミック版)のあとがきに彼女のことばが紹介されています。
 ・・・・・
私も年を取り、いつまで続けられるかわかりませんが、人生終盤は勇敢でなくてはね。
 ・・・・・

思い出すたびに、自分の中にもささやかなパワーをもらえるような気がします。

ご冥福をお祈りいたします。
 
0010 映画2本「コリーニ事件」、「13th −憲法修正第13条−」 06/18 22:50
 
上映中の「コリーニ事件」は、「恩人を殺した犯人の動機は何?」という謎を弁護士が追及していくと、ナチの暴虐にたどりつく。
「なるほど、よくある戦争犯罪の話ね」と納得していると、法廷は逆転。そこからがこの映画の本領発揮。なんと戦後ドイツの国家の法制度にまで辿り着くのです。

法廷サスペンスと銘打っているように、謎を追及する新米弁護士のドジ(だって、もっと早く犯人の過去をさぐるべきだよね)な展開もありますが、彼自身の出自や家庭環境、恩人とのかかわり、彼を助ける父親との出会いや生きのよい女性など、脇も面白く、とてもお勧めです。
https://collini-movie.com/


「13th −憲法修正第13条−」は、ネットフリックスが今、無料で配信している2016年のドキュメンタリー、お家のPCで観ることができます。

こちらは、アメリカの黒人問題。アフリカから誘拐されてきた黒人奴隷の時代から今まで、アメリカの法律でいかに黒人たちが虐げられてきたが、次々と明らかにされていきます。ことに刑務所の運営で儲ける民間会社には驚き。奴隷制度が無くなると、黒人を犯罪者として刑務所に入れて、労働力として便利に使う。

荒れ狂い、店を壊す暴動には呆れてしまいますが、そうなる背景がしっかり理解できます。「黒人のため」じゃない「人間のため」。
「あともう少しの我慢」という歌が流れて4年、変わらない警官の暴力を見せつけられていることに、怒りを覚えます。

こちらもぜひご覧ください。ここで見ることができます。(期限があるのかもしれませんが)
https://www.youtube.com/watch?v=krfcq5pF8u8 
 
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