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  安全・外交政策を考える(第十六期)
笹井明子    −    2018/08/01 04:36:29
世界情勢の変化の中で、日本の平和や安全に資する安全・外交政策はどうあるべきかについて、考え、議論し、提言を行う
0016 >イージスアショアは何故山口県・秋田県なのか 厚顔 07/10 13:12
 
 06/08 日に表題について下記の投稿をしたが、昨日の記者会見で岩屋防衛大臣が山口県は米軍グアム島、秋田県は米国ハワイ諸島の防衛目的もあることを認めた(NHKWEBより)。山の高低誤測問題より両県民にはこちらがより重要な問題であり、最初からこの目的もある事を両県民に説明すべきではないか。重ねて安倍政権の隠蔽体質が露呈した。このことが明らかになった以上、仮想敵国も先ず両県のイージスアショアを攻撃すると同時にハワイ、グアムを狙うであろう。白紙撤回しか在るまい。日本防衛ならイージス艦で十分との判断だったはずである。トランプ政権との日米貿易交渉によって急に浮上したのではないのか。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190709/k10011987431000.html?utm_int=news-ne
w_contents_list-items_117


岩屋防衛大臣は閣議のあとの記者会見で、北朝鮮の弾道ミサイルが、アメリカ軍基地のあるハワイやグアムを狙って発射された場合の対応について「アメリカ側に対する攻撃が、わが国の存立を脅かすおそれがある事態だと認定された場合は、限定的な集団的自衛権を行使し、迎撃できる」と述べました。



         =記=

0015  イージスアショアは何故山口県・秋田県なのか  厚顔   06/08 23:52  

>防衛省は現在イージスアショアの設置予定県の一つ秋田県での適地調査データーに誤りがあることを地元メディアから指摘され、防衛相が陳謝したと7日の朝日デジタルは報じている。https://www.asahi.com/articles/ASM664JPLM66UTFK00G.htmlまた同日の朝日新聞社説
i陸上イージス、ずさんな調査に驚く)は、『山口・秋田県へのイージスアショアの必要性について、防衛省の報告書は「24時間365日、日本全域を守り続けることができる」』と報じているが、そう言い切れる説得力のある根拠は示されていない、と記している。
 https://www.asahi.com/articles/DA3S14046520.html?ref=opinion

問題は政府がどの国のミサイル攻撃を想定しているのか分からないが、これまでの安倍首相の発言から推察すると、北朝鮮と中国ではないかと思われる。仮にそうであれば山口、秋田県が最適地で、365日、日本全域を守れるのだろうか。仮にいざ戦争になれば、同時に何十発ものミサイルが撃ち込まれ、イージス艦もイージスアショアも在日米軍も役立たないであろう。そのような想定をすれば、山口県と秋田県に防衛庁が強くこだわる理由が解せない。そこで地球儀を俯瞰してみると、山口県の延長線上の太平洋上には米国のグアム島があり、秋田県の延長線上の太平洋上には米国のハワイ諸島がある。何れにも重要な米軍基地が在る。

よってこの二つの米軍基地を攻撃するミサイルを日本上空で迎撃する目的も担っていることも推察できる。これが防衛省がこの両県に固執する理由ではなかろうか日本防衛が目的なら日本海上のイージス艦がベターなはずであり、既に航行中のはずである。山口県、秋田県では迎撃タイミングが地理的に遅いのではないかとの疑問が素人にも浮かぶ。秋田県での電磁波の人体への影響云々以前に日本防衛より米軍基地防衛のために日本の予算が使われようとしているのではないかとの疑問を野党には国会で追求して貰いたい。一方メディアにもこのことを精査して戴きたい。
 
0015 イージスアショアは何故山口県・秋田県なのか 厚顔 06/08 23:52
 
防衛省は現在イージスアショアの設置予定県の一つ秋田県での適地調査データーに誤りがあることを地元メディアから指摘され、防衛相が陳謝したと7日の朝日デジタルは報じている。
https://www.asahi.com/articles/ASM664JPLM66UTFK00G.html

また同日の朝日新聞社説(陸上イージス、ずさんな調査に驚く)は、『山口・秋田県へのイージスアショアの必要性について、防衛省の報告書は「24時間365日、日本全域を守り続けることができる」』と報じているが
、そう言い切れる説得力のある根拠は示されていない、と記している。
 https://www.asahi.com/articles/DA3S14046520.html?ref=opinion

問題は政府がどの国のミサイル攻撃を想定しているのか分からないが、これまでの安倍首相の発言から推察すると、北朝鮮と中国ではないかと思われる。仮にそうであれば山口、秋田県が最適地で、365日、日本全域を守れるのだろうか。仮にいざ戦争になれば、同時に何十発ものミサイルが撃ち込まれ、イージス艦もイージスアショアも在日米軍も役立たないであろう。

そのような想定をすれば、山口県と秋田県に防衛庁が強くこだわる理由が解せない。そこで地球儀を俯瞰してみると、山口県の延長線上の太平洋上には米国のグアム島があり、秋田県の延長線上の太平洋上には米国のハワイ諸島がある。何れにも重要な米軍基地が在る。よってこの二つの米軍基地を攻撃するミサイルを日本上空で迎撃する目的も担っていることも推察できる。これが防衛省がこの両県に固執する理由ではなかろうか

日本防衛が目的なら日本海上のイージス艦がベターなはずであり、既に航行中のはずである。山口県、秋田県では迎撃タイミングが地理的に遅いのではないかとの疑問が素人にも浮かぶ。秋田県での電磁波の人体への影響云々以前に日本防衛より米軍基地防衛のために日本の予算が使われようとしているのではないかとの疑問を野党には国会で追求して貰いたい。一方メディアにもこのことを精査して戴きたい。
 
0014 ベネズエラでクーデター失敗 流水 05/08 21:58
 
わたしは、“ベネズエラで進行している米国によるあからさまな政府転覆計画”で南米における米国主導で行われてきた「新自由主義的経済政策」と各国の自立した経済の戦いの歴史(特にチリ、ベネズエラなど)をかなり詳しく紹介した。

さらに、世界唯一の覇権国家としての米国の地盤沈下現象が、米国国内はもとより、世界に与える影響について何度も書いてきた。

その中で、繰り返し指摘したのが、「覇権国家」が「覇権国家」でなくなる(弱体化する)過程が最も危険であると言う点である。

サル山のサルの群れでも同じ事が起きるが、人間世界でも、圧倒的勢力(力)を持った勢力が弱体化すると必ずその権力に挑む次の勢力が現れる。「覇権」の交替期や「覇権」の多極化の前は、一触即発のせめぎあいが繰り返される。

今、世界で起きている事態は、「覇権」後退期の危険なせめぎあいの顕在化であり、米国国内の軍産複合体とネオコン流の世界を力で支配しようとする勢力と、もう世界から手を引いて国内に集中しようとする勢力とのせめぎあいである。

4月終わりに仕掛けられたベネズエラのクーデター未遂事件は、トランプ政権の国際的立場や信用を著しく傷つけた。

誰が見ても米国の傀儡であるフアン・グアイドとレオポルド・ロペス元防衛大臣が仕掛けたクーデターは見事に失敗した。

以前にも書いたが、過去の米国は、影響力を行使できる人材を使って国内クーデターを起こさせ、傀儡政権を樹立し、その政権を通して米国の利権を獲得していく手法をとっていたが、もっと上手く、もっと上品に、世界の人々が米国が背後にいることを感じさせないように緻密な策を講じていた。特にメディア工作は精緻を極めていた。

今回のように、外から丸見え、正体がバレバレの策を講じるなど、あまりにもお粗末。稚拙と言わざるを得ない。米国も「腕が落ちたな」と言わざるを得ない。

しかも、今回のクーデター。ベネズエラ政府にはめられた形跡すらある。天下のCIAも嘗められたものだと言わざるを得ない。

少し詳細に見てみよう。

@今回のクーデターの主役フアン・グアイドは、前の投稿“ベネズエラで進行している米国によるあからさまな政府転覆計画”で書いたように、東欧流カラー革命のノウハウを学び、いわゆる民主化運動を通じて、政権交代(革命ないしクーデター)を主導するように米国に育てられた米国子飼いの人物。その意味では、母国ベネズエラより米国で有名な人物。だから、彼が3ケ月前、自分が大統領だと宣言すると、ただちに米国が承認した。典型的な米国傀儡。もし、彼が権力を握れば、米国資本にベネズエラの石油権益を譲り渡すのは確実だろう。その為に送り込まれた人物。

Aもう一人の主役、レオポルド・ロペスは元防衛大臣。2014年、死傷者を出した暴動を指揮したかどで、自宅軟禁されていた。この監視が緩んだすきに娘と妻とともに逃げた。現在はスペイン大使館に避難している。グアイドを支持した兵士の一部もブラジル大使館に避難した。この二つの結果を見ただけでも、クーデターの失敗は明白。

Bでは何故失敗したか。こういう計画をする場合、仕掛ける側は、必ず体制側の有力者の協力を取り付けていなければならない。敵の内通者と裏切りが、クーデターのような体制転覆計画の成否を握る。特に軍関係が重要である。今回の場合も、それは、当然あった。ボルトンは、マドゥロ政権を内部分裂させるため、ウラディミール・パドリノ・ロペス防衛大臣を含めた政府幹部とグアイドとの極秘交渉を示唆していた。

ボルトンは具体的に、ベネズエラ幹部三人、国防大臣と、最高裁判所裁判長と、大統領警備隊指揮官に、グアイドの権力奪取を支援するよう要請したと述べた。

⇒当然だが、マドウロ政権側もこの試みをよく理解しており、普通なら政権幹部への働きかけを座視するはずがない。⇒ところが、働きかけができている⇒と言う事は、働きかけを受けた政権幹部は、マドウロ大統領に報告しており、大統領承認の上で話を受けていた、と推察できる。⇒しかし、彼らが裏切ると信じたグアイドや米国側は、クーデターを計画し、失敗した。⇒つまり、誰も裏切らなかったと言う事を意味している。

Cマドウロ大統領側は、クーデターを起こさせ、失敗させれば、グアイドやレオポルド・ロペスの信用は地に落ちる、と考えていたに相違ない。それはそうだろう。クーデターを起こし失敗すれば、それは、即、死を意味する。自らの人生をかけるのである。そんないい加減な人物に付いて行く馬鹿はいない。さらに言えば、グアイドの信用が失墜すれば、傀儡政権ができない。と言う事は、米国が直接介入する以外なくなる。

ところが直接介入できる「大義名分」がない。大義名分なしの介入は、さすがに国際的批判を招くことは必至。その上、ベネズエラは、国土はイラクやベトナムよりはるかに広大な上に、ゲリラ戦に持って来いの熱帯特有のジャングルが広がっている。

その上、強固な陸軍を持っており、ロシア提供のかなり強固な防空システムも持っている。もし、本格介入したら、20年単位の泥沼の戦争になるだろうと言われている。現在の米国にそれに耐えうる国力が残っているのかは、かなり疑問。

D上記のような事情も全て考慮に入れたうえで、マドウロ大統領側は、今回のクーデター劇を仕掛けたのではないか、と推察できる。わたしは、おそらくこれは、ベネズエラ政府を支えているロシアの軍事顧問団のアドバイスがあったのではないかと考えている。

失笑を買ったのは米国側である。マドウロ大統領が亡命寸前だったのをロシアが止めた、などという話など、事情を知ったものからすれば、噴飯ものだろう。

日本の政治家どもの劣化も酷いが、米国のCIAや軍産複合体連中の劣化も酷い。何でもかんでも脅せばどうにかなる、と考えて交渉をすれば、それは多くの人の信頼を得る事はできない。

まして、クーデターのような自らの人生をかける行為をするのである。どんなに虚構でも「俺は正しいことをしている」という大義名分が欲しい。クーデターで本当に得をする人間以外、それに参加する人間の多くはそう考えるはずである。
 
今回のように、選挙も何もしていないグアイドを大統領として認知するなどという行為は、誰がどう言い訳しても大義名分にはならない。たとえ、怪しげな選挙であっても、マドウロは選挙で大統領にえらばれているのである。

しかも、その選挙の時、マドウロ大統領側は国際的選挙監視員を受け入れると声明を出していたにも関わらず、それをしないで不正選挙と断ずるのは理不尽だろう。そんな事は承知の上で、グアイドを大統領にとごり押しでベネズエラ国民に押し付ける。誰がどう考えても、暴君以外の何物でもない。

ただ、ロシアのラブロフ外相が、ポンペオ国務大臣との会談で、かなり厳しく釘をさしていたのを見ると、巷間囁かれている噂がかなり信憑性があるのかもしれない。

それは、CIAがクーデターに失敗したグアイド国会議長を暗殺するのではないかという噂である。理由は単純明快。グアイド暗殺を政権側の仕業と決めつけて、武力侵攻をするのである。

こういう噂が立つのも無理はない。現在、ベネズエラに対する工作の中心人物は悪名高いエリオット・エイブラムス。彼は、2002年にベネズエラでクーデターを仕掛けた時の黒幕だった。彼は1980年代から南米の多くの秘密工作に加わっている。イラン・コントラ事件にも関わっている。暗殺などお手のものである。

彼については、櫻井ジャーナルの次の記事が詳しい。
 ・・・ベネズエラでクーデターに失敗した米政府の好戦派が自らの手先を暗殺する可能性・・・
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201905070000・・・・・

ただ、21世紀、世界は、過去のように米国のダブルスタンダードをそのまま受け入れるほど理不尽ではなくなるはずである。ベネズエラの民主主義を憂うなら、イスラエルのパレスチナに対する蛮行をなぜ非難しない。サウジアラビアの王政は、反民主主義的ではないのか。トルコでのジャーナリスト暗殺は、民主主義に対する敵対行為ではないのか。少なくとも、そんなサウジアラビアより、ベネズエラの方がはるかに民主主義的だろう。
 
だが、サウジやイスラエルに対しては、経済制裁はしないが、ベネズエラには極端な経済制裁を課している。

結局、米国の傘の下にある国は、どんな反民主主義的国家でも許され、反米国家はどんなに民主主義的であっても、許さない。これが米国のいう正義なのか。こういう米国のダブルスタンダードが、米国の国力が衰えるにつれてますます顕在化してくるはずである。

そして、この現実が顕在化するたびに、米国は苛立つ。何故なら、第二次大戦後、米国はそんな現実を顕在化させないだけの力があり、他国はそれが【覇権国家】の振る舞いだと諦めていたし、米国はそんな他国の思いなど歯牙にもかけていなかった。世界で最も嫌われている国家と言われても、「憎まれ子 世にはばかる」現実があった。

何度も言うようだが、覇権を失いかけている国家は、覇権を失わないためには、何でもする。常軌を逸した行為でもやりかねない。そんな米国にポチのごとく寄り添い、国益を提供する事によって政権を維持している安倍政権が延命する事は、日本の国益がしゃぶり尽くされる自殺行為に他ならない。
 
0013 新党、「れいわ新選組」への提言 厚顔 04/21 16:13
 
4月10日、小沢一郎議員と自由党の共同代表を務める山本太郎参議院議員が、「れいわ新選組」という政治組織を一人で立ち上げた。昨年10月24日の下記投稿の下から2段目の文節の終行で、

0007  >日米安保条約に代わる日本の平和と安全保障への道(永世中立国)(2)  厚顔   10/24 14:09  

これから期待したい三人の政治家の一人に山本太郎議員を挙げていたので ネットで検索したところ、
ユーチューブ https://www.youtube.com/watch?v=XzDpAnbmuG0

での記者会見ビデオと、「れいわ新選組」のホームページ  
https://www.reiwa-shinsengumi.com/  
https://www.reiwa-shinsengumi.com/
がみつかった。

記者会見では質問形式で記者の質問に政治信条や新選組立ち上げの理由や政策を真摯に語っている。また「れいわ新選組」という党名の由来と意味も詳しく述べられ、昨今○○民主党という政党が多いなか、党名はユニークで埋没することはないであろう。

問題は内政と外交と安全保障政策の中身である。ホームページで主な八政策を見ると、内政主導で他党よりユニークな内容ではあるが、今や内政はどの政党も予算バラマキのオンパレード政策で、自民党と野党間でも政策の違いの差は狭まり、他の政党に真似されたり、直ぐ対案を出されして、選挙になれば、有権者には違いが分からなくなり埋没するであろう。

そこで提言したいのは、将来政党として確立して行くには日本の安全保障と外交政策は欠かせない。しかし現段階では、「れいわ新選組」にはそれが不明確で、遅かれ早かれこの問題は有権者より他の政党やマスコミから厳しく問われるであろう。その場合、他党には簡単に真似のできない、現在の日米安保条約より優れた安全保障と外交政策の旗を提示して、論戦できる必要がある。また山本議員の弁舌であればそれは十分可能であろう

特に安倍内閣で集団的自衛権が閣議決定され、米国の戦闘や戦争に巻きこまれる可能性が否定できなくなった今、これまで日米安保条約で戦後の日本の安全が保障されて来たという論理は通用しない。さらに集団的自衛権の閣議決定で実質的に憲法9条の戦争放棄すら反故にされたと言えよう。よってこれまでとこれからの、日米安保条約下での日本の安全保障の比較が重要である。

なぜなら冷戦後も米国が敵視しているのは日本と地勢的に最寄りの中国・ロシア・北朝鮮であることはトランプ政権でも明白である。いざ米国と中・露・北朝鮮間で戦争が勃発すれば、在日米軍がある以上、日本政府は集団的自衛権を行使せざるを得なくなり、日米安保条約は日本の安全保障に本当に役立つのか疑問であり、むしろ危険になったと言えよう。中・露・北朝鮮は日本とは距離も近く、同時に何十発ものミサイル攻撃を受ければ、在日米軍やイージス艦や陸上用イージスアショアを全ってしても、原発や大都市の被害を完全に抑止することはできないであろう。

かつて米国と近距離にある共産国キューバを武力で打倒したかった米国もキューバのミサイル反撃を完全に抑止できないと見立てて、結局国交回復に至った経緯を見れば一目瞭然である。これからの日米安保条約は米国本土の安全には役だっても、中・露・北朝鮮から距離の近い日本の安全保障に果たしてなり得るのか、まして北朝鮮より優秀で強力な核ミサイルを持っている中・露を相手に在日米軍が日本の安全保障に役立つのか、中学生でも想像できるはずである。

また昨晩(20日)夜9時のNHKスペシャル、「自衛隊30年の変貌」を見たが、政府はPKOの名の下、自衛隊を危険と隣り合わせの地域に積極的に派遣し、また公海の航行自由の名の下、米国艦船と自衛隊艦船の海上共同訓練をしている。いつか来る集団的自衛権の行使を想定したものと疑われてもやむを得まい。

しからば日本の安全保障はどうするか、絶対に戦争をしないと言う誓いを、「第二の永世中立国」になって具体的に内外に示し、平和外交に徹することであろう。スイスは永世中立以来、国境は陸続きであるにも拘わらず他国から侵略されていない。これが中立国の安全保障の歴史的な証明である。専守防衛の軍隊をもちながらも、一方では多くの国連機関も誘致し、平和外交に徹しているからであろう。

しかしスイスには国民皆兵義務が在るらしいが、島国である日本は真似する必要は無い、中立国として日本なりの自衛隊で専守防衛への質的転換をはかれば大幅に防衛予算を削減でき、それを福祉政策に充当できるはずである。

日米安保条約を容認して他党に埋没するより、「れいわ新選組」にはこのことを提言して、日本の国土と国民の安全を護る旗を立てて貰いたい。

余談ながら、20日(土)夜9時のゴールデンタイムのNHKスペシャル、「自衛隊30年の変貌」は日米安保条約下での自衛隊の変貌について、国民に一つの警鐘を鳴らしてくれたと思う。このような放送時間でのドキュメンタリー番組こそ、最高裁が言う、「権力から報道の自由を護る為の視聴料の支払い義務」に値する内容であろう。今後も期待したい。




 
0012 日本政府の外交課題(北方領土と拉致被害者の帰属) 厚顔 11/22 21:11
 
北方領土と北朝鮮による拉致被害者問題は日本にとって不当に奪取された領土と拉致問題であろう。そしてどの政党が政権に就こうが避けては通れない外交課題でもある。

安倍首相もこの二つの外交課題は自政権で解決すると豪語しているが、ロシアの反応は鈍く、北朝鮮からは無視されて苦戦している。そして先日のシンガポールでの安倍・プーチン会談で、安倍首相はファーストネームで呼び合う程親近感のあるロシアのプーチン大統領に、『歯舞・色丹に「米基地置かぬ」』と語ったと、11月16日の朝日新聞朝刊は1面トップの見出しで報じ、朝日デジタルも下記『 』ように報じている。

https://www.asahi.com/articles/ASLCH4TZMLCHUTFK00S.html?iref=pc_extlink
  2018年11月16日、

 『北方領土に米軍、プーチン氏警戒 安倍首相「誤解だ」

 日ロ領土交渉における三つの課題
北方領土をめぐる日ロ交渉で、返還後の島に米軍基地を置かない考えを日本がロシアに伝えていたことが明らかになった。安倍晋三首相はロシアが長年抱く米軍基地への懸念を取り除くことで局面を打開し、歯舞(はぼまい)群島と色丹(しこたん)島の2島先行返還を軸に交渉加速を狙うが、2島の主権や国後(くなしり)、択捉(えとろふ)の帰属など難題が待ち受けている。』


ところで小生は北方領土返還問題で10月24日付け下記スレッドの*その他の項で、日本が中立国になれば、北方領土返還交渉も容易になると投稿「 」している。

0007  >日米安保条約に代わる日本の平和と安全保障への道(永世中立国)(2)  厚顔   10/24 14:09     
     
*その他

「・中立国になれば、ロシアの北方四島返還拒否の最大の理由と思われる領土返還後の在日米軍基地建設の可能性はなくなり、またロシアが択捉島で軍事訓練をする必要もなく、今までより返還交渉が容易になるはずである。そして返還後はロシア現住民の50年間の居住を認めながらサハリン、ハバロスク方面への経済援助に注力し、そちらへ北方領土のロシア住民が移住し易い環境を造る。」

東西冷戦時代のソビエト時代から現在のロシア時代になっても米ロ間の安全保障上の不信感は解けず、昨今では中距離ミサイル開発競争が再燃している。またメディアが報じているとうり、日米安保条約が北方領土返還問題解決のネックであることは今回の安倍・プーチン会談で改めて明白になった。

特に米ロ間の安全保障の問題は日本が考えている以上に熾烈な根深い競争があると思われる。一方で日ロ首脳の関係は安倍・プーチン氏がファーストネームで呼び合う程、日ロ歴史始まって以来の緊密な関係に在る。それだけに逆に日本が日米安保を維持しながら北方領土返還交渉をすることは限界が見えたと言える。国家間には各々歴史上も利害関係があり、個人的人間関係で解決できる問題には限界があると言うことである。日米安保条約は東西冷戦の産物で在り、もしかすると北朝鮮の拉致発生も冷戦時代の事件であり、その解決にも陰を落としているかも分からない。

いずれにしろ、今回の安倍・プーチン会談で日米安保条約と北方領土問題は両国にとって相対立する問題と再認識すべきであろう。ロシアにとって交渉相手の日本が対立する米国と安全保障条約を締結しているのに,戦略上の要衝である島々を返還できるはずがあるまい。これは国際常識ではあるまいか。

よって日米安保条約維持政権には北方領土返還は今後とも無理であろう。野党は政権についたらこの問題をどう解決するつもりであろうか。自民党政権の二の舞か、それとも永世中立国になり返還交渉するしかないと思うのだが・・。

 
0011 >>日米安保条約に代わる日本の平和と安全保障への道(永世中立国)(2) 厚顔 11/13 22:44
 
10月24日、表題の投稿の「*永世中立国としての基本理念と基本体制」の中で、人口減少問題について、次の「 」内の投稿をしている。 
     
「・税制を抜本改革し既存予算枠を変え、国民生活と企業経営が両立できる予算編成をし、人口減少に歯止めをかけ、最低一億五千万人の人口を目指し、国、地方の赤字財政を改善し、社会保障費負担の人口逆ピラミッドを解消し、一方で円高メリットで国民経済と企業が成り立つよう方向転換する。」

一方現在国会では、与野党間で「外国人労働者受け入れ拡大に伴う出入国管理法改正案」が議論されている。この様な法案が提起される根本原因は何かと言えば、昭和46年〜49年の第二次ベビーブーム(年約200万人出生)から平成29年に出生数が94万人まで減少し続けている日本の人口減少問題と東日本震災復興工事で人手不足の処にオリンピック開催を誘致して建設工事が増え、更にその後、熊本震災や岡山水害、北海道東部地震等で労働不足が重なったものである。

前者の人口減少問題は内閣府の出生数減少推移の統計グラフ(下記URL)を見ても明らかである。一方後者の労働力不足問題はオリンピック開催が決定した段階で予測されていた。

http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/data/shusshou.html

ところが政府与党は老若人口の逆ピラミッド化で将来の社会保障も危機に直面しているにも拘わらず、根本対策を棚に上げし、定年制の延長や年金支給年齢の引き上げなど目先の対症療法で凌ごうとしている。また今回の、「外国人労働者受け入れ拡大」もそうである。

一方野党もその策に乗せられ、その受け入れ条件の是非、適否、内容、方法等の枝葉末節議論にのめり込み、生煮え法案云々の議論をしている。いずれも対症療法であり、外国人労働者移住で日本人口の逆ピラミッド問題とそれに起因する将来の社会保障不安の根本問題が解決できるはずもあるまい。

これからどうしたら人口が増やせるのか、増えるのか、人口の逆ピラミッド問題は、例えば男女の晩婚化、独身貴族の美名に隠された結婚生活が描けない終身雇用制の崩壊、また大学は出たけれど就職氷河期に遭遇し、正規社員に成れずに、一生非正規社員で結婚を諦めざるを得ない若者の問題、にも拘わらずその後非正規社員制が制度化され、厚労省の統計(下記URL)によれば平成元年には817万人だった非正規社員数が平成29年には2036万人に増加していること等への反省と根本対策が必要であろう。
https://www.mhlw.go.jp/content/000179034.pdf#search=%27%E9%9D%9E%E6%AD%A3%E8%A6%8F%E7%A4%BE%E5%93%A1%E6%95%B0%27

このように労働行政が疲弊した根本原因は何かと言えば、省庁再編による労働省と厚生省の合体による労働行政の弱体化であろう。労働省が独立している頃は自民党にも労働行政に精通しILO条約批准に奔走した大物政治家(石田博英等)も居た。合併後は労働より厚生行政に重点が置かれ労働行政は軽んじられているように見える。しかし厚生行政面も杜撰な年金行政(消えた年金問題)を生んでおり、もう一度労働と厚生行政は国民のセフティーネットに関わる省庁であるから分離独立し出直すべきであろう。このような根本問題を野党は追及すべきである。 

ところが現状は与野党供に対症療法に終始し、根本対策をとらずにお茶を濁している。これが日本の与野党の頼りにならない半端な現状である。即ち小手先の中途半端な政策でごまかす手法なのである。これも戦後レジームの悪弊であろう。これでは21世紀の日本の内政外交の安全保障は描けない。

このような政治のマンネリ環境から抜けるにはどうすれば良いのか、先ず野党が自国の安全保障を自国で考える旗を立て国民の信を問うビックリ政策がてっとり早いと思う。

具体的には自民党が閣議で策定した集団的自衛権行使で戦争のできる国にするのではなく、戦争ができにくい永世中立国を目指し、そして日米安保条約も終了させ、不戦と平和外交を楯に自国の安全保障を目指す意識を国民に呼びかけ、政策は何事も根本対策を先ず提示する政策手法の違いを訴え、国民の政党や政治を見る目と意識改革を促して貰いたいものである。

そのスローガンとしては、[日本の安全保障は日米安保条約より永世中立で!」、「野党は根本対策政党、自民党は小手先対策政党!」というイメージである。



>・税制を抜本改革し既存予算枠を変え、国民生活と企業経営が両立できる予算編成をし、人口減少に歯止めをかけ、最低一億五千万人の人口を目指し、国、地方の赤字財政を改善し、社会保障費負担の人口逆ピラミッドを解消し、一方で円高メリットで国民経済と企業が成り立つよう方向転換する。
 
0010 世界を巻き込む中国と米国の貿易戦争の真の狙い!(3) 流水 11/09 11:00
 
(3)貿易戦争と日本

この貿易戦争は、一つ間違えれば、米中戦争に発展しかねない危険性をはらんでいる。しかし、米中とも一歩も引くつもりはない。【時代の転形期】の終焉をどのような形で迎えるかは予断を許さない。

トランプ大統領が口火を切った米中貿易戦争は、大方の予想では、簡単には終息しない。そして、トランプ大統領の目的の一つに覇権従属国のふるい落としがあると考えられる。

当然、同盟と言う名の従属国の筆頭である日本もそのターゲットになる。それが先日行われた日米会談で如実に出てきている。安倍首相は、これから本格的交渉に入るなどと、トランプ大統領に押しまくられ、かなりの譲歩を強いられている。トランプは、「晋三は脅しに弱い」と嘯いているなので、相当譲歩をしたのだろう。

少し、日米共同宣言の内容を見てみよう。

・・・・・・・・・・・・
★「日米共同声明」9月26日、日米首脳会談

1.2018年9月26日のニューヨークにおける日米首脳会談の機会に、我々、安倍晋三内閣総理大臣とドナルド・J・トランプ大統領は、両国経済が合わせて世界のGDPの約3割を占めることを認識しつつ、日米間の強力かつ安定的で互恵的な貿易・経済関係の重要性を確認した。大統領は、相互的な貿易の重要性、また、日本や他の国々との貿易赤字を削減することの重要性を強調した。総理大臣は、自由で公正なルールに基づく貿易の重要性を強調した。
 
2.この背景のもと、我々は、更なる具体的手段をとることも含め、日米間の貿易・投資を更に拡大すること、また、世界経済の自由で公正かつ開かれた発展を実現することへの決意を再確認した。
 
3.日米両国は、所要の国内調整を経た後に、日米物品貿易協定(TAG)について、また、他の重要な分野(サービスを含む)で早期に結果を生じ得るものについても、交渉を開始する。
 
4.日米両国はまた、上記の協定の議論の完了の後に、他の貿易・投資の事項についても交渉を行うこととする。
 
5.上記協定は、双方の利益となることを目指すものであり、交渉を行うに当たっては、日米両国は以下の他方の政府の立場を尊重する。
  −日本としては農林水産品について、過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限であること。
 
 −米国としては自動車について、市場アクセスの交渉結果が米国の自動車産業の製造及び雇用の増加を目指すものであること。
 
6.日米両国は、第三国の非市場志向型の政策や慣行から日米両国の企業と労働者をより良く守るための協力を強化する。したがって我々は、WTO改革、電子商取引の議論を促進するとともに、知的財産の収奪、強制的技術移転、貿易歪曲的な産業補助金、国有企業によって創り出される歪曲化及び過剰生産を含む不公正な貿易慣行に対処するため、日米、また日米欧三極の協力を通じて、緊密に作業していく。
 
7.日米両国は上記について信頼関係に基づき議論を行うこととし、その協議が行われている間、本共同声明の精神に反する行動を取らない。また、他の関税関連問題の早期解決に努める。
 ・・・・・・

ポイントは【6】にある。

●知的財産の収奪、強制的技術移転、貿易歪曲的な産業補助金、国有企業によって創り出される歪曲化及び過剰生産を含む不公正な貿易慣行に対処するため、日米、また日米欧三極の協力を通じて、緊密に作業していく。

この国がどこか。誰がどう読んでも、中国を指していることは明らか。では、この「不公正な貿易慣行に対処するため、日米、日米欧三極の協力を通じて緊密に作業していく」とは何を意味するのか。

このヒントは、新NAFTA(USMCA)協定にある。

・・・・・・・・・第32条 例外と一般規定・・・・・・
 第32.10条 非市場国とのFTA
 
1.USMCA締約国の一ヶ国が非市場国とのFTAを交渉する場合、交渉開始の3ヶ月前に、他の締約国に通知しなければならない。非市場国とは、本協定の署名日前に締約国が決定した国である。
 
2.非市場国とFTA交渉を行おうとする締約国は、他の締約国から請求があれば、可能な限りの情報を提供すること。
 
3.締約国は、他の締約国がFTA協定と潜在的な影響を調査するため。署名日の30日前に他の締約国がFTA協定の条文、附属書、サイドレターなど見直す機会を与えること。締約国が機密扱いを要求する場合、他国は機密保持を行うこと。
 
4.締約国が非市場国とFTAを締結する場合、他国は6ヶ月前の通知により、本協定(USMCA)を終了し、残りの二国間協定とする。
 
5.二国間協定は、上記締約国との規定を除き、本協定(USMCA)の構成を維持。
 
6.6ヶ月の通知期間を利用して、二国間協定を見直し、協定の修正が必要か決定する。
 
7.二国間協定は、それぞれの法的手続を完了したと通知してから60日後に発効する。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この非市場国とはどこか。 ロス商務長官はこの非市場国が中国であることを当然の前提としている。

つまり、中国との貿易交渉を行う場合、あらかじめ他の二国に通知し、交渉に関する情報を提供しなさい。中国との貿易協定を結んだ国は、USMCAから離脱される。

つまり、カナダ・メキシコは、勝手に中国と貿易協定を結べない条約になっている。これは国家の主権を制限する条項であり、カナダ・メキシコはいわば【毒薬=ポイズン】を飲んだのと同じ。その為、この種の条項を【毒薬条項】と呼ぶ。

日米共同声明を読めば、この新NAFTA条約=USMCAと同じ【毒薬条項】を飲まされる危険性はきわめて高い。そうなれば、日本は中国との貿易大きく制限される。

日米FTAは、日本に対して「お前は米国か中国のどちらを選択するのか」という究極の二者択一を迫るものである。この選択は日本にとってきわめて厳しい。

中国は巨大な経済力を持つ大国。このまま行けば、そう遠くない将来、GDPでも米国を抜いて世界一になるのは確実だろう。安倍政権以降の関係の冷え込みの中でも、中国との貿易高は米国を上回る。現在でも中国抜きに日本経済の成長など考えられない。

さらに言えば、中国は13億とも15億ともいわれる人口を持つ。しかも、広大な領土も所有している。そのポテンシヤルの大きさは米国の比ではない。米国を選択して中国と関係を断てば、日本は間違いなく没落するだろう。ネトウヨでない日本人ならこの損得勘定は誰にでもできる。

田中宇は、以下のように分析する。
・・・「トランプは、このような同盟諸国のお得な状況を破壊している。トランプは、自由貿易体制が米国に不利益を招いていると言って、同盟諸国が無関税で米国に輸出したり、同盟諸国が中国と自由貿易協定を結ぶことに反対している。」となる。・・・・田中宇の国際ニュース解説」の「中国でなく同盟諸国を痛める米中新冷戦」(2018年10月16日)

さらに彼はこう述べる。
・・・「改定後のUSMCAは、改定前のNAFTAに比べて「米国主導」の色彩が強い。米国が北米の地域覇権国であり、中国が東アジアの地域覇権国であるという、きたるべき多極型の世界体制を先取りしているのがUSMCAだ。USMCAの東アジア版が、中国主導の貿易協定であるRCEPだ。カナダやメキシコに対する米国の支配強化が許されるのなら、東南アジアや朝鮮半島に対する中国の支配強化も許される。それがきたるべき多極型世界のおきてだ。 」・・同上

さらに田中はこう述べる。
・・・「加えて今後、米国から同盟諸国への安全保障の「値上がり」も続く。日本は米国から「在日米軍に駐留し続けてほしければ、貿易で譲歩しろ」と言われ続ける。日本の官僚独裁機構(とくに外務省など)は、対米従属(「お上」との関係を担当する権限)を使って国内権力を維持し続けているので、米国からの安保値上げ要求を無限に飲んでいきそうだ。」・・同上

 田中の分析は、安倍政権のトランプ政権(米国)に対する「従属外交」=「属国外交」=「ポチ外交」の本質を見事に分析している。

(4)日本に手はないのか。

トランプ政権の中国政策は、10月4日のペンス副大統領が中国をあらゆる部門で猛烈に非難する演説を行ったところから、明らかに新たな段階に入った。いわゆる「新冷戦」の始まりである。

米国の方針は、日欧英とも二国間貿易協定(FTA)を開始。これらの交渉を通じて、日欧英が中国との貿易協定を結べないようにする【毒薬条項】を入れるように要求する予定。

一言で言えば、「米国と同盟関係を続けたいのなら、中国と貿易するのは止めろ。中国と貿易したいのなら、米国との同盟関係を止めろ」と言っているのである。

トランプは米国の各研究所や大学から中国人研究者を追い出せとまで言っているように、反中国路線(新冷戦)は広範な範囲に及んでいる。

この対中冷戦路線は、米支配層(特に軍産複合体)に潜在的に存在する反中路線とも呼応しており、簡単には終わりそうにない。11月4日から始まるイラン制裁強化と相まって中・ロ・イランVSアメリカの冷戦構造が出来上がりつつある。

この大きな流れの中で起きたのが、サウジアラビアのカショギ暗殺事件であり、イラン原油の輸入を8ケ国には認めるという決定である。

田中にいわせれば、この決定はこうなる。
・・・「世界は、対米従属を強めるどころか、逆に「石油高騰が耐えられず、トランプは本気でイラン制裁できないな」と思っている。今後トランプが再びイランを本気で制裁しても、露中EUは非ドル化された決済機構で迂回し、制裁が効果を発揮できない。トランプが押したり引いたりを繰り返すほど、BRICSやEUは迂回する術を身につける。その術は「不正行為」でなく逆に、国際法違反のイラン制裁をはねのける「正当防衛」だ。トランプは、米国覇権を失墜させている。」・・・(土壇場でイラン制裁の大半を免除したトランプ)
https://tanakanews.com/

★日本も手をこまねいているわけではない。

10月25日安倍首相は中国を訪問した。米国との対峙をやむなくさせられている中国側は、手のひら返しで安倍首相を歓待した。「豚もおだてりゃ木に登る」。この種のおだてに弱い安倍晋三は、満面笑顔で大喜びしていた。

実は、トランプ大統領のアメリカファースト政策により始まった対中貿易戦争は、日本も対岸の火事ではない。特に自動車業界にとっては死活問題と言っても過言ではない。

もし、自動車関税が20%になったら、トヨタなど自動車業界にとってきわめて重大な影響を齎す。もし、トランプ大統領のいうように、さらに生産拠点をアメリカに移したら日本の雇用にとって大問題になる。最近、トヨタがソフトバンクと業務提携を結ぼうとしているのは、電気自動車問題だけでなく、このような経済情勢の大変化が前提になっている。

今回の中国訪問は、このような経済界の危機感を背景にして行われた。日本は中国敵視より、中国協調、日中貿易強化の方向に舵を切った事を意味する。7年ぶりに中国を訪問した安倍は、尖閣諸島・東シナ海問題を事実上棚上げした。そして、東シナ海ガス田の共同開発についての日中交渉を再開することで中国側と合意した。

この政策変更は、きわめて重要で、米中貿易戦争に与せず、日中貿易優先に舵を切ったことになる。

実は、今回の安倍訪中。総勢500人にも及ぶ随行団が一緒に訪中している。彼らの大半は、経済人。安倍政権が主体的に舵を切ったというより、大企業主体の日本経済界が、中国なくしては生きていけないという意思表明。中国の「一帯一路政策」「製造2025」などの諸政策に日本も積極的にコミットします、という経済界の意思表示である。

この政策変更には、官邸内部の外交の主導権争いが背後にある。中国重視政策に舵を切ったのは、経済産業省主導の外交方針。

外務省は伝統的に米国隷属方針。米国産軍複合体の意向を配慮するのが外務省の伝統的立場。この方向性から言えば、今回の安倍訪中はきわめて問題が多い。

おそらく、官邸内部で外務省と経産省との主導権争いが熾烈を極めているはず。それが図らずも露呈したのが、「これからの日中関係の道しるべとなる3つの原則を確認した」――。と安倍首相が日中会談の成果をどや顔で強調した事に対し、外務省がやっきになって火消しに走っている点である。

ちなみにこの三原則とは以下の方針を指す。
(1) 競争から協調へ
(2) 互いに脅威にならない
(3) 自由で公正な貿易体制の発展

しかし、外務省は、「一連の会談で「三原則」との言葉でこれらの方針に言及したことはない」と否定している。翌27日にも「三原則」という言葉を否定している。

まあ、これは功を強調したい安倍首相の勇み足だろうが、外務省はとにかく今回の日中会談の成果をできるだけ小さいものにしたいという意図が滲み出ている。

●一つはトランプ政権(米政権)との関係の悪化を避けたい⇒中国との貿易戦争はトランプ政権にとっても生きるか死ぬかのぎりぎりの戦い。その敵と嬉しそうに握手をしている安倍晋三をトランプがどう思うか。彼の怒りに火をつければ、自動車関税20%の悪夢が現実になる。日本経済の落ち込みが現実になる。現にワシントンポストは「トランプ氏の盟友、日本の首相が中国首脳にすり寄ろうとしている」と報じている。

●中国の習近平首相の顔が象徴しているが、日中関係の悪化の大きな要因は、安倍首相の対中包囲網外交。オバマ政権晩期ごろからの米戦略に積極的に加担してきたのが安倍政権。これがうまくいかないと中国に縋りつく。中国も対米貿易戦争がなければ、積極的に仲良くする相手ではない。こういう複雑な思いが習近平のぶつ仏頂面に現れていた。この事は外務省も良く分かっている。

しかし、中国は自由貿易拡大に旺盛な意欲を示している。トランプ大統領が「アメリカファースト」を言い募り、保護貿易的自国有利な関税障壁を設けることも厭わない姿勢を見せれば見せるほど、中国は、「自由貿易」の旗手としての立場を鮮明にしている。習近平主席は、今後15年で物品とサービスで約4,500兆円超輸入するに見通しだと表明している。日本企業は、このビッグビジネスチャンスを指をくわえて見逃すわけにはいかない。

しかし、現実的には安倍政権の米政府に対する隷属ぶりから判断すると、指を咥えて見逃す可能性が高い。当然、経団連や経済団体は、安倍政権に働きかけ、中国との交渉に消極的な安倍政権の尻を叩いたと考えられる。

その際の窓口が経済産業省。米国隷従が省是の外務省は当然良い気持ちはしない。これが、「三原則」の話があった、なかった、論争につながった、と考えられる。

★【米中間選挙】後の米中貿易戦争と対日TPA交渉の行方

米中間選挙の結果は、上院が共和党が過半数を制し、下院が民主党が過半数を制し、両者痛み分けの結果になった。トランプ大統領にとっては、まずまずの結果だと考えられる。(自らの再選戦略から見た選挙結果という視点)

【客観的影響】
@内政面⇒トランプ流政策(壁の建設とかオバマ・ケアーの形骸化など)の実現は難しくなる。
A内政面⇒トランプ氏のスキャンダル追及が厳しくなる。⇒ロシア疑惑、スキャンダルもみ消し疑惑等々。⇒常に大統領弾劾のリスクが付きまとう
B外交面⇒大統領再選戦略からすれば、外交でのポイント稼ぎが重要⇒北朝鮮との関係での進展が見られる可能性がある。⇒朝鮮戦争終戦宣言⇒在韓米軍撤退の可能性
C外交面⇒中国との貿易戦争は継続(軍産複合体との利害関係一致。民主党にも対中強硬派が少なからず存在(軍産複合体の影響を受けた議員が多数存在)。⇒そのため、米中貿易戦争は継続する。
D外交面⇒対イラン経済制裁強化⇒強硬にやれば、米国の影響力がかなり削がれる⇒中国・ロシア・EU・インドなどは従わない⇒石油のドル決済(ペトロダラー)がますます減少⇒米国の覇権の力が減退。⇒覇権国家としての中東の仲介者の役割がなくなる⇒中東の覇権がロシアに移る
E外交面⇒ロシアとの確執の増大⇒INFの離脱の影響は甚大⇒例えば、北朝鮮やイランに対して核開発禁止を強要し、経済制裁を行う倫理的道徳的根拠が喪失⇒米国のダブルスタンダードが明らかになる⇒※全てが米国の都合という覇権国家のタイラント(暴君)ぶりが世界中に明白になり、米国の信頼感喪失につながる。

その他、挙げればきりがないが、米国と言う国家が完全な曲がり角にある事が明白になっている。私流に言うと、覇権国家が覇権から降りようとしているための【悪あがき】が世界中に影響を及ぼす時代に突入したのである。

これからの世界は、まさに【転形期】のカオスに突入したといって過言ではない。(完)
 
0009 世界を巻き込む中国と米国の貿易戦争の真の狙い!(2) 流水 11/09 10:30
 
(2)トランプ大統領の狙いと米国戦略

以前にも指摘したが、覇権国家が覇権国家であり続けるためには、軍事力だけでなく、経済力でも世界を圧倒する力がなくてはならない。米国にとって、自らの覇権力を弱体化させる国家の台頭は抑えなくてはならない。巷間言われる、「NO2を叩け」は、米国の中心政策。特に軍産複合体にとって自国の軍事力がNO1である事が、利益を最大化する重要なポイント。その為なら、どんな謀略でも行う。

(※現在、米国の軍需産業はロシアの武器販売を巡って熾烈な争いを展開している。特に、MD(ミサイル防衛システム)では、米国はロシアに後れを取っている。トランプ大統領がINFを脱退したのも米国の武器の遅れが背景にあると言われている。実は、トランプ大統領の決定はロシアにとってそれほどの打撃ではない。ロシアのミサイルの凄さは、大陸間弾道弾にある。特に、今年発表されたミサイルには、多くの核弾頭が取り付け可能。一発のミサイルから、十発前後の核弾頭が降り注ぐように設計されている。このミサイルは現在の技術では、迎撃不可能とされている。もし、核戦争になれば、米国は無傷どころの騒ぎではなく、完全に破滅する事も視野に入れる必要がある。米国のネオコン連中はその危険性を軽視している。)

米国の覇権力が突出していた時は、「NO2」を叩くにしても、紳士的に行う余裕があったが、覇権力の低下とともに余裕がなくなり、タイラント(暴君)的手法を採るケースが多くなった。

そこへトランプ大統領が登場した。彼はオバマ流の紳士的手法を徹底的に嫌う。むき出しの力の手法で米国利益のみを追求する。これが世界中を混乱に陥れる。

その象徴的なものが、各国製品に法外な関税をかけると脅し、米国に有利な貿易協定(FTA)を国別に結ぼうとするやり口。例えば、メキシコとカナダをターゲットにしたNAFTAの改正交渉。この力を背景にした強引な手法は、世界各国の首脳たちの眉を顰めさせた。世界各国は、WTOの国際協定や貿易慣行を完全に無視した米国の強引なやり口を見せられると、米国からの独立(自立)を模索せざるを得なくなる。

このような米国の暴君ぶりに対して、先に書いた米国ドルが世界の基軸通貨である事を保証している【ペトロ・ダラー】に対する挑戦など、中国・ロシアなどを中心にして始まっている。中国やロシアは、すでにドルを使わずに石油取引の決済を始めている。

トランプ大統領がイランとの核開発停止合意を破棄し、イランに対する経済制裁を再開した。イラン石油との取引をしないように各国に圧力をかけている事に対し、EUもまたイランとの石油取引にドルを使わないで行おうとしている。ここでも「ペトロ・ダラー」の威力が崩壊し始めている。

田中宇は、このような現象を以下のような見方で解説している;

・・「この戦争が長く続くほど、新興市場の諸国は、ドルでなく自分たちの通貨を使って貿易・投資する体制を整えていく。いずれ、ドルと米国債が敬遠される傾向が増し、米国債金利の大幅上昇が不可避になり、ドルが基軸通貨としての機能を喪失する。トランプは、この流れを意図的に作っている。」・・ドル覇権を壊すトランプの経済制裁と貿易戦争
https://tanakanews.com/

田中宇は、トランプ大統領は、米軍産複合体が主導する「米国一国覇権体制」を意図的に破壊する政策を採り、「覇権」からの脱却を狙っていると解釈している。

その方法としてきわめて過激な政策を打ち上げ、それを実践することにより、これまで紳士的外観の裏に隠されていた米国の本音を白日の下にさらした。その結果、これまで米国に従属的だった世界各国に自立を促している、と解釈している。

トランプ大統領の真の狙いは、軍産複合体が主導する米国の支配体制を崩壊させることだ、というのが、田中の解釈である。米国政治の混乱は、トランプ大統領と軍産複合体との暗闘にある、というのが彼の解釈である。

★そこで、問題は中国との貿易戦争である。

2018年4月16日に米商務省は、中国の大手通信機器メーカーZTEへの部品(ICチップやソフトのすべて)輸出を禁ずる行政措置を取った。中国の半導体輸出量は、今や世界一。ところが、半導体制作のための部品輸入量は90%。この部品輸入を止められたため、ZTEは大変困った。

輸出禁止の名目は、対イラン制裁法令に違反した社員を処分する約束を履行していないと言う事だが、これが名目に過ぎないことは誰の目にも明らか。中国では、米国の禁止措置は対中ハイテク産業を狙い撃ちにするものという見方が定着している。

先に書いた【製造2025】は、この部品輸入90%の現実を2025までに国内生産70%程度までにするという目標を掲げている。米国の禁止措置は、この中国の目標が達成できる前に先手を打って中国を叩いておく、という狙いがある。

10月18日のIWJの岩上安身のインタビューで、孫崎亨氏(元外務官僚)は、以下のような認識を語った。

•購買力平価に換算したGDPでは、中国はすでに米国を抜いた
•米国が20世紀の100年で使ったコンクリートを中国は僅か20年で消費した
•中国の時速300キロの高速鉄道の総延長は世界の高速鉄道の総延長に匹敵する
•米国が?年かけて作る大橋を中国は43日(?)で完成してしまう
•特許の取得件数(だったか?)も米国を凌駕している

孫崎氏は中国経済がこの数年で一変するであろうと述べている。

さらに、ロシア主導の【ユーラシア経済連合】がすでに動き始めている。中国主導の【一路一帯】構想とロシア主導の【ユーラシア経済連合】が融合すると、ユーラシア大陸全域を包含した経済圏ができる。極東地域の経済的ポテンシャルは歴史上最も高まっていると言って良い。長期的視点から見ると、世界経済の中心が完全にアジアに移りつつあることは確実。

★米国の対中国貿易戦争の狙いは、このような中ロ主導の【一路一帯経済構想】や【ユーラシア経済連合】などの計画を阻止するところにある。

中国専門家の遠藤教授が語っていたが、中国の【一路一帯構想】は、陸と海と空の覇権だけでなく、宇宙の覇権まで視野に入っているそうだ。遠藤教授は「大風呂敷に聞こえるかもしれないが」と断っていたが、中国の覇権意欲はこれだけ旺盛だと言って良い。

ただ、ここで注意しなければならないのは、中国の覇権意欲は、【世界覇権】ではなく、【地域覇権】だと言う事。習近平が米大統領との会談で何回か打診している太平洋を二つに分けて支配しようと言う構想が象徴的。米国の覇権は、それに対して【世界覇権】であり、覇権の多様性を認めない。そこが決定的に違う。

米国はその違いをあまり認識していない。「覇権」と言えば、「世界覇権」を意味すると考えている。だから、彼らは、中国の【製造2025】、【一路一帯】構想は、明確に米国【覇権】に対する挑戦と捉えており、それに対する先制攻撃を仕掛けた。これがトランプ大統領が始めた【貿易戦争】。

そして、この【貿易戦争】は、軍産複合体の同意を得ており、おそらくトランプ在任中続く見込みである。中国のアリババの会長は、30年は続くと語っている。(続く)
 
0008 世界を巻き込む中国と米国の貿易戦争の真の狙い!(1) 流水 11/08 21:57
 
トランプ大統領が仕掛けた米・中貿易戦争の影響が様々な局面で表面化している。

NYダウの急落、日本や世界の株価の急落。トランプ大統領は、FRBの金利引き上げ政策のせいにしているが、原因はトランプ自身の政策にある。

以前から何度も指摘しているが、現在の世界は【転形期】にある。【転形期】の世界の特徴は、覇権国家の力が衰え、これまでの秩序が崩れ、想像もつかない現象が次々と起きるとろにある。

問題は、前の覇権国家とその後を襲う次の覇権国家との争いは、彼らの図体がでかいため、その他の弱小国家にとって死活的影響を及ぼす。その為、彼らの争いを高みの見物でやり過ごすわけにはいかない。

やくざ組織でもそうだが、「覇権国家」が「覇権」を滑り落ちようとするとき、様々な【悪あがき】をする。最終的には、【戦争】も辞さない。はた迷惑な話で、これが一番困る。

こういう時は、できるだけ近づかないようにするのが、賢明な策だが、「覇権国家」と交流を断つわけにはいかない。特に日本は、太平洋を挟んで、中国と米国の間に位置する地政学的に重要な位置にある。

さらに、中国と米国との貿易は日本の生命線。両国との貿易が途絶えれば、日本は生きては行けない。これが日本の置かれた宿命。

とするならば、この「宿命」にどう向き合い、どう生き延びるか、が日本の指導者や支配層の絶対的な命題である。この「命題」を解くのにふさわしい能力と資質を備えた指導者を選択する目が日本国民に課せられた最重要な【命題】と言う事になる。

この中国・米国との貿易戦争が今や【新冷戦】として喧伝され、両国間の戦争まで囁かれるほど拡大し続けている。ここでの対応を間違うと、日本の命取りになりかねない。これまでは、両国との間のグレーゾーンをうまく立ち回り、儲けてきたが、これからは米中どちらかにシフトチェンジを迫られる可能性が高い。まさに、日本は【正念場】に立たされている、と考えたほうが良い。

こういう場合は、とにかく情報が第一。正確な情報を基に、冷静で客観的な分析を心掛けねばならない。さらに重要なことは、最悪の事態を想定して、対策を講じておく必要がある。21世紀の日本の命運がかかっていると覚悟して、性根を据えて準備しなければならない。

★まず、中国との貿易戦争に対する米国の狙いは何か、である。

一言で言うと、【IT産業分野】での覇権争いが最大の要因。

中国と言う国は、もともと社会主義国。社会主義国は、計画経済は得意技。
彼らは、長期的スパーンで、IT産業部門だけでなく、製造業部門で世界の強国を目指している。それが「一帯一路」政策と「中国製造2025」である。

(1)中国製造2025とは何か

その基本計画が、【中国製造2025】。英語流に言えば、【MADE IN CHINA 2025】 。これは別に中国だけでなく、ドイツは「インダストリー4.0」。アメリカは「インダストリアル インターネット」という計画を持っている。

特にドイツの「インダストリー4.0」は、官民共同で作成されており、「第4の産業革命」と呼ばれるほどのインパクトと先進性を持っている。日本でも昨年あたりからよく語られ始めたA1などの研究がそうである。おそらく、この研究などで21世紀の社会は激変するに相違ない。(これについては,稿を改める)

【中国製造2025】は、2015年に発表され、2025年までの中国製造業発展のロードマップである。当然、このような世界の趨勢をにらんだ計画になっている。

この計画はきわめて具体的で明快。まず、【5つの基本方針】を策定。それを実施するための【4つの基本原則】がある。そして、中国が最終的に製造強国になる目標年度を2049年に設定。その間を3段階に分けて目標を設定している。

第一段階⇒2025年までに世界の「製造強国」入りを果たす。
第二段階⇒2035年までに中国の製造業レベルを世界の製造強国の中位レベルに上げる。
第三段階⇒2045年までに「製造強国」のトップになる

【5つの基本方針】
1、イノベーション駆動
2、品質優先
3、環境安全型発展
4、構造の最適化
5、人材本意

この中で特に焦点を当てられているのが、1のイノベーション駆動と4の構造の最適化である。

中国は豊富な労働力と低賃金による「労働力労働密集型」の製造体制を誇ってきた。これが、日本でも、一時、否、現在でもお世話になっている、衣料品などの安価な大量生産品の供給を支えてきた。これが中国を「世界の工場」にした。

しかし、今後は労働構造の転換を図り、ITやロボット、AI(人工知能)を活用した「技術密集型/知能的集合型」の産業にシフトする必要があると、中国は考えている。この背景には、人件費の高騰と労働人口の減少(一人っ子政策)がある。

上に書いたように、中国政府は、「製造業のイノベーション能力の向上」を最重要な「戦略任務」の一つとして掲げている。具体的に書くと、企業主体で、官民学一体となった「製造業イノベーション体制」の構築を推進。産業ごとにイノベーションチェーンを整備し、(財政・金融・人材などの)資源を適材適所に配置したりする。また、イノベーションのコアとなる技術研究を強化し、研究成果の産業化を促進。

中国政府の恐ろしさは、こういう【戦略目標】を確実に実行する実行力と息の長さである。

他の民主主義国家はそうはいかない。どうしても選挙を意識せざるを得ない。選挙のたびに【長期的国家戦略目標】がぶれざるを得ない。さらに、これらの「国家戦略目標」は、覇権国家米国との関係で揺れ動かざるを得ない。

そう考えると、資本主義国で、「長期的国家戦略目標」を比較的自由に策定し、比較的自由に実行できるのは、「覇権国家」以外にないと言う事になる。

その為、先進各国の中で【長期的国家戦略目標】を保持しているのは、主に米国と言う事になる。そしてEUの盟主ドイツと言う事になる。(続く)
 
0007 >日米安保条約に代わる日本の平和と安全保障への道(永世中立国)(2) 厚顔 10/24 14:09
 
*前提

・集団的自衛権の行使が閣議決定され、日米安保条約と併せて、一見日本の平和と安全保障は増したように見えますが、現状はより米国の戦争に巻きこまれ易い状態になったと言えましょう。いざ米国と中国、ロシア、北朝鮮間で近代ミサイル戦争となれば、在日米軍の実質的抑止力は役立たず、いかなる防衛力をもってしても在日米軍基地と日本の主要都市、原発への攻撃は避けられず、日本の国民と国土は大きな犠牲を強いられることは疑う余地がありません。

そこで今、21世紀の日本の平和と安全保障を再考する良い機会と捉え、現状よりベターな日本の平和と安全が保障される選択肢として永世中立国を想定し、時節柄,思いつくままにおでんの具を鍋に盛り提示する次第です。まだ具も不足で味も染みていないと思いますが、たたき台として先ずは味見してもらい、中立国のイメージが膨らめば幸いです。


*永世中立国としての基本理念と基本体制 

・永世中立国になれば、それ自体に世界の平和希求と不戦の誓いの意味があり、スイスの例が想定されます。そして中立理念によって他国の侵攻を抑止し、また日常から世界各国との中立平和外交に努め、中立理念と平和外交を安全保障の楯とし、加えて現在の自衛隊は存続させ、専守防衛、災害救助活動に徹する。

・国連加盟も継続し、国連を通しても日本の永世中立国の理念と平和外交をアッピールして、国際紛争の仲裁、国連非武装PKO活動にも積極的に参加し、唯一の被爆国として核廃絶を訴え、国連の国際原子力機関(IAEA)本部を日本へ誘致する。

・現憲法の平和主義、国民主権、基本的人権、象徴天皇制は踏襲する。

・一方で裁判官の人事権を行政(内閣)より司法へ完全移管し、公正な行政裁判を期す。

・以上の平和と安全保障確保と公正な行政裁判のために憲法の一部改正は必要。

・経済的には研究・技術・工業・医療・安全な食品・農・畜産物の輸出立国を目指し、政・経分離で各国とwinwinの経済友好関係を築く。

・税制を抜本改革し既存予算枠を変え、国民生活と企業経営が両立できる予算編成をし、人口減少に歯止めをかけ、最低一億五千万人の人口を目指し、国、地方の赤字財政を改善し、社会保障費負担の人口逆ピラミッドを解消し、一方で円高メリットで国民経済と企業が成り立つよう方向転換する。

・原発は先ず北海道、四国、九州の原発を即時廃炉とし、原発のない安全な島にし、万一他国に攻撃された場合と天災による原発事故の放射能汚染から国民が逃れ、移住できる場所に位置づける。

・一方本州の原発は築40年を期限に廃炉とし、地球温暖化にも寄与していく最適な代替エネルギーで電力、ガスを供給して行けるようにする。そのためには現行電力会社9社を発送分離会社に再編し、ガス会社との相互乗り入れによる競争に限定する。

*日米安保条約のメリット、デメリットについて

 ・日米安保条約のメリットとしては東西冷戦時代に共産主義国のドミノ現象阻止のための自由主義国の橋頭堡として日米安保条約下の日本の役割があったことは事実であろう。しかし共産主義計画経済が自由主義経済に負け、ソビィエトが崩壊し、中国も 小平の経済改革解放以来、国家資本主義へ歩を進め、現在の経済大国に成長し、共産主義経済より資本主義経済の優位性を自ら実証する形になり、マルクス・レーニン主義による共産主義国家建設は瓦解し、日米安保条約もNATOも冷戦時代の目的は形骸化しつつある。

・そしていま浮上しているのは米国の軍産複合体経済+トランプ流資本主義経済と中国の共産党独裁による国家資本主義経済と日本を含めたEU型の修正資本主義の競争である。そして米中とも核ミサイルを所有し、核戦争になれば国家国民に明日はないことも分かっており、第1次、第2次世界大戦のような資本主義国間の戦争が起こる可能性は少ない。代わりに今起きているのはトランプ大統領のアメリカファーストの名の下の保護貿易主義、即ち多国間貿易協定から二国間貿易交渉への強行であろう。最たるは中国との貿易戦争であり、次は日本への貿易圧力である。

・しかし皮肉にも米国の保護貿易主義には日中は歩調を合わせて反対し、日米安保条約とのねじれが生じている。このような米国の保護貿易主義と日本の多国間貿易主義が対立すれば、日本の貿易立国は成り立たず、日米安保条約の意義は失われる。即ち経済協力関係と軍事協力関係は一致しないと意味をなさない。NATOを形成するEU諸国と米国間も同じである。正にイデオロギー闘争による東西冷戦終了の最終的現象であり、NATOも日米安保も見直しの時期到来(下記、日米安保条約第十条参照)と言えよう。

日米安全保障条約第十条(条約の終了) 

1、この条約は、日本区域における国際の平和及び安全の維持のため十分な定めをする国際連合の措置が効力を生じたと日本国政府及びアメリカ合州国政府が認めるときまで効力を有する。 

2 、もつとも、この条約が十年間効力を存続した後は、いずれの締約国も、他方の締約国に対しこの条約を終了させる意志を通告することができ、その場合には、この条約は、そのような通告が行われた後一年で終了する。

・そのような中、時計の針を冷戦時代に巻き戻すような集団的自衛権行使の閣議決定により、米国は自衛隊の出撃要請をしやすくなり、日本はそれを断りにくい状態となり、米国の戦争に巻きこまれ易くなった。

・一方で米対露・中・北朝鮮間の戦争が勃発しない保障はなく、日本企業の進出が一番多い中米戦争に巻きこまれればどうなるか、かつての日中戦争での満州からの引き揚げ光景以上の悲惨な光景が連想される。これを想像しただけでも中国とは平和外交しかあるまい。そう考えると日米安保条約は米国の戦争に巻きこまれるための条約でしかなく、永世中立国となればその危険性は低くなり、そこに中立国としての意義と価値がある。

・しかしいざ米国と中国、ロシア、北朝鮮間で近代ミサイル戦争となれば、日中間の距離が近く在日米軍の実質的抑止力は役立たず、いかなる防衛力をもってしても在日米軍基地と日本の主要都市と原発へのは攻撃は防御できないだろう。そして 核ミサイル戦争に勝利国はなく 、双方とも大きな一次的人的犠牲を被り、次世代、次次世代へと奇形児や癌は続き、日本の国民と国土は大きな犠牲を負い、国土は人間の住めない廃墟と化すことは福島原発事故からでも容易に類推できる。

・またこのことはこれまで米国がキューバーを攻撃できなかったことに通じる。即ちキューバーとの距離が近くてキューバのミサイル攻撃から米国の原発と東部主要都市を迎撃ミサイルで防御できないとのシュミレーションと読みである。余談ながら、それでも日本は米国から高額な迎撃ミサイルを購入しようとしている。

・それでも今の安倍内閣は米国一辺倒で、田中内閣の日中国交回復、大平内閣の日中友好政策以後の 小平の経済改革で、今や中国へ進出している企業数は日本が最多であり、持ちつ持たれつの経済関係にある。このような両国関係を無視して中国と政治的に対峙するのであれば、かつての自民党政治とは明らかに矛盾している。そして集団的自衛権の行使を閣議決定して、昭和35年に自民党が改定した日米安保条約からも乖離しつつある。

・また安倍首相はことある毎に、憲法改正は自民党の党是と口癖のように言っている。「党是」ならば、集団的自衛権を閣議決定などせずに、堂々と憲法に規定された手続きを踏んで憲法9条を改正し明文化すべきで矛盾も甚だしい。海外出張では頻繁に法の支配を友好国には訴えているが、先ずは自民党内で法の支配を遵守して貰いたい。

・そして閣議決定された集団的自衛権は日米安保条約と不可分の関係にあり、それは沖縄県での米軍基地負担の増大、北朝鮮の脅威を吹聴しての米国から迎撃ミサイル装置(アショア)の輸入拡大による日米貿易不均衡の是正、軍備費の増大に伴う国債(国の借金)の増大と社会保障費の減少等に繋がり、もはや21世紀の日本の平和と安全を護るには中立国となり平和外交に徹する方がベターな選択といえよう。

・そして北朝鮮との過去の植民地補償と拉致問題を同時解決していけば、国交回復につながり、脅威はなくなり、日米安保条約は不要であることが分かるはずである。

・最終的に世界平和と世界経済の発展と人類の幸福は同一線上に位置し、決して軍事費増大と戦争からは生まれないことは第一次、二次世界大戦の教訓である。そのような世界観から、先ず日本が永世中立国を宣言し、日米安保条約第10条2項にもとずき条約を終了させ、米・中・露及び世界各国との等距離平和外交に立ち、軍拡より軍縮を働き掛けることが、遅まきながら第二次世界大戦の敗戦からの21世紀に向けての知恵ではなかろうか。

*その他

・日米安保条約を解消すれば今以上の防衛費を要するとの俗説があるが、それは永世中立国でない場合の試算であり比較参考にならない。永世中立平和外交に徹すれば、防衛予算は現状より大幅に縮小可能なはずである。

・また永世中立国となれば、日本はスイスのように隣国と陸続きではなく島国であり、陸上自衛隊は現状より大幅に縮小でき、スイスのような徴兵制は不要。

・中立国になれば、ロシアの北方四島返還拒否の最大の理由と思われる領土返還後の在日米軍基地建設の可能性はなくなり、またロシアが択捉島で軍事訓練をする必要もなく、今までより返還交渉が容易になるはずである。そして返還後はロシア現住民の50年間の居住を認めながらサハリン、ハバロスク方面への経済援助に注力し、そちらへ北方領土のロシア住民が移住し易い環境を造る。

*永世中立国へのムーブメント造り

・課題は永世中立国へ移行するための政治的社会的ムーブメント造りである。今般の沖縄知事選挙で野党が推す玉城デニィー氏が勝利した要因は与野党のイデオロギー党争ではなく、翁長前知事の、「もう沖縄に米軍基地はいらない」、「もう政府と米軍の言いなりには成りたくない」、「自分の県のことは自治したい」という、県民の切実なアイデンティーを継承し、更に盛り上げた結果、台風接近の気象条件下、前回選挙で翁長知事が獲得した得票を3万票ほど上回り、8万票の大差で自民党、公明党候補に勝利し、一部公明党支持母体の創価学会票も玉城氏支持に回ったと報じられている。
さらに昨日(10月21日)の那覇市長選挙でも政府与党が推す候補は敗れて沖縄県民のアイデンティーブームは冷めていない、次は本土の有権者が引き継ぐべきではなかろうか。

・戦後73年間、日本全体も基本的には沖縄県と同じで、その間本土の米軍基地反対運動を回避するために、本土の米軍基地を沖縄に集約して、目先の風景を変えただけで日米関係の本質は変わっていない。

・今回の沖縄県知事選挙で玉城知事が翁長前知事から引き継いだ沖縄県民のアイデンティティーを日本全体に探し求めるとすれば、それは「永世中立国へ移行して日米安保条約の終了」というアイデンティティーではないだろうか。そうすれば辺野古基地建設反対も一挙解決である。

・永世中立イズムは過去の自民党と共産党、社会党間にあったような、与野党間の資本と労働のイデオロギー闘争ではなく、中立世界平和外交を掲げ、外国の圧力を受けることなく、日本のことは日本人が民主主義で決定するという、ごく当たり前のことであり、まさに国民のアイデンティティーの問題と言える。

・来年の参議院選挙の1人区で、各野党は統一候補を立てないと自民党、公明党候補に勝てないこと分かっているが、野党共闘できそうな旗がなく、溝が埋められず難航中である、この際先ず、[永世中立国を目指す」というアイデンティティーの旗の下に結集して、各党の政策をすりあわせ調整できないものか、このことについて野党は議論してみて欲しい。また「日本の永世中立国化」を唱えるるような政治家が一人でもよいから出て欲しいものである。現在期待したい政治家は自由党参議院議員山本太郎氏、社民党福島瑞穂氏、千葉民主連合参議院議員の小西洋之氏あたりである。
  


>日本は戦後の平和と安全保障を米国との安全保障条約に依って維持して今日に至っていますが、安倍内閣が集団的自衛権の行使を解釈改憲で閣議決定してから、米国の戦争に巻きこまれる可能性があり得るようになり、これまでと比較にならないほど、日本の平和と国民の安全は不安定な状態になったと言えます。即ち安倍内閣の集団的自衛権行使の閣議決定で日米安保条約は両刃の剣と化し、時の政府の集団的自衛権の行使次第によっては米国の戦争に巻き込まれ、日本が直接攻撃される可能性が想定されます。果たしてこのままで戦後73年間続いてきた日本の平和と国民の戦争からの安全は引き続き守れるのか、私達は日本の将来のために一考を要する時期にあると思われます。まさにここに表題の意味があります。(今日はこれにて)。
 
0006 日本全国沖縄化の可視化 流水 10/12 22:12
 
先日、TV朝日の羽鳥モーニングショーで、首都圏の【横田空域】の問題を取り上げた。沖縄国際大学の前泊教授が解説していたが、これはTV番組では近来にない快挙だった。この問題は一種のタブーのようになっていて、TVで報道されることはほとんどなかった。羽鳥たちの度胸を褒めなければならない。

この問題は、東京オリンピックに向けて、羽田空港へ北側(内陸部)から着陸できるようにするため、米国と交渉していたが、米軍側が難色を示している問題の本質にかかわる。

 首都圏空域の大半を他国の軍隊が自由に飛行でき、しかも空域の管制権も米軍が持っている。自国の飛行機が自由に飛行できないなど、他の先進国では考えられない。

 具体的に言うと、東京〜大阪(伊丹空港)は現在の空域では50分。横田空域を取っ払うと30分になる。しかも、横田空域を避けるためには、7、000mまで上昇しなければならない。この燃費も馬鹿にならない。このように様々な不都合が存在する横田空域の問題をそろそろ正面から考えなければならない時期に日本は来ている。

※横田空域の地図
https://search.yahoo.co.jp/image/search?rkf=2&ei=UTF-8&p=%E6%A8%AA%E7%94%B0%E7%A9%BA%E5%9F%9F+%E5%9C%B0%E5%9B%B3

 ※横田空域(解説)
http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2006/2006/html/i42c5000.html

・・「横田空域は、新潟県から東京西部、伊豆半島、長野県まで広がり、12,000フィート(約3,700m)から最高23,000フィート(約7,000m)の高度に上る空域であり、現在、この空域においては米軍が管制業務を行っています。この空域内には、米軍の横田をはじめ、空自の入間、海自・米軍の厚木などの飛行場があり、これらの飛行場を利用する航空機に対する進入管制業務(航空機に対し出発・進入の順序、経路、方式の指示などを行う業務)を行うための空域として利用されています。」・・・

前泊氏の解説では、「信号のない交差点に米軍が交通警官の役でたっている。自由に車で走ってよいが、事故を起こしたら自己責任ですよ。それを覚悟で走ってください。それが厭なら、米軍の指揮に従いなさい、というようなものだ」と言う事になる。

トランプ大統領訪日の時にも指摘したが、彼は横田空港に着陸し、米国大使館に入った。彼は、日本国に来たのではなく、米国領に着陸した。うがった見方をすると、彼は、【日本の現実はいまだに占領国だよ】という事を形で示したのである。

 今年、横田空港にオスプレイが配備されたというニュースが流れていたが、米軍は、日本の空を自由自在に飛んでもよい、というのが、「日米地位協定」なのである。だから、日本の市民が反対と言っても、法的には何の障害もない。

オスプレイの飛行については、米国国内では厳しい規制がある。(オスプレイの安全性についての疑問が払しょくされていない。)しかし、日本ではそんな制限もない。何の杞憂もなく、訓練ができる。もし、事故を起こしても、米軍が調査し、日本側の調査を拒絶することができる。(地位協定。)米軍が問題ないと言えば、問題ないのである。

ただ、あまり露骨にそんな事をすれば、日本国民の怒りを招く。だから、時々、米軍は日本国民への謝罪とか反省の弁を語り、日本政府の抗議を聞きいれるふりをして、一週間くらいの飛行自粛などでお茶を濁す。

さらに言えば、米軍兵士の犯罪も日本が裁くことができない。米軍の軍法会議で裁く。こういう植民地的ありようも【地位協定】で定められている。沖縄では、日常的に起きている現実。この問題は、最も人々の怒りを呼び起こしやすい。現に沖縄では、何度も県民総決起集会が開かれ、米軍に対する抗議が行われている。

 米軍も基地住民の怒りは無視できない。反米軍、反基地に燃えた住民に取り囲まれた【基地】はその機能が半減する。その為、いくばくかの譲歩をしたり、反省の弁を述べたり、外出を自粛したり、様々な手立てをして、【反米】【反基地】感情の懐柔に努めざるを得ない。

その為、日米安保条約締結後、結ばれた【日米地位協定】の細かで具体的な運用に関して、【日米合同委員会】が開かれて協議している。当初は、【日米地位協定】の具体的運用などについての会議だったようだが、今や政府も憲法も超える存在だとも言われており、そこでの協議内容は国民にはほとんど知らされていない。この会議に出席しているのは、主に米軍と日本の官僚(外務省中心に各省庁)で驚くべき広範囲な内容が離されている。

※日米合同委員会出席者 (外務省のHP)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/sfa/pdfs/soshikizu.pdf
 ※【憲法を超える存在!】日米合同委員会という密室で日本国民の主権が奪われている。・・・(お役立ち情報の杜)
https://useful-info.com/explaining-japan-us-joint-committee

・・・月に2回行われている『日米合同委員会』。全て非公開のため内容はほとんど知ることができない。
 我々はアメリカで日米合同委員会に関する資料を発見。
ここには、会合は隔週木曜日11時に開かれること、公式な議事録は両政府にとって公式な文書とみなされ、相互の合意なしには公開されないものとすること、合意に達した事項は拘束力を持つ、などとされている。
さらに、ウィキリークスが公開した外交資料には、アメリカ側が議会で合意内容を公表したことに対して日本政府が抗議したことが明らかにされている。
 「日本政府が過敏な反応を示すのは、国会での野党への対応のため」、「もし、公開されれば、政治的に大変なことになるだろう」、とある。・・・・

 ここに書かれている内容が戦後日本官僚の典型的やり口。日本や日本国民にとって都合の悪い決定は、【公開しない】。米国側から言わせると、われわれは公開しても構わないが、日本政府に頼まれて非公開にしている、と。

メディアで報道される解説では、米国からの圧力でしかたなく決定したと言われる政策で、日本側が圧力をかけてくれと依頼した事項がどれだけあるか分からない。日本の官僚は米国からの【圧力】を大義名分にして自分たちに都合の良い政策を吸い陣してきたのだが、その淵源はこの「日米合同委員会」にある。

・・・2009年、政権交代で総理の座に就いた鳩山氏は…。
 「秘密裏に月2回ほど、米軍のトップクラスの方々と日本の高級官僚の方々が議論しているという実態は、総理の私にも一切知らされていませんでした。」・・・

民主党政権の実態が良く分かる。総理大臣に重要な決定事項がほとんど報告されない、というより意図的に報告しない。鳩山政権が辺野古基地移設について、【最低でも県外】と言明したことに対する日本の官僚たちの抵抗意識の高さが見て取れる。【日米合同委員会】で、日本の官僚たちが、鳩山政権の意図の説明などしなかったのであろう。彼らは、民主党政権を日本政府として認知していなかったと言って良い。

 鳩山政権が官僚・メディアバッシング(官僚たちからのリーク;鳩山由紀夫に対する母からの資金提供問題など)・政治(自民党)・財界(経団連など)と米国(ジャパンハンドラーやこの委員会)などの圧力により退陣したのも頷ける。わたしは、当時、政・官・業・メディア・外国(アメリカ)による民主党潰しだと何度も指摘した。

このように、「日米地位協定」とその具体的適用や問題点などを協議する【日米合同委員会】の存在こそ米国の日本支配の「奥の院」だと言う事が理解されるだろう。

では日米地位協定とは何か。
※日米地位協定
http://worldjpn.grips.ac.jp/documents/texts/docs/19600119.T5J.html
 ※沖縄県 地位協定 ポータルサイト
http://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/kichitai/sofa/jp-us.html

日米合同委員会での密約が時折姿を見せるときがある。前泊氏が勤務する沖縄国際大学に、2004年米軍の大型ヘリが墜落・炎上した。当時日本の新聞も大騒ぎした。この時、大型ヘリが墜落したのが、公有地と私有地であるにも関わらず、米軍は周辺を閉鎖。警察やメディアの立ち入りを許さなかった。

この時の米軍の行動を許しているのが、日米合同委員会で決定された密約。

・・・「合衆国財産の保護をなすため、事前の承認なくして公有または私有の財産に立ち入ることが許されるものとする」
 、という1953年の合同委員会の合意。
 日本政府は60年経った2013年、初めてこの合意を公表しました。」・・・
【憲法を超える存在!】日米合同委員会という密室で日本国民の主権が奪われている。・・・(お役立ち情報の杜)
https://useful-info.com/explaining-japan-us-joint-committee

これはどう考えても独立国家のありようではない。1953年当時は、まだ戦後13年。米軍統治下の延長線上だと考えれば、やむ負えない面もあっただろう。しかし、その後に何の改定も行われなかった、という点に戦後日本の政治家や官僚たちの意識の問題が透けて見える。

 国際法では、公務中の軍人の地位というものは、他国の裁判の対象にならないというのが原則。特に外国に駐留する機会が多い米軍は、駐留する国に【裁判権】があるのを嫌う傾向が強い。米軍がイラクを完全撤退したのは、イラク側が自国の裁判権を譲らなかったためだとされている。

 最大の問題は、【公務外】の犯罪の裁判権の問題。沖縄ではこの種の【公務外】の犯罪が頻発している。

 沖縄ポータルサイトでは、次のように書いてある。

・・・「昭和47年の本土復帰から平成29年12月末までに、米軍人等による刑法犯が5967件、航空機関連の事故が738件発生している」とのべ、最近も米軍属による強姦殺人事件、オスプレイ墜落や普天間第二小学校への窓落下等事件が絶えないことを指摘した。また今年2月に三沢基地(青森県)のF16戦闘機が燃料タンクを投棄し、同基地近くの小川原湖でシジミやワカサギなどの全面禁漁に追い込まれたことにも言及し「日米地位協定の見直しについては、米軍基地が集中する沖縄という一地域だけの問題ではなく、我が国の外交・安全保障や国民の人権、環境保護、そして何よりも、日本の主権についてどう考えるかという極めて国民的な問題」とした。・・・

沖縄県 地位協定 ポータルサイト
http://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/kichitai/sofa/jp-us.html

沖縄ポータルサイトでは、この問題を深く考察。他国(ドイツ・イタリア)との比較を行っている。主に、「米軍に対する受入国の国内法の適用」「基地の管理権」「訓練・演習に対する受け入れ国の関与」「航空機事故への対応」を中心項目として、日米地位協定、ボン補足協定(ドイツ)、米伊の了解覚書(モデル実務取極)の条文を比較している。

 【分析結果】

 【ドイツ】
 米軍に国内法適用。基地内すべての区域に自治体や司令官が立ち入ると明示してある。米軍の訓練や演習も全て事前に通知し許可がなければ実施できない。
 警察権は、ドイツ警察が権限を行使すると明記。

 【イタリア】
 米軍に国内法適用。基地内すべての区域に自治体や司令官が立ち入ると明示してある。米軍の訓練や演習も全て事前に通知し許可がなければ実施できない。
 警察権は、イタリア軍司令官が権限を行使すると明記。

 日本
●【地位協定】に国内法を適用する条文がない⇒在日米軍に日本の国内法は適用されない。
●基地内の立ち入り権限⇒【地位協定】に明記されていない。⇒ない。
●米軍の訓練や演習⇒規定がないため、【規制する権限なし】
●警察権⇒「施設・区域内のすべての者若しくは財産、施設・区域外の米軍の財産について、日本の当局は捜索、差押え又は検証を行う権利を行使しない」と書かれている。

ドイツもイタリアも日本も第二次世界大戦の敗戦国。戦後、米軍基地が置かれたのも同じ。しかし、現在では、「地位協定」の内容が全く違う。こういう【権利】は条文に書き込まないと本当の意味で獲得したことにはならない。【権利】の獲得は、権利回復を願うほうが主張しなければ、決してできない。

ドイツ・イタリアと比較すれば、如何に日本政府と官僚たちがその事をネグってきたかは、一目瞭然。官僚たちは、「日米合同委員会」で何も主張してこなかった、と言われても仕方がない。

 「日米地位協定」を読めば、日本の領空は、米軍の自由だと言っても過言ではない。世界有数の大都市東京の空を日本の航空機が自由に飛べず、米軍の官制を聞かなければならないというのが、日本の置かれている現実。しかも、横田基地があり、相模原にも基地がある。横須賀には米海軍の基地がある。自国の首都圏に他国の広大な軍事基地があり、首都の上空すら自国の飛行機が自由に飛べないというのがリアルな現実。

 視点を変えてワシントンの上空を米国の飛行機が飛べないとか他国の軍が官制権を握っていると仮定すれば、米国がどう出るか。火を見るより明らかだろう。ましてやワシントン近郊に他国の軍事基地があるなど、米国が許すはずがない。これは米国だけではなく、近代国家ならば、当たり前の考え方である。

 戦争に負けたとは言え、日本も近代国家の端くれ。独立国家としての矜持にかけても、横田空域の撤廃と官制権の奪還に努めなければならないはずだった。ところが、戦後日本はそうしなかった。それより、タイラントである米国の力を国内統治に利用しよとした。

 口の悪い評論家から言わせれば、日本政府などというものは、横田幕府(米国)の出先機関に過ぎないと言う事になる。それも【藩】ではなく、【天領】。藩ならば、自藩の都合を最優先し、粘り強く抵抗する。

ところが「天領」だから、幕府の都合を最優先し、統治に臨む。安倍政権が良い例。安倍首相は、「天領」を支配する悪代官という役回りだろう。彼がトランプ大統領のポチの役割しか果たせないのも当然と言えば当然。トランプ大統領とマイアミの私邸で会談した時、傲然と立ちはだかるトランプ大統領の前で立ちすくんでいる安倍首相の姿が、象徴しているように、日米の構造的問題なのかもしれない。

しかし、日本が現在置かれている位置について、日本の未来について、本当に真剣に向き合おうとするならば、この【日米地位協定】の問題と【日米合同委員会】の問題を避けては通れない。

・・・米軍上層部から見た【日米合同委員会】は、日本における米軍特権を維持するためのリモコン装置のようなもの。占領時代からのフリーハンドの基地使用・軍事活動の特権を維持するとともに、変化する時代状況に応じて新たな特権を確保していくためのリモコン装置です。そのような政治上の装置が、日本政府の機構の中枢に埋め込まれているのです。・・(「日米合同委員会」の研究』の著者・吉田敏浩)

 安倍首相のいう「日本を取り戻す」のが真剣ならば、まずこの「日米地位協定」の改訂に政権の運命を賭ける覚悟がなければならない。彼が叫ぶ「憲法改悪」など後回し。まず、【日本の主権】を取り戻す戦いをすべきだろう。

かっての日本右翼ならば、こんな不平等な【地位協定】を糾弾してやまなかったはずだが、今や米軍ヘリコプターが校庭に窓枠などを落とした小学校に、文句を言うなと抗議を集中するあり様。彼らの思想など右翼にも値しない。所詮【意匠】に過ぎない。思想も信条もなく、ただ権力保持が自己目的と化した集団の醜悪な姿だけ目立つ。

わたしたちは、沖縄問題は、沖縄独自の問題だと勘違いしがちだが、【地位協定】を読めば読むほど、これは日本国全ての問題だと読まざるを得ない。

 羽田空港へ陸地(北側)から着陸する問題で顕在化したように、独立国家日本と言う国の未来をどう考えるか。首都圏の領空を支配され、首都圏に他国に巨大な基地を提供し、事実上の占領状態を是認するのか。横田幕府と呼ばれるような主権喪失の自体をどう克服するのか。このタブーに挑戦した政治家たちは、メディア挙げてのバッシングで潰される。こんな日本で良いのか。

このままいくと、安保法制が現実化し、米国の戦争に自衛隊が参加する事が現実化すると、日本全土が【沖縄化】するのは、確実。今回の羽田空港の領空問題は、「沖縄問題」が全国問題である事を国民の目にはっきり見せてくれた。

それを承認し、宗主国に対する忠誠のみに狂奔し、日本国民の命や富を宗主国に売り渡そうとしている「売国奴政権」を是認するのか。日本国民は正念場に差し掛かっていると思わなければならない。
 
0005 日米安保条約に代わる日本の平和と安全保障への道(永世中立国) 厚顔 09/15 23:05
 
日本は戦後の平和と安全保障を米国との安全保障条約に依って維持して今日に至っていますが、安倍内閣が集団的自衛権の行使を解釈改憲で閣議決定してから、米国の戦争に巻きこまれる可能性があり得るようになり、これまでと比較にならないほど、日本の平和と国民の安全は不安定な状態になったと言えます。

即ち安倍内閣の集団的自衛権行使の閣議決定で日米安保条約は両刃の剣と化し、時の政府の集団的自衛権の行使次第によっては米国の戦争に巻き込まれ、日本が直接攻撃される可能性が想定されます。

果たしてこのままで戦後73年間続いてきた日本の平和と国民の戦争からの安全は引き続き守れるのか、私達は日本の将来のために一考を要する時期にあると思われます。まさにここに表題の意味があります。(今日はこれにて)。
 
0004 「永世中立国」スイスに於ける「軍隊廃止」是否議論 笹井明子 09/15 17:06
 
厚顔さんが「イベントの紹介」スレッドで、「日米安保条約」に代わるこれからの日本の安全保障政策として「永世中立」という選択肢があり得るのではないかという提起をされています。
https://blog.goo.ne.jp/rojinto_goken/e/6ffd9e2a8ff5524bfeab6a52c7f07dc3

「永世中立」と言われて私たちが最初に想起するのはスイスですが、そのスイスで実際に行われた「スイス軍廃止」の是否に関する「国民発議」の議論が中々興味深いので、紹介させていただきます。
(情報は「国民投票の総て」(今井一さん編著)を参照しました。)

ご承知のように、スイスは第二次世界大戦勃発と同時に「武装中立」を宣言し、今も「国民皆兵・武装中立」を国是としています。(「良心的兵役拒否」は認められている。)

一方、世界情勢が変化し、東西冷戦が終わる1980年代後半には、「軍隊なきスイスを目指すグループ(GSoA)」が、「もはやスイスはどこかの国と交戦する可能性はなく、軍隊を廃止すべきだ」として1989年に「スイス連邦軍の廃止」の「国民発議」を議会に提出。結果は、投票率69.18%、(軍隊廃止に)賛成35.59%、(廃止に)反対64.41%でした。

その後、EUが発足し、加盟国が増えて欧州同士の交戦の可能性がほぼなくなったと思われる流れの中で、「軍隊なきスイス」という市民グループが、2001年に再び「軍隊廃止」の改憲を発議。この時は、投票率は37.93%と低迷し、廃止賛成票は22%弱に止まりました。

結果は結果として、ここで注目したいのは、「国民投票」に向けた市民グループGSoAと連邦評議会の言い分です。(「国民投票」では、賛否両派の言い分、投票結果によって法律や制度がどう変わるかの説明の解説書が届けられるが、解説書の中では当該案件についての連邦評議会の立場(このケースでは、「この発議に同意しない」)を明記しています。)

1989年の例では、GSoAは
『ヨーロッパでひとたび大きな戦争が起これば、スイスが生き延びることはありえない。戦争の勝者も存在しない。「軍事的防衛」によって我々はすべてを失う。
連邦憲法に定められた国家目的(平和、自由、自主独立)への努力は今後も続けるべきである。しかし、軍隊は平時にはこの目的を推進することはなく、有事にはこれを守らない。現実はその反対で、軍隊は有事に守ろうとするものを、平時に破壊しようとする。
我々の時代の課題は、国家間紛争解決のパターンとして定着している戦争を克服することである。スイスもまた全世界的な軍備縮小に貢献しなければならない。
スイスは軍事的にはもう誰からも脅かされない。私たちの暮らしの本当の脅威は、自国内にあるか、地球規模のかのどちらかである。これに対しては、軍隊は無力である。』

と「軍隊廃止」の論拠を述べ、

『我々は、重くのしかかる幻影に負けて戦争を肯定することをやめ、戦争回避に全力を注ぐべきである。軍隊を廃止することによってのみ、スイスは平和政策の可能性を最大限に利用することができる。
「軍隊なきスイス」は毎年、環境保全の拡充、国内や第三世界における貧困等の戦いのために、何千フランかの支援を得ている。包括的な平和政策は世界の可能な限りの多くの地域で、可能な限りの多くの人々に生きる機会を与える。本発議によって、GSoAは連帯感のあるスイスの構築に寄与したい。』
と結論付けています。

これに対し、連邦議会は、
「軍拡競争は続いており依然として脅威は存在する」「武装中立によってヨーロッパの安定に寄与し、他国の利益に貢献している」「純然たる防衛軍であり、軍隊の存在は「牽制作用」として、戦争防止に役立っている」「軍隊は、災害その他の非常事態の救助活動、国際会議での警護、安全保障、世界中の平和維持活動に貢献している」などの理由から、「軍隊は我が国の独立を守り、安定性を維持し、ヨーロッパ内の平和を促進することにつながる」として、GSoAの発議に「NO」とすることを有権者に勧めています。

「国民投票」の結果は先に述べた通りですが、夫々の論拠は日本を取り巻く状況にも重なるものがあります。

私たちは、直面する「9条改憲」の賛否選択や「日米安保条約」からの脱却の可能性を考える上でも、スイスの議論から学び、嘘や煽りぬきの、論理的で冷静な議論を重ね、判断することを、真剣に考えたいと思います。
 
0003 21世紀を読む;米覇権の後退と多極化世界へ (2) 流水 08/03 15:28
 
★「トランプの戦略」

こういう巨大な力と戦っているトランプ大統領の戦略は、基本的には(2)の戦略を踏襲している。北朝鮮との交渉に持ち込んだ手法は、今にも戦争を起こさんばかりに危機を煽りまくり、軍産がそれはやりすぎと沈静化に勤め始めた時を狙って交渉に持ち込んだ。

この手法は、シリア空爆やイランとの合意の破棄、エルサレムに米大使館移転などの手法に共通している。トランプの言うディール(交渉術)だろう。現在、行われているのは、イランとの戦争を起こさんばかりのやり取り。イランが本気でホルムズ海峡封鎖を強行したら、戦争は必至だろう。ただ、マティス国防長官が、話し合いの可能性を示唆しているところを見ると、おそらく落としどころを探る動きが出ていると思われる。

これらの政策を冷静によく見れば、米国は中東での仲介者の役割を降りた。仲介者を務めると言う事は、対立する二者の利害から離れて中立の立場を取る事を意味している。これまで、米国は曲がりなりにも中立性を保ってきた。だから、覇権国家として行動できた。

その中立性を捨て去るというのである。これでは仲介者の役割は果たせない。俺たちはイスラエルと同じだと言う事を宣言したと同じである。と言う事は、中東での覇権を手放したと言う事と同義である。

中東の覇権はロシアに任せたのである。(ヘルシンキでのプーチン大統領との会談の主要目的)

★【覇権のコスト】

さて、冷静に考えてみて、世界で唯一の覇権国家という立場は、アメリカやアメリカ国民にとって幸福なものなのだろうか。

この問いは、アメリカという国の将来を真剣に考えている大統領・政治家・学者・評論家・国民にとって重い問いである。覇権を維持するためには、膨大なコスト(資金的にも社会的にも、兵力維持のための兵員確保をどうするかなど)がかかる。こういうコストを支払ってまで覇権を維持するのが正しいのか。簡単に答えの出る問題ではない。

(1) 覇権を維持するための軍事的コスト⇒> 軍事費:6,110億ドル(約73兆円)
2007〜2016年、軍事費の変化:4.8%減 (オバマ政権下)
軍事費、GDP比:3.3%
1人当たり軍事支出:1,886ドル(約20万円強)  世界の軍事費の35%

(2) 兵士をどのように確保するか⇒現役兵士の数⇒約140万人 世界各地にある米軍基地の数⇒約800。(内訳;ドイツ=172。日本=113。韓国=83、など世界80ケ国に存在。) 
文化人類学者ヴァイン教授の試算⇒アメリカの納税者たちは1年に平均して1万ドルから4万ドルを、海外で働く一人の軍人を養うために支払っている。しかしながら納税者たちはまず、その事実に気づくことはない。

専門家は、アメリカ駐留軍は11の航空母艦とそれらの海軍基地を含め、様々な形をとって160の国と領土に存在していると指摘している。また、宇宙空間でもその存在が増している。公正を期すために指摘しておくと、国外における基地というのは他国も有しているが、そのような基地の数は全部で30といったところだ。とするとアメリカの有する国外に配置している駐留軍は、全世界の在外駐留軍のうち95パーセントにあたる。(スプートニック ;
https://jp.sputniknews.com/us/20150918913887/)

この膨大な費用と人員(兵士)を確保しなければならない。これが「覇権」を維持するためのコストというわけである。

(3) 帰還兵のPTSDなどが示す社会へのコスト⇒イラク戦争が始まった時、声高に語れたのが「戦争の民営化」という言葉。特にラムズフェルド国務長官がよく使った。

⇒文字通り、戦争を金儲けのタネにする発想⇒ハリーバートンなどの企業の名前が挙がっていた。・・・・・⇒このように、一部の企業経営者にとって戦争は文字通りビジネスだった。
           ↓
    イラク戦争での米軍死者⇒約4500人
    http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nobu/iraq/casualty.htm

    イラク戦争でのイラク人死者⇒約50万人
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/8459/

一部の企業の儲けのために、これだけの人命が失われた。よく考えれば、すぐ理解できるが、米軍戦死者の保証は国が行う。しかも、米軍兵士の給料は国が払う。戦争をする主体の費用は、全て国が負担。企業が負担する必要経費ではない。こんなうまい儲け話はない。文字通り、坊主丸儲けの世界である。【戦争の民営化】とは、人の生命を金儲けのタネにする、「ハイエナ資本主義」の極致である。

問題はそれだけで終わらない。米軍帰還兵の精神的疾患(いわゆるPTSD)の発症率はきわめて高く、しかも事態は非常に深刻。

ランド研究所(米軍にきわめて近いシンクタンク)が出した数字。
※https://www.rand.org/pubs/monographs/MG720.html

・・「戦争による目に見えない傷」(Invisible Wounds of War)として、帰還兵の3割がPTSD(心的外傷後ストレス傷害)やTBI(脳損傷)に侵されているという報告書を出した。また、同研究所は5月には、【帰還兵の自殺者】が、イラクアフガンでの戦死者数を上回ったことをレポートしている。

それによれば、「およそ300,000人がPTSDまたは大うつ病に現在も苦しんでいると見積もり、320,000人の退役軍人が配備中にほぼTBIである病を経験し、」「過去に配備された人々のうちの三分の一(31パーセント)が、これらの3種類の体の異常の内の少なくとも1つを持っている」。つまり、派兵された兵士の3分の1、およそ50〜60万人近くが何らかの形で精神疾患・脳障害を負っているのだ。そこで明かされるコストも膨大である。重度精神疾患者一人に4000万円近いコストがかかる。治療費にとどまらない「社会的負担」が覆い被さるのである。9月にはこの報告書に基づいて、TBI患者への補償の増額が決定されている。・・・

日本でもNHKスペシヤルでこの問題が報告されている。
戦場 心の傷 
兵士はどう戦わされてきたか (1)  2008年9月14日(日) 放映
戦場 心の傷 
ママはイラクへ行った (2)     2008年9月15日(月) 放映

そして、この問題がアメリカ社会の格差拡大につながり、社会の大きな不安要因になっている。自殺だけにとどまらず、凶悪犯罪に手を染める帰還兵も多く出ている。

映画ランボウの苦悩はベトナム戦争が舞台だったが、イラク戦争やアフガン戦争帰還兵も同じ悩みに苦しんでいる。時の流れは残酷でそのような悩みを抱えた帰還兵たちも容赦なく年をとる。ますます、彼らの社会復帰が難しくなり、問題の深刻さは増すばかりである。

上記のような問題を深刻に受け止め、真摯に問題に向き合うなら、【世界唯一の覇権国家】であり続ける正当な理由を見つけ出すことは難しい。

歴代の米大統領は、軍産の力を削ぐために、覇権の一部を中ロなどに譲り渡したいが、軍産の代弁者たちの【敵に覇権を渡すなどとんでもない】という主張に阻まれてきた。それでも強行しようとするとケネデイ家のような悲劇に見舞われる可能性が高い。

アメリカが覇権国家になった初期の理想(世界平和の構築)などどこかに飛んで行き、軍産複合体の利益確保のための【覇権国家】という現状になっている。

現在、トランプ大統領は、ロシアのプーチン大統領との会談で譲歩しすぎたという批判にさらされている。わたしたちは、メディアから、トランプ大統領がロシアの代理人だという主張をずっと聞かされ続けている。彼がロシアの代理人だという証拠は何もないのに関わらず、である。

Paul Craig Robertsは、【アメリカ大統領を打倒するCIA/FBI/DOJの策謀】という文章でその事を告発している。(マスコミに載らない海外記事)
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/ciafbidoj-e76f.html

如何にトランプ大統領が軍産複合体から危険視されているかがうかがえる。軍産にとってトランプを潰さなければ、自らの基盤が失われるという危機感が伝わってくる。

・・「トランプ大統領はその事をよく知っており、軍産の主張に同調したように見せかけながら、過剰な敵視政策をとることにより、反米国家や非米国家を団結させ、米国の覇権外に新たな国際秩序を構築するように仕向けている。(上海機構や今回の北朝鮮が良い例)
イランとの確執もその戦略の一環ではないかという疑いがある。

さらに米国が起こし、無残な失敗をした中東などの馬鹿な戦争の後始末をロシアやイランなどの非米国家に任せ、その地域を非米国家の覇権下に押しやる方法である。イラク、シリア、北朝鮮、エジプトやイスラエルもロシアに任せている。つまり、中東の覇権はロシアに譲っている」・・(田中宇説)

さらにG7やNATOでのトランプの言動。トルコに対する言動。アメリカの同盟国に対するこれらの言動は、当然同盟国の首脳を怒らせる。そうなれば、同盟各国はアメリカに過剰に依存する事を止めようと考え始める。良い例がドイツのメルケル首相で、彼女ははっきりと「アメリカにはもう頼れない」と言い始めている。

特に、貿易問題などで欧州産品の関税を上げようというトランプの主張を受け、EU各国も報復関税をかけようとしている。こうなると、経済でもEU各国は自立する以外ない。TPP離脱やNAFTA再交渉もこの文脈で見なければならない。

さらに、注目しなければならないのは、NY連銀に対するトランプの要求である。アメリカでは、伝統的にNY連銀の独立性が重視されてきたが、ここにきてトランプ大統領は、利上げしないでドル安・低金利を維持しろと圧力をかけている。さらに、日本やEUに対し、ドル高・円安ユーロ安を維持するQEなど緩和策をやめろと言い出している。これが利いたかどうか定かではないが、8/1に行われたNY連銀の金利は現状維持だった。

トランプのこの政策は、短期的には米国貿易の縮小。長期的には、アメリカ国債の利上げ、を齎す。

つまり、米国覇権にぶら下がりたいEUや日銀にとって、米国貿易を拡大し、アメリカ国債の利下げが利益。トランプの政策は、この狙いを壊すもの。日本もよくよく考えなければ、トランプの経済政策で経済がボロボロにされる可能性がある。

アメリカ覇権に永久にぶら下がりたい同盟諸国は、これからはトランプ大統領の政策に安保・経済両面で追い立てられると覚悟しなければならない。

★【トランプ大統領の政策目標】

◎安全保障と経済(金融)⇒対米自立・非米化の強制

日本の官僚機構⇒対米従属(隷属と言ってもよい)が自らの官僚独裁を守る要諦と信じている。(※鳩山由紀夫が知らなかったと証言した日米会議で様々な方向性が決定している)

例えば、・・・7月31日、黒田日銀が政策決定会合で、QEを今後も長期にわたって続けることを決めた。今回の政策決定は「次回大統領選挙でトランプが再選を果たす2020年まではQEを続ける。QEの資金によって、日本だけでなく米国の金利安(債券高)や株高を維持し、米国中心の債券金融システムの破綻を先送りすることで、トランプ再選に貢献する」という意味だ。・・・田中宇(田中宇の国際ニュース)

つまり、国家の方向性を決定するようなQE(その弊害はもはや看過できないところに来ている)を日銀が決定してしまう。下手をすると、日本経済がクラッシュする可能性が囁かれているような政策をこのまま続けるというのである。

欧州の中央銀行(ECB)は今年末でQE(金融緩和)を止める。彼らは、対米自立を加速させようとしている。

トランプ大統領が続く限り、欧州の動きが世界の主流になる。日本政府が購入を決めたイージス・アショアの馬鹿高さ一つとっても、対米従属のコストが看過できない規模にまで達している。日銀の異次元とうそぶいた金融政策も、そもそもは、米金融当局を助けるため、行われた政策。

トランプアメリカが、対米従属を止め、対米自立をしろ、と言っているのに、【どこまでも付いて行きます 下駄の雪】という対米従属政策以外にひねり出せない安倍政権と日本官僚機構の能無しぶり、へたれぶりにはあきれ返る。

現状維持思考だけで、こんな「無能政権」を支持していると、日本沈没が目の前にくる。
 
0002 21世紀を読む;米覇権の後退と多極化世界へ(1) 流水 08/01 13:34
 
1、転形期から争乱期へ(覇権の交替期へ)

以前からこの掲示板で何度も指摘してきたが、現在の世界は【転形期】であり、当分の間は、この転形期の混乱が続く。現在の世界の混乱は、世界が転形期から争乱期に入ったためだと認識できる。
※転形期から争乱期に入った世界
https://blog.goo.ne.jp/rojinto_goken/e/0de8de0783ebcf51c18cda07a1ed6ec6

歴史認識の違いはあるが、世界は、【覇権】の交替期に入ったと考えてそんなに間違いはないだろう。

※覇権⇒覇権とは「武力を使わずに他国に影響力を持つこと」である。支配という言葉から思い起こされる、武力によって他国を傘下に置く植民地、保護国、傀儡政権などは、覇権の範囲に入らない。・・・(田中宇 覇権の起源)・・

★覇権の本質

実は戦後日本のありようが、アメリカの「覇権の本質」の最も典型的な事例である。昨今はいささか変わってきたが、以前の日本人の大多数は、米から抑圧されているという自覚を全くと言って良いほど持っていなかった。戦後の日本人にとって米国という国は、まばゆいばかりに輝く自由で豊かな国だった。戦前の抑圧された社会とは全く異なる社会の存在を国民に教えてくれたのが、アメリカという国家だった。

かく言う私自身もアメリカが大好きで、野球、映画、音楽(ジャズやポップスなど)に血道をあげていた。アメリカの政治制度、歴史などもかなり勉強した。

このような日本への影響力の行使それ自体が、まさに【覇権】そのものなのである。

つまり、傀儡政権それ自体が、「覇権の結末」だともいえるのである。その場合、その影響力行使に武力を背景にした脅しが存在するかどうかは、覇権国の指導者の個性にもよるし、傀儡国家の指導者の個性にもよる。さらに傀儡国家の国民の【反米意識】の濃淡にもよるので、微妙な点である。

最近では、G7の会合やNATOの会合におけるトランプ大統領の振る舞いが、覇権国家としての米国の抑制した礼儀正しい振る舞いとあまりにもかけ離れた非常識で無礼なものであるため、トランプや米国に対する不満が噴出している。「覇権国家」には、「覇権」を受け入れている国家やその国民を納得させるだけの説得力と相手国を尊重しているというそれなりの礼儀が求められる。それを欠くと、「覇権国」は、覇権から降りなければならない。

よくよく世界を見ていると、明確に反米を掲げている国以外のあらゆる国の政府は、米政府からの注文や忠告を無視する事はしない。日本政府が米国政府要人の発言に一喜一憂している姿を思い出してほしい。これが「覇権国」とそれを受け入れている国家の「覇権の関係」を象徴している。

★覇権国の必要性

では、何故世界は、「覇権」という形式を必要としたのだろうか。簡明直截に言えば、圧倒的な武力があるから「覇権国家」になれるのであって、武力の弱い国は決して覇権国家にはなれない。だから、武力で支配すれば良いのに、何故回りくどい「覇権」のような方法を採るのか。

それは、七つの海を支配した大帝国【覇権国家】だったイギリスの植民地支配の方法論にその淵源がある。イギリスの植民地支配の方法論が、現在の【覇権】のありようの骨格を作った。

イギリスは君主制を採りながら、「歩きながら考える」というきわめて穏健な民主主義国家である。これは、主権在民という民主主義が国家の理想の姿だという近代国家の理念があるからである。

その建前を維持するためには、二つの点が重要になる。

@圧倒的な武力が必要⇒その武力を維持する圧倒的な経済力が必要。
A支配する国の内情を徹底的に調査し、把握する必要⇒【諜報活動】が必要⇒【諜報】は最も重要な覇権の手段⇒イギリス=M16 アメリカ=CIA

★諜報組織の重要性

経済力がさほど強くないイギリスが米国を支える「覇権国家」として世界に君臨できたのも、M16という諜報組織の力が大きい。イギリスが「覇権」をアメリカに譲ってもM16が米国のCIAを指導し、米国と一体となって諜報活動を行い、アメリカを助けてきたから、イギリスは影の覇権国家として存在し続けたのである。現在のイギリスはEU離脱などで経済的に困難な状況に陥るかもしれないが、世界に冠たる諜報機関が健在ならば、必ず生き残るだろう。

覇権国だったイギリスは、MI6(軍事諜報部、SIS)など世界最強の諜報機関を持ち、今もその「諜報力」はイギリスの国力の最重要の部分である。他の大国から機密や技術を盗み出し、それを金儲けに変えて国家の生き残りを画策できる。 

「覇権国家」というものは、建前とは違うこのような隠された錬金術を持っている。それが覇権国家の所以であり、覇権国家以外ではなかなかできる技ではない。

★イスラエル諜報組織(モサド)の影響力拡大

ところが9.11以降、その役割はイスラエルの諜報機関(モサドなど)が担っている。イスラエルの諜報機関は中東情勢に精通していたからである。現在のトランプ政権の中東政策を仕切っているのはイスラエル。周囲が敵ばかりのイスラエル。彼らが生き残れてきたのは、【情報収集能力】。モサドはその中核である。彼らの諜報能力は半端ではない。同時に、要人暗殺など汚れ仕事も厭わない。米国の手法がだんだん荒っぽくなっているのもイスラエルの影響かもしれない。

ここまでは、現在起きている世界の混乱の最大の要因は何かを理解する前提である。

2、軍産複合体とは何か

なぜ、詳細に「覇権」の在り方を書いたかというと、現下の国際情勢を理解するキーワードが【軍産複合体】だからである。

・・「軍産は、米国の諜報界を中心とする「スパイ網」で、第2次大戦後、米政界やマスコミ、学術界、同盟諸国の上層部に根を張り、冷戦構造やテロ戦争(第2冷戦)の世界体制を作って米国の覇権体制を維持してきた。」・・田中宇 (軍産の世界支配を壊すトランプ)・・・

つまり、【軍産複合体】というのは、アメリカの【覇権】を支える中枢であり、頭脳であり、手足であり、富を生み出す魔法の杖でもある。これなくして米国の【覇権】は成立しない存在である。

また、イスラエルのロビー活動の影響も無視できない。アメリカ政府の政策決定に甚大な影響力を行使している。莫大な資金を使い、多くの議員に献金している。さらに、9・11以降、イスラエルの諜報機関がアメリカ諜報機関に影響力を増している。現在のアメリカ政府の政策決定におけるイスラエル・ファクターを無視してはアメリカ政府の方向性が理解できない。

★メデイアに対する影響力(フェイク ニュースの存在)

現在日本で流されている世界のニュースの大半は、これら様々な国や機関の利害が集中している軍産複合体の見方にそって流されている、と理解しなければならない。なぜなら、欧米メディアの大半は軍産複合体の影響下にあり、多かれ少なかれ、アメリカ「覇権体制」の維持発展に資するニュースを流している。

トランプ大統領がアメリカメディアとの関係が非常に悪いと言う事は、彼が「軍産複合体」の意向にそぐわない人物だと言う事を示している。トランプ大統領のロシアゲート疑惑も、元をただせば、ヒラリー・クリントンが私用メールを公的な仕事に使った、という疑惑に端を発している。この疑惑がヒラリーの得票を減らし、トランプ大統領の当選を促した結果になった。この疑惑を拡散するのに、ロシアの関与があった、というわけである。

そして、ヒラリー・クリントン女史は人も知る典型的新自由主義者でネオコン。「軍産複合体」の強い影響下にある人物。この一事をもってしても、トランプ大統領と軍産複合体の確執が理解できる。トランプ大統領は軍産複合体の星を落選させたのである。

この視点から米国政治事情を見ると、日本国内で流布されているアメリカ政治のありようがかなり変わって見えてくる。ロシアゲート疑惑もトランプ大統領の致命傷にはならない可能性が高い。

3、アメリカ国内の政治的立場の相違

米国内には、二つの立場がある。
(1)唯一の【覇権国家】あり続ける。
(2)米国が唯一の【覇権国家】であり続ける戦後の世界体制の変革を考える⇒覇権の一部を米国以外の国に譲り渡す⇒覇権の多極化

軍産複合体は当然(1)の立場である。この軍産支配が続けば、BRIC’Sと呼ばれた新興国などの経済発展が「経済制裁」の名のもとに阻害される。世界の健全な経済成長を図る立場から言えば、(1)のアメリカが唯一の覇権国家である立場から脱却する以外ない。

日本では無批判に報道されているが、アメリカ主導の【経済制裁】の下でどれだけの国家が成長の目を摘まれたか。トランプ大統領の出現で、アメリカの「経済制裁」というものの本質が明確に見え始めた。

具体的に言うと、北朝鮮への制裁は曲がりなりにも国連安保理決議を経ているが、イランへの制裁は、安保理決議を経ていない。それどころか、多くの国が反対である。それでもアメリカはイランへの経済制裁を実行しようとしている。これが覇権国家のやり口。

一言で言えば、アメリカの覇権を維持することに邪魔な国家に対して発動されたり、反米国家に発動されるものだと言う事である。

「唯一の覇権国家」アメリカを維持する立場から言えば、アメリカ以外の世界の全ての国家が経済的に貧困国であるのが理想。そうすれば、アメリカの立場を危うくする国は出てこない。全ての国がアメリカを頼り、アメリカの顔色を窺う。そうなると、常に米国の主張が世界の主張として通る。これが軍産の利潤を最大化する最善の方策。つまり、世界に冠たる「経済国家」建設がその要諦になる。

その最大の強みである経済強国の立場を脅かししているのが、日本やドイツ。そして、BRIC’Sなど新興諸国。今や米国は国内の製造業などは壊滅状態。米国経済はIT産業と軍需産業、基軸通貨としてのドルの威力で持っていると言っても過言ではない。

だから、製造業や農業などの国内産業の不満はたまる一方。覇権国家でない普通の国家は、血のにじむような企業努力でその危機を乗り切ろうとするが、アメリカは違う。覇権国家としての強みを生かし、他国の些細な非違をあげつらい「経済制裁」を課して競争相手を潰す。

今、トランプ大統領がなりふり構わずやろうとしている「貿易戦争」は、これまでのアメリカのやり口の総集編的方法である。アメリカが主導して作り上げた国際貿易のルールや機関(WTOなど)を無視して、自国の都合を押し付ける。覇権国家でなければ、そんな無茶で理不尽なやり口を強行する国は、国際社会によって潰される。アメリカだからできる。

このやり口を見れば、アメリカという国家は、民主主義国家などではなく、本質的にタイラント(暴君)だと言う事がよく理解できる。

★ロシアの立場

ところがソ連時代からそうだったが、ロシアは「覇権の多極化」にきわめて積極的。特にプーチン大統領になってからのロシアは、ゴルバチョフやエリチン時代に失った旧ソ連の栄光の回復に積極的。

簡単に言うと、ゴルバチョフもエリチンもアメリカに良いように騙された。旧ソ連邦諸国にはNATOの影響力を拡散しないという約束を反故にされ、今やロシアの喉首にまでNATOのミサイル基地が建設されている(東欧各国で行われたカラー革命など)。

KGB出身で、アメリカの凄さも狙いもよく知っていて、旧ソ連時代の栄光もよく知っているプーチン大統領には、それは我慢できない屈辱である。その為、プーチン時代のロシアは、軍備力を整備し、その力を増している。はっきり言うと、覇権の多極化こそプーチン大統領の究極の目的だろう。

★軍産複合体とロシアの確執

と言う事は、軍産複合体にとって、きわめて不都合で不愉快な存在。軍産はロシアに対し厳しい敵視政策を行っている。以前にも書いたが、2014年のウクライナ危機は米諜報機関がウクライナ国内のネオナチと結んで起こした政変。資金は、ジョージ・ソロスが出したとされている。(わたしの読んだ資料では約10億ドル)

同様なことをクリミア半島(ロシア海軍基地がある)で行おうとしていることを事前に察知したプーチン大統領が、国民投票を経てクリミアをロシアに併合した。

クリミア危機は、その背後に米軍産複合体とロシアの【覇権】をめぐる対立がある。一方的にロシアを悪者にする見方は、軍産複合体のプロパガンダに乗せられる危険性が高い。

★軍産の得意技=濡れ衣作戦

わたしたちがよく知っておかねばならないのは、軍産や諜報機関が得意な方法に、【濡れ衣】作戦というプロパガンダの手法がある。イラクのフセイン大統領やリビアのカダフィやシリアのアサド大統領などに浴びせられた極悪非道な独裁者という【濡れ衣】が、彼らを国際的に孤立させ、米国の侵略行為を正当化した。

米軍産の力は非常に強く、欧米各国や日本メディアなどに強い影響力がある。それらをフル稼働させて、軍産複合体の利益を最大化させる戦争の正当化を行ったのである。(イラク戦争前のフセイン悪人説キャンペーンを思い出してほしい)

※つまり、現存する世界の危機の大半は、軍産の利益を最大化するためのプロパガンダの一環だという事を冷静に認識し、対処しなければ、国の方向を誤る。覇権国家でない国の指導者は、覇権国家の指導者以上の知性と理性と冷静な判断力が求められる。

★覇権の多極化

覇権の多極化を考える(2)の立場は違う。米国内では、軍産のふりをして、軍産内に入り込み、ベトナムやイラクのような無謀な戦争をしかけ、破滅的な失敗を行い、軍産複合体の弱体化を図る。当然だが、このために数百万規模の人命が失われた。それでも、米国内の軍産の勢力はなかなか弱体化しない。

一説によると、軍産複合体企業から献金を受けている政治家の数は、アメリカ国内でも優に400人を超えているそうである。さらに、彼らが影響力を行使できるNATO諸国、日本、韓国などアジア諸国、中南米諸国などの政治家などを加えると膨大な数に上るはずである。

アイゼンハワー大統領が退任するとき、軍産複合体の危険性を予言し注意を喚起したが、時すでに遅し。彼の危惧がそのまま具現化しているのである。
 
0001 安全・外交政策を考える(第十六期) 笹井明子 08/01 04:36
 
世界情勢の変化の中で、日本の平和や安全に資する安全・外交政策はどうあるべきかについて、考え、議論し、提言を行う。
 
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